Day266:スイッチ!ー「変われない」を変える方法
【本について】
タイトル:スイッチ!ー「変われない」を変える方法
著者:チップ・ハース/ダン・ハース 出版社:早川書房
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「象(感情)と象使い(理性)の両方に訴えかけること」
【WHO】誰向け
自分を集中させたい
部下をやる気にさせたい
人を動かしたい
組織のリーダー
【この本を読めば・・】
落とし穴に落ちなくて済む
大切な時間を無駄遣いすることがなくなる
やるべきことにフォーカスできる
自分が変化できない理由がわかる
自分が変化できる理由もわかる
自分の思い込みや勘違いに気づくことができる
変化に必要な前提が間違っていることに気づく
【WHY】なぜ「スイッチ!」が必要か?
個人には「自己啓発」、会社には、「チェンジ・マネジメント」、活動家には「世界を変える」というように、個人的な変化、組織的な変化、社会的な変化が別々に扱われてしまっている。
【WHAT】成功する変化の共通パターン
変革活動には共通点がある
「何かを変えるには、行動を変えなければならない」
■「変化」の3つの意外な事実
1、人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い
ポップコーンを食べる量を減らしたいなら、解決方法は簡単。容器を小さくすればいい。
相手の考え方にまで気を回す必要はない。
私たちは単純な変化の問題(容器を小さくする)をすぐに複雑な変化の問題(相手の考え方を変える)に置き換えてしまう。
2、怠け者で頑固だから変わるのが難しい
怠けているように見えても、実は疲れ切っている場合が多い
3、抵抗しているように見えても、実は戸惑っている場合が多い
■変化を妨げる思い込み
「人は変化に抵抗するものだ」
世の中では毎日のように赤ちゃんが生まれ、親たちは「変化」を喜ぶ。変化を進んで受け入れる
(真実)
私たちは人生でさまざまな変化を受け入れている。難しい変化と容易い変化があるだけ。
【HOW】変化のガイドライン
■象使いに方向を教える
私たちは抵抗にしているように見えて、実は戸惑っていることが多い。
・ブライトスポット(成功事例)を見つける
どこへ向かうのか、どう行動するか、どの目標を追いかけるか明らかにするため
・解決志向療法を使う「奇跡のサイン」
→「今夜こうなれる(未来)とします。夜中、眠っている時に奇跡が起こり、あなたがここで相談した問題が綺麗さっぱい解決したとします。朝起きた時に、何かが変わった!問題がなくなっている!と思う最初の”小さなサイン”はなんですか?
・大事な一歩の台本を書く
目的地を指し示す「目的地の絵はがき」
例)1年生の心に火をつけるには?
「3年生になりましょう」(心に響く目標)
■象にやる気を与える
怠けているように見えても、実は疲れ切っている場合が多い。
変化は、「分析し、考えて、変化する」の順序ではなく、「見て、感じて、変化する」の順序で起こる
・「燃える足場」(気分を高揚させる巧妙な話)が必要。「靴の中の石ころ」では動かない。
・変化を細かくする
思っていたよりもゴールラインの近くにいると感じさせる
■道筋を定める
人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い。
状況や環境=「道筋」
道筋を定めることで、象使いの状態にかかわらず、変化を起こしやすくなる
・環境を変える
不適切な行動ができない環境にする
・アクション・トリガーを用意する
・変化を継続する
「接近法」を使う
→目的に向かって一歩進むごとにご褒美を与える
結論:探しているスイッチが家庭、慈善団体、組織、社会のどこにあっても変化を引き起こせる
【HOW】
「私たちは二重人格である」(理性と感情)
“脳は全体で一つではない”
象(感情)と象使い(理性)の両方に訴えかける
■象と象使い
・象
象の担当は「エネルギー」
特徴:怠け者で、気まぐれで、長期的報酬(やせること)より短期的な報酬(アイスクリーム)に目を奪われる。
(何かを変えるには、長期的な報酬のために短期的な報酬を犠牲にしなければならないことが多い)
変化がうまくいかないのは、たいてい象のせい。
象は頭でっかちで、分析好きで、頭を空回りさせがち。(考えすぎる傾向にある)
変化を起こそうとしている時、それを実行に移すのは「象」の仕事。
・象使い
長期的に考え、計画をねり、先を見据える。
象使いは、問題を分析するとき、その大きさに見合う解決策を探してしまう。穴を見つければ、それをしっかり埋めようとしてしまう。六十センチの穴を見つけたら、六十センチの杭を探そうとする。
*注意点:
象使いにだけ訴えかけて象に訴えかけなければ、チーム・メンバーは頭では理解できても、やる気を出さない。象にだけ訴えかけて象使いに訴えかけなければ、熱意はあっても、方向性が定まらない。やる気のない象と頭を空回りさせる象使いがコンビを組んでも何も変わらない。象使いと象が進む方向でもめれば、問題が生まれる。
*追記:
ネガティブは偏りは感情だけではない。
ネガティブな単語は62%、ポジティブな単語は38%
【WHAT IF】
「アメリカ人に低脂肪乳を飲ませるにはどうしたらいいか?」
NG例)
「もっと健康的に行動しよう」
OK例)
”冷蔵庫に置いてもらう”
飲食行動を変える必要はない。購入行動を変えればいい。
人間は家にあるものを飲むから。
落とし穴:私たちはつい、理性を働かせて解決策を得ようとしてしまう。
【学び】
・シンプルに!具体的に!明確に!
・私たちが正しいと信じていることのほとんどは正しくない
・変化のためにはより高度な技術が必要、変化のためにはより多くを知っていなければいけないという思い込みが変化を妨げるもっとも大きな原因
・私たちは問題をすり替えるのが得意
・身体と心が不一致では変化できない
・人が行動を変える可能性が高いのは、求められている行動がとびきり明確である場合
【響いたメッセージ】
そのひとクチがブタのもと
大きな容器を与えられると、たくさん食べてしまう
選択肢が多いと選べなくなる
セルフコントロールは消耗資源である
自己管理は心身を消耗させる
知識では行動は変わらない
分析麻痺
大きな問題が、それに匹敵するくらい大きな解決策で解決されることはほとんどない
数週間、時には数十年間の小さな解決策の積み重ねによって解決されることが多い
題を分析するとき、「今、うまくいっている部分は?」と問いかける人は少ない
重要なのは、大事な一歩。
体罰を与える親も目的はふつうの親と同じ。ただそのやり方と考え方が間違っている。
変化する理由を非の打ち所がないくらい合理的に説明しても、人々は行動を変えない。
変革活動において、希望はかけがえのないもの。
変化に慣れれば、次第に易しくなる
失敗は学習の近道
【Action】
伝え方が曖昧になっていないか?
その伝え方で、小学生でも動けるか?
象と象使いをバランスよく使っているか?
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