FCバルセロナ 24〜25前半戦総括
こんにちは。
今日は、私の趣味の海外サッカー観戦で全試合見ている、
「バルセロナ」の今シーズンの前半戦の振り返りをざっくりしていこうと思います。
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シャビ→フリックバルサへ
まず、今シーズンは、昨季までのシャビ政権から、フリックへ監督が交代したのが最大のニュースでしょう。
バイエルンにて、CL制覇の経験がある、実績のある名将が監督になることは、
ここ数年のバルセロナにとって、1番の願いだったかもしれません。
憎きバルメトウ前会長に、バルセロナの財政が壊され、
選手獲得はもちろん、監督も実績ある人を呼べず、
クーマン、セティエン、そしてカタールでの監督経験しかない、シャビを呼び寄せたのは、苦肉の策でした。
そんなシャビは、冬にシーズン途中で監督なったにも関わらず、
CL圏外のチームを立て直し、CL圏内にしました。
そして、2年目は、リーガ制覇。
監督としての実績が少ない中、よく立て直してくれました。
ただ、昨季でバルセロナでの監督が終了となったのは、
CLでのビッグマッチを落としたり、レアル相手にクラシコを2戦とも落とすなど、
「ここ一番での勝負弱さ」
それに加え、守備的な戦術への物足りなさが、相まって交代になりました。
不用意な発言が多かったのも、監督しての未熟さを表していました。
そんな中、経験豊富なフリックは、クレとして、とてもワクワクする就任でした。
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放出と補強まとめ
【主な放出】
MF ギュンドアン (完全)
FW ロッキ (レンタル)
ファイエ、チャディリアド、フリアン、バジェ、デスト、ラングレ、ギウ
などは、レンタルや完全などで昨季も主な戦力じゃなかったので省略。
セルジロベルト、マルコスアロンソは、契約満了で移籍。
ロメウはレンタルで、
昨季大活躍の、Wフェリックス、ジョアンとカンセロはレンタル期間満了。
中盤で活躍し、昨季バルセロナMVPのギュンドアンの放出は大きな波紋を呼びました。
ただ、結果から見ると、完璧なタイミングでの放出でしたね。
中盤と前線のメンバーの放出が目立ち、選手層がさらに薄くなりました。
【主な獲得】
MF ダニ・オルモ (完全)
FW パウビクトル (完全)
アンスファティ、パブロトーレ、エリックガルシア (レンタルバック)
MF ベルナル、マルク・カサド (昇格)
DF マルティン、フォルト (昇格?) Bにも出てた気がしますが。
財政難のバルセロナの、補強の目玉は、ダニオルモ。
カンテラ育ちで、16歳で他国へ移籍し、実績を掲げ、バルセロナに舞い戻り、
ギュンドアンが抜ける穴を埋めて欲しい選手。
パウビクトルは、Bチームでの活躍からロッキのような役割を求められ、
トーレとエリガルは躍進のジローナで試合をこなし、アンスは怪我も多く不安な中、
最大の補強は、やはり世界最高の下部組織、カンテラからの昇格の、
ベルナルとカサドの昇格でしょう。
フリックが補強の必要性を強く言わなかったのは、この2人がピポーテに存在指定たから。
トップチーム経験はほぼないにも関わらず、信頼したフリックにあっぱれ。
獲得に関しては、今のバルサでやれることをやったが、物足りない夏でした。
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バルセロナの試合の見所
手堅く、守備重視のシャビバルサから、縦に速いサッカーをするフリック。
ハイプレス・ハイライン。
これが1番の見所でしょう。
前線の守備の起点は、両WG。
どちらかが、相手CBにプレスし、制限をかけ、それに準じて、中盤、またはサイドバックがパスの出所へアタックする。
CFは、前に行くのではなく、相手ボランチへのパスのコースを消す役割。
プレスを交わされると、数的不利になるリスク高めではあるが、フリックはそれをします。
交わされた対抗策は、一つ。
ハイライン。
DFの位置をこれでもかとラインをあげ、相手FWをオフサイドに仕留める。
この戦術が、前半は、うまくはまってました。
オフサイドが面白いようにかかる。
ですが、諸刃の剣で、プレスをかわされ、オフサイドトラップをかわす裏抜けの動きをされると、簡単に失点をしてしまいます。
事実、12月のバルサの守備はおそまつで簡単に失点していました。
後半に向けての対策は必要ですが、
ひとまず、ハイプレス・ハイラインは、バルサの要です。
