自分の「心」に正直な男、白井響 -herald(ヘラルド)
皆さんは、今までどんな生き方をしてきただろうか?
周りの人に合わせて生きてきた人もいれば、自分ばかりを見て、自己中心的な生き方をしてきた人もいるだろう。
僕自身、どちらかというと前者の生き方をしてきた。いや、どちらかと言わずとも圧倒的に周りに合わせて生きてきた。
多数決で、自分はBの方がいいと思うけど、他のみんながAに手を挙げたから自分もAの方に挙げたり、あまりしたくない事だけど、周りの人が「したい!」と言ってるから僕も「したい!」と言ってみたり...
だからかはわからないが、自分の「心」に嘘つきになってしまったのかもしれない。
だが、今ここに、友人に家族に、そして誰よりも自分の「心」に正直な人がいる。
高校生社長こと白井響さんだ。
(持っている写真集は乃木坂46、3期生の与田祐希さんの写真集、『日向の温度』。)
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ただただ学校を嫌だと感じてた。今考えるとあんな異様な空間があるんだってくらい。
−−中学2年生の1月から学校に行かなくなったと言ってますが、僕としてはそれまでの白井さんが気になります。小学校の時はどんな感じの生徒だったのですか?
白井:小学校はね、頭よかったよ!
−−普通の優等生...みたいな?
白井:優等生ではなかったかな。クラスに1人はいるようなおちゃらけなやつだったなぁ。多分、頭の良さでは大分県内で5番以内だったと思う!
−−そんなに頭良かったんですか!?
白井:うん。僕、塾に行ってたんだけど頭良すぎて毎週福岡県まで行って、灘クラスの勉強してたよ。灘には落ちたけど(笑)
−−小学校はおちゃらけてるかつ頭がよかったんですね。僕が同じクラスだったら妬む対象の1人です(笑)普段はふざけてるくせになんで僕はこいつよりテストの点数低いんだ...みたいな(笑)
それから中学校では?
白井:中学校はねぇ...ずっと嫌だった気がするな。入試で入った中学校に行ってたんだけど、嫌で約2ヶ月で転校して、、、
結局、転校先も嫌だった。小学校から学校は嫌だったんだけど、それがさらに顕著になって。
−−なんでですか?
白井:小学校でおちゃらけるやつだったっていったじゃん?それが恥ずかしくなったんだと思う。
−−なるほど...中学生になるとそういうのがサムいみたいな感じになりますよね。。。
白井:うん。
で、なるべく自分を抑えて...おちゃらけないようにしてた。多分それもあるんだけど、、、
感情っていろんな要素があってできるわけじゃん?だから、それだけじゃなくて学校のあらゆる点が嫌だったね。
−−日々の嫌なことが積み重なっちゃたんですかね...何かを挙げるとするならば、学校のどんな所が嫌だったんですか?
白井:今思い出せる要素で言うと、ずっと先生に嫌われてるって感じてたし、そもそも学校っていう仕組みが嫌だった。
−−その時から学校の仕組みについて考えてた?
白井:いや、考えてはなかった。ただただ嫌だと感じてた。今考えるとあんな異様な空間があるんだって思うくらい。毎朝、同じ時間に何百人という人が同じ場所に集うんだよ。時間きっちりに。5分でも遅れたら怒られるんだよ。
ヤバくない?
しかも、朝から夕方まで拘束されるし、人生をなんでそんなに無駄にさせるのか意味がわからない。
引きこもりっていう状態を認めてあげること。僕、引きこもりっていいことだと思ってるし。
−−そして、中学2年生の頃から学校に行かなくなったんですよね。行かなくなった時ってその時の不満などが爆発したから行かなくなったんですか?
白井:その時も色々あって...先生に怒られるのが続いたり、人に悪口を言われているのを知ったり...
−−なるほど...様々な小さいことが積み重なって学校に行かなくなったわけですね。
行かなくなってからは何してたんですか?
白井:クラッシュオブクランとパズドラをずっとやってた!1日に10時間以上、最大で15時間くらいかな(笑)睡眠時間もその時から10時間だったよ!(笑)
−−ほんとに朝起きてから夜寝るまでゲームしてる(笑)
学校に行かなくなって、引きこもった時の親の反応とかは...
