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Day234:『人を動かす行動経済学26の切り口 トリガー』

【本について】
タイトル:人を動かす行動経済学26の切り口 トリガー

著者:楠本和矢  出版社:イースト・プレス

【WHY(必要性)】

・フィリップ・コトラーのマーケティング戦略は、「人間的視点」が捨てられてしまっている

・・人間的視点=私たちは非合理的な判断をする

・・学問なので、不安定・不確実なものは排除されている

・行動経済学は、注目度の反して、ビジネスプランニングの表舞台に上がってくることが少ない

・・いかに転用すれば、いいかわからず活用を断念


・理屈だけでは、「欲しい」という感情を生み出せない

・行動経済学の各理論は、そもそもマーケティング施策策定のためにつくられていない

・ほとんど全ての業界が成熟化、類似の商品やサービスが溢れ、基本的欲求はほとんど満たされている


【WHAT】

■行動経済学:人間の非論知的な心理作用やそれに基づく判断を活用したアプローチ(リチャード・セイラー2017:ノーベル経済学賞受賞)


■非合理的な判断■

・同調したい気持ち
・見栄や虚栄心
・一瞬の印象
・世間的な評判
・難しい選択を避けた判断
・飢餓心
・抜けきれない習慣
・誰かが決めたルール

■著者の主張

・マーケティングには、行動経済学的なアプローチが必要、行動経済学を「マーケティング」に繋げること

・もっと生活者的な「リアル」な視点で人や組織を動かす方法が必要、動かしたい対象が、人間である以上、真に実効性のあるマーケティング戦略を打ち出すために、「非合理的な判断」(視点)を織り込んで検討することが何より重要

・行動経済学をできるだけわかりやすくマーケティング施策のアイデアに落とし込む方法論が必要

【HOW】

■行動経済学の各種理論をマーケティング領域に転用していくための3つの視座

1、精緻な分析や、ヌケモレのないプランニングを目的としたものでは「ない」と割り切る
2、汎用的に使われている「マーケティング戦略の検討視点」で整理する
3、「アナロジカル・シンキング」で施策アイデアを落とし込む

■行動経済学をマーケティングにつなげる26の切り口

・マーケティング施策を創発するための5つのカテゴリー

1、効率よく「好感認知」を作る

ユーザーを広告塔に
それとわかるデザイン
強力パートナーに乗る
社会的トピックに紐付け
ファンからの情報発信

2、新たなニーズを創る

リスクを強制想起
新たな「敵」の紹介
新習慣の創出
いい言い訳の提供
節目需要の創出
ひとまず保有させる
とにかく近くに


3、魅力的なものに見せる

とにかくNo.1
レア感の醸成
優良なる未知のもの
共感醸成ストーリー
第三者レコメンド

4、購入ストレスを低減する

購入リスクがゼロ
選択肢の絞り込み
面倒ごとの先送り
相対的に選ばせる

5、自然に継続させる

「継続する状態」を最初から
「一定期間の利用」が前提
こまめな達成感
更新タイミング可視化
続けないと損

■「26の切り口」を使って、マーケティングアイデアを創出する方法

アナロジカル・シンキング
・・一方が他方と似ているいくつかの点に基づいて、既知の一方から他方の有様を全体的に推し量ること

・ある成功事例から、その成功に寄与した「汎用可能な仕組み」を抽出する
・出した「仕組み」を、検討対象となるものに転用する方法

→さまざまな成功事例から、それぞれの「成功エッセンス」を読み解き、自社事業に転用することでアイデアを創発する手法


■アナロジカル・シンキングの手順

ステップ1:前提条件の整理
ステップ2:「顧客価値」の掘り起こし
ステップ3:「阻害要因」の探索
ステップ4:「26の切り口」を使ったアイデア導出
ステップ5:アイデアの絞り込みと精緻化

【WHAT IF】

■アナロジカル・シンキングの事例

国内の某高速鉄道の車両先端構造の開発過程
・・野鳥のカワセミは、餌となる魚を獲る際、かなりのスピードで水中に飛び込むが、水飛沫がたったり、大きな音がしない

→鉄道車両が高速でトンネルに入る際の爆音の軽減をカワセミの特徴からヒントをもらい、研究

【響いた言葉】

・正論や筋道をただ伝えるだけではない、もっと生活者的な「リアル」な視点で人や組織を動かす方法を考え、提供する

・情報の非対称性にかまけ、ずっと情報を小出しにすることを続けていても、拡がりがないし、進化もない

【アクション】

「26の切り口」と現在のマーケティングを照らし合わし、活用できるものをピックアップし、即実践する


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