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個の輝き
今季のバルセロナは、チームとしての変化はもちろん、個人の変化も大きくありました。
その中で、前半戦の中で、輝いた選手を紹介していきます。
【ハフィーニャ】
リーガ: 19試合 得点:11 アシスト:8
CL : 得点:6 アシスト:2
【ヤマル】
リーガ: 16試合 得点:5 アシスト:10
CL : 得点:1 アシスト:2
【レヴァンドフスキ】
リーガ: 18試合 得点:16 アシスト:2
CL : 得点:7 アシスト:0
前線のこの3枚は、世界最高の数字を前半の前半は起こしていました。
ヤマルが魔法をかけ、ハフィーニャが走り、レヴィが決める。
3人とも、素晴らしい結果を残しました。
17歳、ヤマルは今シーズンは円熟みを増し、アシストを量産し、
36歳、レヴァンドフスキはベテランながら、得点が止まりません。
そして、何といっても、ハフィーニャは、過去最高の自分を証明しました。
バルセロナに移籍してから、毎年のように放出を騒がれ、
本来の右WGはヤマルの出現でレギュラーの座を奪われ、
再起を誓った左WGで、彼本来の力よりも、更に素晴らしい活躍をしています。
本来、彼は、数字以外のハードワークの部分が唯一無二の素晴らしさで、そこの評価が高かったですが、
今季は結果も爆発しました。
昨シーズンも得点・アシストで10は超えてましたが、物足りない部分が多かったです。
第四キャプテンにもなり、バルセロナの中心として期待された今季、彼の裏抜けは特に一級品で、特にCLバイエルン戦は圧巻でした。
ただ、先日のアトレティコ戦は、2回の決定機脱に、不用意なパスミスで逆転を許すなど、改善の余地はまだまだあります。
それでも、この3人の揃い踏みは、今季の前半戦の快進撃の目玉でした。
レヴィは衰えが目立つプレーがここ数ヶ月は見えてますし、
ヤマルの負傷離脱で、結果が出づらくなってますが、
フルコンディンションの3人は後半戦も数字を重ねてくれると期待しています。
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中盤の宝
個の輝きにいれようと思いましたが、長くなってしまうので、ここからは中盤選手。
中盤のMVPは、マルク・カサドでしょう。
ベルナルは、負傷離脱という最悪な悲しい結果で今シーズン終わりましたが、それでも彼が十分やれる実力を示せました。
そして、カサド。
Bチームのキャプテンであり、中盤だけでなく、右SBもできる、ユーティリティプレイヤー。
プレシーズンは少し空回り気味でしたが、ベルナルのケガ後は特に変化し、
チームの中盤の心臓として、大活躍しました。
「今、何をすべきか、どこにいるべきか」
いわゆる、サッカーIQがとても高い選手だなと見ていて思います。
セルジロベルトのように、気が利くプレーが多く、
守備では、闘志あふれるプレーも見せ、
攻撃では、針の糸を通すようなスルーパスも出せる。
ブスケツ去しバルセロナのピポーテにしっかりとハマりました。
まだ21歳と年齢も魅力的で、今後10年バルセロナを支えてくれる才能です。
フリック監督とコミュニケーションを取るシーンをよく見ますが、監督の意図を捉え、効果的にプレーし、自己中にならない模範的な選手だと思います。
スペイン代表にも呼ばれ、流石に疲れの色が出て、不用意なミスも増えてますが、それは許容範囲。彼を責めるのはお門違いでしょう。
彼が中盤の守備面でのバルセロナのキーマンなのは間違い無いでしょう。
天才の復活、ペドリ。
ここ数シーズンは怪我での離脱が増え、将来に不安が灯っていましたが、
今シーズン、リーガ19試合に出場、4得点2アシスト、
そして、数字に残らない圧巻のプレーを何度も見せ、クレを喜ばせてくれました。
まだ22歳ながら、ベテランの風格を見せ、踊るように華麗なプレーを見せ、
特に、先日のアトレティコ戦は、味方のみならず、相手ファンをも魅了する、そんなプレーでした。
何より、彼が試合に出続けられることが、クレとしては嬉しいです。
ただ、彼の素晴らしいアシストを前線の選手が外すシーンも増えているので、それだけが心配。
攻撃の核は、彼で間違いないので、後半、さらに一次元上がるプレーを期待します。
他にも書きたい選手は多いですが、一言ずつ。
怪我明けのデヨングは、物足りない試合が多く、クラシコ以外で彼にポジティブな言葉をする人は少ないでしょう。トップ下起用も活躍は1試合のみで、彼の魅力は出ないでしょう。来季の放出筆頭候補。好きな選手だけど、高給で怪我がちでこの結果は難しいでしょう。
