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【本について】

タイトル:The Model(ザ・モデル)

著者:福田康隆  出版社:SHOEISYA(2018)

【WHY】

・時代はクラウドへ

・データベース、SFA、CRMといったソフトウェアは、現代のビジネスに欠かせない存在

・日本では、組織の作り方やテリトリーの設計、ターゲット企業や業種の選定の仕方などは、マニュアルがあっても、営業が商談を受注するまで動かすプロセスについては、綿密に考えられていなかった
→ボトルネックを見つけて継続的な改善を加えていく手法(アメリカから輸入))を取り入れれば、圧倒的な競争優位に立てるのでは?(営業のプロセス改革)

・新規リードはいつか頭打ちになる

→最初のうちは、セミナー、展示会、ウェブサイトからのコンバージョンなど、あらゆるリード獲得は全て新規リード。回数を重ねれば、以前に参加した人の割合が増える。日を追うごとに、純粋な新規リードの割合は減っていく

B2Bの検討型・高額商材では、
・・リード獲得段階で具体的に検討(10%)
・・パートナー、学生、競合など将来的にも購買にいたらない層(25%)
・・将来的に購買の可能性はあるが、今すぐではない(65%)

※時間がかかっても戻ってくる可能性がある!65%に目を向けたリサイクルの流れを作り、再度見込客にできれば、劇的な効果が見込める!
失注と未商談リードはこれ以上獲得コストがかからない!

・従来の営業では通用しない時代へ(日本では、プロセスが分断されている)

・インターネットの普及による顧客の購買検討プロセスの変化
→営業が接点を持つ前に勝負はついている。情報収集から比較検討まで、大半を顧客が独自に行う

・顧客との接点がデジタルシフトしている
→データが蓄積、オンラインの行動データを分析することで顧客の行動や嗜好を読み解くことが可能。テクノロジーを駆使して顧客を理解して、マーケティングプランを立案すると、顧客との中長期的な関係を構築できる。

・顧客とのエンゲージメントが重要な時代へ
マーケティングメッセージの増加(1970:1日500→2004:5000へ)
マーケティングから営業、購入後に至るまで、あらゆる接点において顧客体験を高めること、エンゲージメントを深めることが重要に!

・多くの企業は、調査・評価段階を一括りに「リード」として管理している(細分化して、適切なコミュニケーションをする必要がある)

【WHAT】「The Model」

Saas時代の成長戦略とオペレーションの全体像がわかるプレイブック

★Saas(Software as a Service)

マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス(プロセスをシステムで管理、ルール化)→抜け漏れが防げる

■分業スタイル

メリット:同じリズムの仕事に集中できる

・SR(インサイドセールス)マーケティング、リードを商談化する

・AE(フィールドセールス)商談から受注

・EBR(アウトバウンドのインサイドセールス)ターゲットとする企業や業種から商談を作る

・CSM(カスタマーサクセスマネージャー)受注した顧客のリテンション

評価は、インバウンドリード、商談作成件数、受注商談、解約率など明確な指標にて。

課題:分業の副作用(デメリット)部門間が生み出す「負のループ」

分業すると、それぞれの専門性が高まり、効率が上がる。どこに課題があるか可視化されるので対策が打ちやすい。しかし、ビジネスが行き詰まると綻びが出やすい

問題点:リサイクルの概念が抜け落ちてしまう

・新規リードが減少した時、マーケティング部門はあらゆる手段を使ってリード件数を確保しようとするが、短期間で数を稼ごうとすると、リードが薄まる。本来集中しなければならない顧客へのフォローや提案の質が低下する。

・目標を達成するために、商談かしやすいリードを優先的に探し始めてしまう(掘り起こすよりも)

・新規リードが一巡してようやく過去のリードのフォローをする(本来は逆!)

・各担当の活動履歴の情報は、担当者が入力
→主観が入る。セグメンテーションに活用できない(労働集約型から抜け出せない!)

■分業から共業へ:グループに分けると人は敵対する

・グループが共同で作業せざるを得ない目標を与える

・共同で作業することによって達成可能な共通の目標が有効

■MA(マーケティングオートメーション)

・オンラインの行動をトラッキング
・ウェブサイトの訪問履歴
・クリックの情報
・動画の視聴履歴
・メールの開封・クリック
・集まるデータが増加し、より精度の高い顧客プロファイル分析が可能になる
・流入したリードを素早くフォローするだけのやり方から一人一人との顧客とのエンゲージメントを高め、営業が接点を持つ前に顧客に選ばれる存在へ

■10億円の受注目標をどう実現するか

・受注目標
・商談単価
・受注件数
・商談数
・商談化率
・リード件数

■SFAの問題点

・2割の受注率で停滞している組織を3割りに引き上げることはできても、6割7割の受注率に引き上げることはできない

・売り上げを増やそうと思ったら、営業人数と増やすか単価をあげるしかない

★「リサイクル」へ(未商談・失注・未フォロー既存顧客に注目!)

