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『忍びの家』「VIVANT」日本ドラマが海外で成功・失敗する理由とは?【考察】ネタバレもあり

こんにちは。


先日、Netflixのドラマ「忍びの家」のシーズン1を見終わりました。

賀来賢人が主演、プロデューサー、原案を務めた本作。

配信後は多数の国で1位を取っただけでなく、何と100近くの国と地域でトップ10入りしている。

対する、日本で大人気だった、「VIVANT」。
こちらはNetflixでは、日本以外の国では、台湾で1週だけトップ10に入っただけ。

何が大きな違いとなったのか、考察していきます。

「忍びの家」あらすじ

伝説の忍者・服部半蔵の血を引く忍びファミリーの俵家。優秀な“忍び一家”だったが、最悪な事件により大事な家族の1人を失った一家は、忍びであることを捨て、一般庶民にまじり平穏な生活を送っていた。だが、国家を揺るがしかねない恐るべく事件が起き、陰謀も浮かび上がったことで、俵家を何としても忍びに復帰させたいBNM(忍者管理局)の指示によって、俵家は半ば強引に巻き込まれていく。

設定としては、とてもシンプルで、

主人公側の忍者と、敵側の忍者の戦いで、

敵側の日本を揺るがす陰謀を、主人公側が防ぐ。

キーポイントは、主人公側の主要人物の裏切りですが、これもよくある設定。

では、何が大きく人気を出す要因となったのか、探っていきます。

①「忍者」という日本ならではの設定の人気

円安も重なり、改めて、日本という国にに注目し、観光で来日してくれる人も増えています。

その中で、漫画のナルトなどでも忍者という設定に興味を持ってくれる人が増えているのだと思います。

日本の歴史を見ても、特異で稀有な存在であり、「目立たない」ことを良しとする忍者という存在は、謎が多く、好奇心を注がれます。

また、忍者は抜群の身体能力もさることながら、様々な飛び道具もあり、見てて飽きない存在でもあります。

忍者のドラマは過去あったかと思いますが、今このタイミングでやることが大きな意味があったのだと思います。

②リアルを追求した出演者の設定

次に、出演者の設定について。

兄の死から6年、忍者の仕事はやめ、一般にまぎれ仕事をしていたという設定で始まります。

そして、久しぶりの任務ということで、失敗や弱さが出ているのがすごく良いところだなと思います。

これが超人的な強さや無敵感が出ると、視聴者が置いてけぼりで、あくまで架空だよな、という感覚になりますが、

特に、妹は、ミスも多く、主演の賀来さんも精神的未熟さを露呈し、

忍者という、手の届かない未知な存在ながら、人間的な要素が多く見受けられます。

そういうシーンが多くあるからこそ、視聴者に共感や、応援したくなる気持ちが芽生え、ドラマに良い意味でハマっていく流れを作ったのだと思います。

この「共感性」は非常に重要で、熱狂度が大きく変わります。

ラッキーカラーに左右される夫など、もし現代に忍者がいたら、、、という想像を豊かにしてくれる設定も見事です。

③演者の演技力

いくら良い設定でも、演者の力がないと、作品としては魅力的になりません。

そういった中で、配役が絶妙で、主演級のメンバーはもちろん、脇役も豪華で、とても楽しめます。

かもめんたるのう大さんや、ピエール瀧さんなど、クセの強い役者も入れることで、物語がより面白くなります。

敵役である、山田孝之さんはさすがで難しい役も違和感なく演じ、不気味さをもり立てました。

江口洋介さんや木村多江さんは言わずもがなで、

おばあちゃん役の方と、子役の二人も、最高のコンビネーションでした。

後半のVIVANTにも書きますが、この演者の差はかなり大きかった気がします。

物語に合う配役と、視聴率や人気での配役。

この差は大きかったはず。

④ストーリーのシンプルさとアクション

最後に、ストーリーを複雑にせず、「正義」対「悪」というシンプルな構造のため、非常に見やすかったです。

一見、シンプルにすると飽きやすくなりますが、そこを派手なアクションシーンを豊富に散りばめ、飽きさせない仕組みになりました。

?を持たせる要素は、ストーリーとしては大事ですが、多すぎると、次に見たくなくなるリスクがあります。

小説だと、それも楽しめますが、映像にすると、それが多いと置き去りにされてしまい、難しい。

小説は何度も戻れますからね。

Netflixでの配信なので、血もたくさん出るし、迫力が違いました。

これもVIVANTとの差でしょう。

VIVANTあらすじ

大手商社「丸菱商事」の社員・乃木憂助(堺)が、所属部署で起きた誤送金事件の損失130億円を回収するため、中央アジアのバルカ共和国へ向かうところから物語はスタート。 爆破事件の容疑者として現地警察に追われる中、金の受け取り人が口にした「ヴィヴァン」の謎に迫っていく。