長期離脱明けの、ガビ。
彼が元気にピッチに走り回る、特に復帰戦でのペドリからキャプテンマークを渡された瞬間は感動しました。
以前よりは流石にプレーにセーブがありますが、トップコンディションイン戻るのは来季でもいいので、今季は怪我なくプレーしてほしいです。
レンタル復帰のパブロトーレ。7試合で3得点1アシストは立派。
個人的にトップ下で一番応援しています。
攻撃の創造性はピカイチで、出た試合は結果を残すことも多く、もっと彼を使ってほしいです。守備には不安ありますが、余りある攻撃センスに賭けてほしいです。
怪我明けのフェルミン。
ユーロに、オリンピックと活躍し、怪我をしてしまい出遅れたフェルミン。
正直、怪我明けも空回りし彼の良さは出ていません。
まだ若いので、焦ってませんが、彼の実力からすると、もっと結果を残したい。
トップ下は、オルモとペドリなので、左WGが狙い目か。
エリックガルシアはピポーテのバックアッパーとしてなら、大きな戦力になるでしょう。クローザーとしてカサドやペドリの負担を減らしてほしいです。
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守備の光
前線だけでなく、今季は守備、特にCBの2人はほぼフル出場で、MVPとして讃えたいです。
17歳クバルシは、相手のラフプレーで怪我が心配ですが、
ハイラインというCBとしては怖い戦術に見事こなし、
相変わらずの冷静沈着かつ、正確なビルドアップで攻撃の起点になっています。
対人も頼もしくなり、世界最高のCBに一歩一歩近づいています。
相棒のイニゴは、昨季は第4のCBの立ち位置で、悔しい思いをしたと思いますが、今季はフル出場で、クバルシと共に、ハイラインを支えています。
闘志溢れるプレーも健在で、ここぞというところを押さえてくれています。
時々、意味不明なビルドアップのミスがあり、多少の不安定さはありますが、彼のおかげでチームが支えられています。17歳のクバルシにとっても助かる存在でしょう。
アラウホ、クリステンセンは前半戦はほぼ0でしたが、後半戦、スピードがあるアラウホは特に大事になると思うので、復帰が楽しみです。
右SBのクンデは鉄人ぶりを発揮し、守備だけでなく、攻撃でもバルサを支え、ヤマルと2人で脅威になっています。
頭の良さを見せる、上がるタイミング、追い越すのか、相手の内側を取るのか。
その選択も絶妙で、素晴らしい選手です。
左SBのバルデは怪我明けで心配でしたが、持ち前の身体能力はバルサの強みになります。
ただ、上がるタイミング、パスの出しどころ、クロスの精度、攻撃キャンセルの判断など、未熟な点も多く見られ、守備時の穴、攻撃時の停滞の一つになっています。
個人的には、クンデが上がるのだから、前線に行く機会を減らし、カウンター対策として、残るべきだと思っていますし、フリック含め、周りの選手がもっとバルデに指示を出すべきです。
アトレティコ戦の失点のシーン、ハフィーニャのミスはありましたが、バルデ含め3人ほど左サイドに固まってフリーでした。
バルデは、カウンターに備え、前線の選手に攻撃は任せるべきで、事実、アトレティコはバルデの上がった左を攻め崩しました。
サブの、マルティンやフォルトは、控えの領域からは抜け出せないでしょう。
不安定さや判断が悪く、まだ先発として任せるには不十分。
来季は左SBの選手の補強は必須だと個人的に思います。
GKは、テアの長期離脱で大きく揺さぶられましたが、
ペーニャが期待以上の活躍をしてくれ、急遽補強した引退したはずのシチェスニーをピッチに送り出す緊急性はない活躍です。
最初は良さが出てませんでしたが、ビッグセーブを連発し、自信をつけてくれました。
やはり、184ありますが大きく見えず威圧感が見えないのが心配です。
テアは、威圧感があり、失点をかなり防いでくれました。
守備が不安定さがあり、ペーニャに非はありませんが、もう一回り成長してほしいです。
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ここまで5000字超えました。
見てくれている、お付き合いしてくれてる人ありがとうございます。
では、今シーズン前半戦のフォーメーションと数字のまとめをして、締めくくっていきます。
前半戦のバルセロナフォーメーションと成績
4−2−3−1
怪我がなければ、上記メンバーが先発です。
成績は、
リーガ 19試合 : 12勝 2分 5敗
順位:3位 勝ち点:38
首位と勝ち点3差、上位2チームは一試合未消化