■レベニューモデル

・プロセスを動かすのは最終的に人間(チーフ・レベニュー・オフィサー(CRO)が必要)

マーケティング、営業、インサイドセールス、コンサルティング、カスタマーサクセス、売り上げを生み出す全てのプロセスを管理

・いくら科学的なプロセスを導入しても、そこに介在するのが人である限り、ヒューマニティを無視しては絶対に機能しない(サイエンス+アートの必要性!)

【WHAT】

■顧客ステージの設計(オペレーションを生かすために重要)

・チャネル

・施策・コンテンツ

・移行判定基準(★)顧客が次のステージへ移行したことを判定する客観的な「移行判定基準」が必要

■ステージを支えるプロセス

●マーケティング(オーケストラの指揮者)

・施策をオーガナイズ、あらゆる顧客ステージにおけるコミュニケーションの指揮者(顧客行動と文脈の理解)

・マーケティングコミュニケーションの役割

・・見込客を次のステージへ進めること

・・次のステージに動かすためにはどのようなチャネルが有効なのか考える

●インサイドセールス:労働集約型からインテリジェンス集団へ

・SFAの普及で、どれだけ業務効率を上げられるかが成果に直結する(インサイドセールス)

→リードスコアリングへシフト

・リードスコアリングとは、リード全体の中で、インサイドセールスや営業がフォローすべき基準を満たすリードを選別する仕組み

属性スコア:企業規模、業種、役割など理想的なターゲット、精度を高めることが重要!

行動スコア:ウェブサイトへのアクセス、コンテンツダウンドロード

・リサイクルリードの定期的な「掘り起こし」

・リードステージを管理3つのメリット

1、フォローの順番が決めやすい
2、ステージごとに話す内容が絞れるため準備がしやすい
3、インサイドセールスの負荷分散しやすい

●営業(フィールドセールス):商談フェーズの管理

・細かく管理しすぎない(更新の精度が落ちる、必要最低限のステータス管理に止める)

・パイフラインとフォーキャストの把握

フェーズ1:リード以上、商談未満
フェーズ2:ビジネスの課題の認識
フェーズ3:評価と選定
フェーズ4:最終交渉と意思決定
フェーズ5:稟議決裁プロセス

★商談期間を短縮するポイント

お互いにとって何も生み出さない非生産的な時間を最小限にしていくこと

●カスタマーサクセス:カスタマーサクセスは会社の文化

カスタマーサクセスは、Saasでは特に重要

売り切り型ではそこまで熱心ではないが、サブスク型では必須!

・カスタマーサクセスのステージ設計

顧客の成功という「ステージ」を定義し、今顧客がどのステージにいるかを計測、判定し、どのようなステージ変遷を経て導いていくかを考える

(オンボーディング→導入支援→活用促進→契約更新フォロー→アップセル・ダウンセル)

●ユーザーコミュニティの重要性

・終点がロイヤルカスタマーという直線的なモデルではなく、ロイヤルカスタマーから再び認知拡大へと繋げるループ型

■CROがプロセスを機能させ、ビジネスを成長させるために重要な3つの基本戦略

1、市場戦略

小が大を倒すためには、限られたリソースを集中させる必要がある

2、リソースマネジメント

経営は「意思決定の連続」「意思決定」とは何かと考えると、それは、「人、モノ、金」のリソースをどうやって配分するか(事業を因数分解することから。生産性を最大化するレバーを探す)

例)分母:「営業人数×商談期間」分子:「見込客数×受注率×案件単価」

・セールスキャパシティを計算する:販売量はセールスキャパシティと連動する

3、パフォーマンスマネジメント

・データを鵜呑みにせず、数字から今何が起きているかを想像する力を要する

・どのようなKPIをみるかではなく、どのような点に注意してKPIをみるか

・ただ漠然と数字をみるのではなく、「何をみるか」を強く意識

・絶対値ではなくトレンドを重視

・数字2つの数字を見る(主観が入り得ない数字/主観が入る数字)

【響いたメッセージ】

・ビジネスにおいて大切なのは「再現性」

・成功モデルとは、完成したモデルではなく、完成に至る過程で行われた何百何千という意思決定のプロセスそのもの。それを自分のものにすれば、環境や条件が変化しても自ら対応できる

・「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(オットー・ビスマルク)
他者の経験を学び、自分のものにできれば大きな価値がある

・アクセルを踏みすぎて失敗した企業よりも、アクセルを踏むべき時に踏まないまま失敗した企業の方が圧倒的に多い

・現在の投資は将来への先行投資でありトップラインの成長が大事

・セオリーを知っていて経営判断する人と、知らないで経営判断をする人では成功の確率がまるで違う

・圧倒的に勝つ人:その場の思いつきで手を考えているか、勝つためのセオリーを知っているか

【アクション】

セグメンテーションの精度をあげ、セグメントに応じたコミュニケーションを取る仕組みをシステムに組み込む



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