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もちもちの日々
モチが好きだ。
特に雑煮のモチが好きだ。
雑煮のモチは焼かない派。
焼いたモチの焦げ目の香ばしさもいいが、
焼くことで歯にくっつきやすくなるのは
なぜなんだろう・・
雑煮のモチはいちばんもちもちしてると
個人的には思っている。
モチの良さは食感
モチってどんな味?と聞かれても
「え、それって考えてなかった」
って言うんじゃないだろうか。
モチ自体の味より、
醤油だったりきな粉やあんこだったり
サブキャラの方を思い出してしまう。
それはごはんも同じだが、
主食系はそのものの味よりも
チームワークで戦うイメージがある。
もちろん米だって種類で味は違うんだろうが
それを語るのは相当の強者だけだろう。
ごはんの場合は味そのものより
炊き立ての匂いとか湯気とか、
タイミングとシチュエーションが大きい。
モチも同様だが、
もっと大きいのが「食感」だと思う。
いわゆる「もちもち」っていうやつだ。
モチともちもちの関係
モチがもちもちしてるって
当たり前だろう、
もちもちしてるからモチなんだ。と
思われることだろう。当然である。
世の中に数多あるもちもち食感の
全ての元にあるのがモチなんだから。
いや、ちょっと待て。
もちもちしてるからモチなんではなく
モチだからもちもちしてるんではないか。
モチのような食感をもちもちと言う。
キュンとするよりキュンキュンするが
上位概念みたいなもんで。
だとすると「モチ」という言葉が
そもそも食感を表してるんではないか。
モチはなぜモチなのか
モチの語源にはいろんな説があって、
樹液からトリモチを採るモチノキ由来説、
これが有力だと言われてるが、
そもそもモチみたいだからモチノキって
名前なんじゃないかと思ったりもする。
望月(満月)の形からついた説。
モチと月は縁が深いから
意外に説得力はある。
保存食的意味合いの「保ち」
携帯しやすいから「持ち」から説。
この辺が現実的かもしれない。
しかし、
ここはあえて独自の説を唱えたい。
そもそも食感説
モチは「も」と「ち」でできている。
これがそもそも食感なんではないか。
「も」は最初に歯を当てたときの感覚。
お、なんか「もあっ」と包まれるような、
抵抗感がないようで
気がついたら包囲されている。
知らないうちに「やられた」って感じ。
しかしこちらとしても負けてはいられない。
負けじと突き進む。すると・・
いきなり「ち」と切れる。
引っ張って引っ張って、ぷつりと切れる。
あれ、なんか心地よいぞ。
と、ひとつの食感の中にドラマがある。
この感覚を持つものが
もちもちグループとして認められるのだ。
柔らかいだけでは資格がない。
とするとやはり、まず食感があり、
その名代、名取としてモチがある。
これが正しいのではないだろうか。
ちなみにどこにもそんな文献はなく
勝手な推測なのでご了承ください。
正月を越えて
モチが好きだ。
しかしモチは正月が終わると
餅になって和菓子になってしまう。
サトウの切り餅いっぽん(スティック)
のようにスタイルを変え
季節を越える試みもあるが
まだまだ正月から抜け切れてはいない。
モチの今後に期待したいところだ。