Day246:『ユダヤ式「天才」教育レシピ』ー「与える」より「引き出す」!
【本について】
タイトル:ユダヤ式「天才」教育レシピ
著者:アンドリュー・J・サター ユキコ・サター
出版社:講談社文庫
Q. 「天才」はどう作られる?
A. 「引き出す」ことで作られる(「与える」「強制する」より「引き出す」)
*もともと「教育」=Educationの語源は、ラテン語の「エデュカーレ」(引き出す)で、「子供が持っている才能や資質を引き出す」という意味だったが、中世以降、現在の「教える」になっていった。
近代になってからは、「国」に有用な人材を、いかに早く、大量に作り出すかということが国家の重要課題になり、「詰め込み」教育にシフトしていった。
【WHY】
なぜ、ユダヤ人の生徒はいつも、トップクラスなの?
■ユダヤ人に対する誤解
・ユダヤ人は遺伝的に頭がいい
・ユダヤ人は頭が良くなる秘密を持っていて、絶対に他民族には明かさない
■ユダヤ式家庭教育「3つの秘密」
■最も大事なこと
「学ぶのは楽しいこと」だと教えること
“親が我慢”する
【WHAT 】
”ユダヤ式家庭教育法”
テクニックではなく、「信頼」を基盤とする伝統教育法
■信頼するとは
・「見守る」こと「尊重」すること(×「強制」「押し付け」)
・信頼の秘訣は、「比較しない」こと。
・遺伝するのは、能力ではなく信頼。
・私たちが子供を信頼すれば、子供も私たちを信頼する。
■「天才を生む」裏付け
アメリカでは、ユダヤ人の生徒はほとんど全員がトップクラス
ユダヤ人の総人口は、全世界で約1300万人
ノーベル賞受賞者の約22%がユダヤ人
米国のユダヤ人の約56%が大学卒、約25%が大学院卒
アインシュタイン、フロイト、マルクスもユダヤ人
【HOW】「7つのレシピ」
インテリジェンスをつくりあげるのは、IQだけではない。
→インテリジェンスを左右する大きな要素のひとつが「環境」
■読書好きにするには(読書すら強制しない)
本棚にぎっしりと並んだ本を見せて好奇心を刺激する
小さなうちに好奇心だけ持ってもらえれば、勝ち。あとは見守る
子供に読解力をつけるには、読書を楽しむ習慣を身につけさせることが重要
・親が、読書している姿を見せること
ー日本の読書(読解力)の現状ー
読書時間は、OECD加盟国中、最短。
日本の生徒の55%が、「娯楽としての読書をしない」
■頭の良い子が持つ「6つの特性」
【WHAT IF】
アインシュタインの成功(科学者になろうとした)のきっかけは、4歳だった時、父親が磁石でできた方位針を見せてくれたこと。
アインシュタインは、自分を「数学の天才」だとは思っていない。偉業を成し遂げることができたのは、「想像力」「独創性」「独自の思考」によるものと思っている。
【響いたメッセージ】
■頭が一番の財産(まず、自分のアタマに投資しよう)
■長い迫害の歴史を生きてきたユダヤ人は、財産よりも名誉よりも、持ち運びできる頭脳を重視する。
”親が子供にあげられるのは教育だけ”と独自の家庭教育法が受け継がれている
■不確実な今、頼れるのは自分自身だけ。
■好きなことをしていなければ、ハッピーになれない。
(人間は、本当に好きなことをやっているとき、大成する可能性が高くなる。大成すれば、お金は自然とついてくる)
■自分の意見に真剣に耳を傾けてもらえるということは、年齢の大小に関わらず、かけがえのない素晴らしい体験になり、自信になる。
■「先生に質問してきなさい」と言って、子供を送り出す毎日の繰り返しが、後日大きな差を生む。
【学び】
天才を作る「教育」は、主従関係では成り立たない。
「観察」「信頼」「体験」が成功を作る。
親としての役目は、学校で良い成績を取らせたり、良い仕事に就かせたり、ニートやフリーターになるのを防いだりすることではない。
【アクション】
子供の小さな気づきや発見を褒める。(天才の芽を摘まない)