白井:引きこもった時はだいぶ酷かった。
−−色々言われた?
白井:色々言われるし、親も悲しいんだろうね。引きこもって辛いのって僕だけど、それを見て親も悲しむんだろうね。そして、親は僕をなんとかしたいわけだから怒るんだよね。
そういう事じゃなくて、その状態を認めてあげることが大事だと思うんだ。だって引きこもりって全然悪くないし。むしろ僕いいことだと思ってるよ!
−−その考えはとても共感します。学校に行くより、自分のしたいことの方に時間を費やした方が絶対いいと思ってるんで。
白井:でも、親は「学校に行くか働け」っていうんだよね。それって「学校に行っていない、働いてもいない、今のお前はダメだ。」って言われてるようなもので...
その時はそういう風に言語化できなかったけどすごく辛かった。そうじゃなくて、それでいいって認めることが1番大事だと思う。
「聲の形」を見た時にずっと1人ぼっちの主人公が自分と同じなんだって気づいてすごく寂しくなった
−−そこから高校は大学の進学コースに入ったわけですが、なぜ入ったんですか?
白井:その時は普通の考えだったから。
−−大学は行った方がいい...みたいな?
白井:んー。高校には行っとかないと、みたいな。結局、その高校も2日行っただけで辞めちゃったけど。しかも2日目は昼から行ったよ(笑)
−−かなりの強者ですね(笑)
辞めた理由は何ですか?
白井:3日目からいきなり勉強合宿があって無理だった。あとは、トイレが汚いことかな・・・(笑)
−−それめっちゃわかります。やっぱりトイレの綺麗さでテンションって違いますよね。
そこから通信制の高校に行き始めて、去年の4月から東京に行き始めたわけですが、なんで東京に行こうと思ったんですか?
白井:東京に来る前、福岡のスタートアップのイベントによく行ってて、その時に知り合った人が「福岡はぬるま湯だ!東京に行った方がいい」みたいなことを言ってて、「じゃあ行ってみるか!」って!
−−東京に来てからの生活...住む場所とかはどうしたんですか?
白井:イベントで知り合った人とかに泊めてもらいながら住んでたよ。人って優しいと感じた!でも、スタートアップ系のイベントは嫌いになっちゃったな〜。上から目線の人がいたり、みんなスタートアップの定説に縛られすぎてて。
例えば、スタートアップの事業をつくる時に1番大切なのが「誰の」「どんな課題を」「どのように解決するか」とか言われてるんだよ。それで、僕の考えてたSukiはこれがないって言われて否定されるんだよ。
事業って2種類あると思ってて、一つはスタートアップの定説のような「課題解決型」、もう一つは人の感情を生み出す「エンターテイメント」。例えばマンガが誰のどんな課題を解決してるかって答えられないじゃん?僕のSuKiはそういうエンターテイメントだから、全く別のものなのにその価値観に縛られすぎて僕を否定してくるのがめちゃくちゃ嫌だった。
−−Sukiのサービスはいつから始めようと思ったんですか?
白井:一昨年の夏くらいかな。
ホリエモンのHIUの仕組みを聞いて。
HIUって月1万円払って、堀江さんが「これやりたい」って言ったことを1万円払ってる人達がやるわけで、1万円払ってるからこそ熱量高くやれるっていう、そんな仕組みを聞いて、そこからSukiを思いついたんだよね!
これやりたいって言った時にお金を払って参加して熱量高い人達だけでやるっていう。
うーん。それが...なんて言えばいいかな、、、
自分の寂しさと結びついたんだよね。
ずっと引きこもってたから、ずっと1人でいて、その状態がスタンダードになってるから、寂しさがわかんなかったんだけど、「聲の形」を見た時に主人公が僕と同じような境遇でずっと1人で、、、
その姿を見た瞬間に あ、自分もこれと同じなんだ...と、すごく、すごく寂しくなってその時にSukiは自分の寂しさを救うためのサービスなんだなと気付いてやろうと思った!
だからSukiはエンターテインメントで、いろんな感情...寂しさや楽しさ、嬉しさだったりを生み出すサービス。
−−つまり、Sukiっていうのは自分の好きなことやしたいことを発信して、それに賛同してくれる人を集めて、それを成し遂げるサービスなんですか?