CL 6試合 : 5勝 1敗
順位:2位 勝ち点 15
リーガは3位、CLは、2位。
結果から見ると悪く無いですが、クレは心象良くないでしょう。
それは、直近のリーガ5戦で、1勝1分3敗という無様な結果だから。
ヤマルの怪我から勝ち点を落とし続けましたが、
正直、ソシエダ戦のレヴィのオフサイドの疑問判定が変わっていれば、結果は変わっていた気がします。
謎のレヴィの足の巨大化で、得点が取り消されてしまうという謎判定。
厳しい試合展開に関わらず、あすこで先制していれば流れはグッと変わっていました。
それ以外の試合も疑問符が多い判定が増え、審判団の質は低いなと思います。
ただ、ハイライン対策されてるのも事実、疲労からか、ハイプレスもハマらなくなってるのも事実。
フリック対策をされ、それへの対応策に欠けているのも事実でしょう。
CLバイエルン戦、クラシコ、さらには昨季やられたジローナ相手に大勝できたのは、最高でした。
フリックバルサの火力の凄さは、世界に魅せられました。
10月は最高の結果、11月、12月と、最悪の結果になりました。
それでもCLのアウェードルトムント戦で逆転勝利し、CLで2位を維持したのは素晴らしいことです。
代表戦も重なり、CLとの並行での試合で、結果が出なかったのは、
1番は「疲労度の蓄積」だと思います。
怪我人が多いのも重なり、ろくにローテーションを組めず、ビッグマッチで精神的にも削られ、先発組がそのつけを12月に払った気がします。
怪我明けのペドリ、今季昇格のカサド
17歳のクバルシ、カサド
この4人が先発に名を重ね続けていることが異常自体です。
前半戦、このメンバーでよく戦い抜いたと思います。
お疲れ様でした!
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後半戦への期待
さて、これで最後です。
CLは、ストレートインの射程圏内、
リーガは首位の座を譲ったとはいえ、優勝戦線にいます。
アトレティコは破竹の連勝、レアルは調子が戻ってきたとはいえ、CLとの並行、リーガはしぶといチームが多く、勝ち点は落とす試合は間違いなくあるでしょう。
CLでストレートインができれば、他の2チームはCLで苦戦しているので、プレーオフもあり、一歩有利になります。
フリックは、リーガよりもCLを優先しているメンバー構成は明白で、
ベンフィカ、アタランタと強豪が待ち構えていますが、ベストメンバーで勝ちに行くでしょう。
CLはある程度、問題ないとして、リーガは、特に対策されているハイラインに、
アラウホの復帰で、なんとか凌いでほしいなと思います。
また、ガビやフェルミン、デヨング、トーレなど怪我明けも含めローテーションをうまくし、中盤の疲労度を分散させてほしいです。
突破力あるWG、特に左WGの存在の重要性をヤマル離脱後は、痛感していると思うので、来季の補強に期待ですが、
今シーズン、アンス、フェルミン、フェラン、ビクトルあたりで、新しい解決策を提示してくれると嬉しいです。
また、オルモは、スーパーなプレーも見せますが、まだ本来の力を出し切れてません。
嘘みたいな、オルモの登録がなくなるという情報もありますが、
いくらバカなバルサの上層部も、それはなんとかするでしょう。
できなかったら、即ラポルタはクビで。
クリステンセンも怪我から戻ってくれば心強いです。
あとは、ペドリ。
彼のプレーを見れるだけで、価値がある、そんな魅力があります。
後半戦、彼が世界一の中盤であることを示すプレーを期待します。
欲を言えば、CLとリーガの2冠。
もっと欲を出せば、コパデルレイを制して3冠。
冷静に見て、CLベスト4に、リーガ制覇。
これは何とか成し遂げてほしいです。
ただ、意外と今季のCLはフォーマットの変化もありますが、優勝候補が軒並み調子悪く、優勝のチャンスはある気がします。
昨季までは、トーナメントに進めるかどうかの瀬戸際だったのが、今季は心強いです。
絶不調のマンC、波があるマドリーに、バイエルンとドルトムントはバルサは倒せており、アタランタまで倒せたら、マジであるかもしれません。
優勝候補ダントツは、リバプールですが、サラーの超人的な活躍が大きいとは思うので、彼の好不調で、一発勝負はどうなるかわかりません。
リーガ取れなくても、CL取れればいうことは無いですが、
どちらも勝ってほしい。
そして、怪我なく、みんな戦い抜いてほしいです。
最高のエンターテイメントを、バルセロナの選手たち、フリックありがとうございます!
人生の大きな活力になっています。
素晴らしい活躍を後半も期待します!
バモス!