「VIVANT」の制作費は1話当たり約1億円と言われており、1時間ドラマの相場は同約3000万円であるため、通常の3倍以上も費やしていることになります。

堺雅人と阿部寛のダブル主演のような形で、表の顔と裏の顔の使い分けと、

モンゴルでの撮影など、規模感の大きさ、

出演者の豪華さと話題を呼び、日本ではヒット。

私もNetflixで、終了後に一気見しましたが、面白いドラマでした。

日本では受け、なぜ世界ではいまいちだったのかの考察です。

①ターゲットが完全に日本のお茶の間だから

もうほぼ結論です。

堺雅人=半沢直樹=会社の不都合を押し付けられ、真実を周りと協力しながら解決していく、「勧善懲悪」な人。のイメージ。

その堺さんが中心なので、ストーリーや結末は簡単にわかってしまうのだと思います。

今回は銀行マンではなく、商社マンで誤送金に巻き込まれ、それを解決していく物語。

海外でのロケや別班という裏の組織など、設定はかなり大掛かりですが、流れは簡単にわかってしまう。

一種の伝統芸能を見ているような、視聴者も多くいたのではないでしょうか。

そこに、阿部寛さんというこれまた超主役級をいれ、

名前はさほど知られていない若手役者も何名か使っていました。

これは、忍びの家では徹底して実力者を入れて、物語にチープ感をださないようにしていたのとはちょっと対照的でした。

主役級のお金かかる人キャスティングしすぎた弊害だろうなとも思います。

役所広司さんの役割はとても勿体無い使い方をしていたなと思います。

日本のドラマが好きな人にはウケるだろうなと思いながら見ていました。

②アクションシーンの拙さ

何度か銃撃シーンなどありましたが、海外ドラマと見比べると、拙さすぎるなと。

日本は、「血の量」などにも規制がドラマであるみたいなのを聞いたことがありますが、迫力がなさすぎました。

これじゃ、アクションシーン面白くないよと。

派手さが少なく、スケール感とあってない演出も多く、

海外の人には物足りなさを多く残す印象でした。

どちらのドラマも面白かったけれど、、、

VIVANTが世界で評価されないのは当然の結果、だと思います。

これは、正直な私の感想です。

だけれども、海外の評価は当然だなと思います。

日本のドラマより、個人的に海外ドラマが好きで、

それはスケール感や役者の演技力、様々な要素が好きだから。

8センスという、Netflixのドラマは最近みた中で超絶面白く、

同じ感覚を有する8つの国の男女が協力しながら、敵と戦っていく物語のドラマですが、中国、インド、アメリカ、ドイツ、メキシコ、アフリカ、、、と全世界、全大陸での撮影があり、このスケール感は日本の作品では勝てないなと思いました。

だからと言って、日本の作品が嫌いなわけではなく、

先日書いた、「パーフェクトデイズ」という役所広司さん主演の映画は、日本人ならではの感覚を繊細に作り上げた、日本ならではの素晴らしい映画でした。

海外の方が監督と聞いて驚きましたが、

日本は日本なりの良さを武器に戦うのが一番いいなと思います。

忍者というコンテンツ然り、禅や武士道など、興味を惹くコンテンツは無数にあります。

VIVANTも別班という組織の話でしたが、これは日本人ですらあまりわからなく馴染みがないものを、世界に理解しろというのは難しいです。

逆に、「別班という組織の存在」を最初のあらすじや前半で丁寧に描き、それが歴史上、日本の様々な事件を防いできた。

そして、時は流れ、現在。

その組織の存在は誰にも知れ渡ることなく、脈々と受け継がれてきた。

というところから入り、ネタバレを最初にしてからでも、十分楽しめた気がします。

誰が別班なんだ?という考察しながら進められた気がします。

普通の人がひょんなことから大型事件に巻き込まれ、実は、普通でなく別班で、、、となると、少し頭が混乱してしまうのかなと。

あとは、天才ハッカーのキャスティングは、もっと厚みを加えられると、よかったなぁと。

「日本」にウケるドラマと、「世界」にウケるドラマは基本違う

良い意味で、日本人を置き去りにするような作品を作り、

それが後々、海外に配信したら大ヒットみたいな流れになる作品をこれから期待したいなぁと思います。

日本人のものづくりの力はとてつもないパワーがあると信じているので、

VIVANTの海外評価の低さは少し悔しさも感じます。

どちらもこれだけ色々観た後、考えることができるということは、素晴らしい作品なのだなと思います。

長々と偉そうに素人が語りましたが、以上で終わりにします。

最後までお付き合いいただいたかたありがとうございました。

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