白井:そうそう。成し遂げるってことが重要でちゃんと行動を起こす!
−−じゃあ、Sukiは将来的にこうしていきたいみたいなのってありますか?
白井:ない!!自分も含め、みんなの感情を生み出したい!人の心を揺さぶりたい!
−−でも、この前Twitterで乃木坂みたいにしたいって言ってませんでした?
白井:うん!それ今考えてる。乃木坂でSukiをどうすればいいかっていう方向性は見つけた!!
乃木坂ってセンターやリーダーがいるけど、別にその人が主役じゃなくて、みんなが「主役」でみんなが「個」として光ってるんだよ!その姿を見た時にHIUとかの他のオンラインサロンは堀江さんが主役で、西野さんが主役で、箕輪さんが主役じゃん?みんながその人の方向を向いてるんだよね。
そうじゃなくて、みんなが前を向く、、、
西野さんもメンバーもみんなが前を向く。それが僕の創りたいサービスなんだ!!
『三月のライオン』で「仲間ってのは同じ電車に乗って同じ方向を向いてる人達のことを言うんだ」っていうシーンがあって、
その時、僕は納得がいかなかったんだけど、乃木坂の姿を見て繋がって納得した!
横を向き合う、、、お互いを見合うのが仲間じゃなくて、前を一緒に見るのが仲間なんだって。
だからSukiは仲間をつくるためのサービスで、オンラインサロンじゃないんだって気づいた。でもさ、それをどう仕組みにするか超難しいんだよね。何をすればいいのか全然わかんない(笑)
−−たしかに。。。リーダーを置いたらそのリーダーの方向を向いてしまうし、リーダーがいなかったら、何も起こらないから、、、
どうすればいいか全然わからないですね。
僕自身、あまり「リーダー」って好きじゃなくて、なんでかっていうと、許可をとって行動してたらスピードが落ちるし、リーダー任せになって、自分が成長できないって思うんですよね。
白井:そういう権限をもったリーダーはいらないよね。ただ、前を向かせる人はいるけど。それこそ、会社だったらビジョンだったりに目を向かせるような人は絶対いるけど。
−−なるほど。。
最後に、話は引きこもり時代に遡るのですが、白井さんが引きこもってた時に親になんて言われたいですか?
白井:なんて言われたい?
・・・うーん。なんて言われたいかでいうと誉められたい!その状態でいいって思えるようにして欲しい!
だって朝から晩までゲームやるって狂気じゃん!(笑)そんなすごいことをやってるのにそれを否定するのっておかしいと思うんだよね!
−−気分が下がってる子が、さらにその行動を否定されるとたまったもんじゃないですよね。
白井:そう、たまったもんじゃないの、ホントに。
結局、人間が生きる究極の目的って「幸せ」になるためじゃん。
例えばお金持ちになりたい人がいて、その人がお金持ちになりたいのはなんで?なんで?と深ぼっていくと、フェラーリに乗りたい→異性にモテたい→幸せになりたい、って最後は「幸せになりたい」になると思うんだよね。
学校になぜ行くのか?なぜ働くのか?って言うのも結局最後は「幸せになってほしい」になると思う。
だから、学校に行くのが大事、働くのが大事、なのではなく「幸せになる」のが大事。だったら今その状態を「幸せ」って言えるようにできたらもうそれでいいと思うんだ!
白井響 Twitter(@hibiki_isa_hero)
株式会社Suki
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普段は乃木坂46の動画を見るか、Twitterを見るか睡眠しかしてないという白井さん。
(一時期、同じシェアハウスで暮らしてましたが、本当にこのような感じの生活でした。)
傍から見ると「ダメな生活」を送っているように見えるが、彼はこんなにも考えていて、こんなにもヒトの感情というものを揺さぶれるのだ。これはきっと、彼が辛い経験を経て、「自分を確立」させ、行動したからではないだろうか。
そして、彼は人と会う度に「感情」という目に見えないモノを与えている。僕も与えられた1人だ。
だから、今では、様々な作品に出会った時に感じることが色々ある。前はなんとも思わない、心の動かない鉄血だった僕が。
そういった、「自分の心」がわかってくると「人生の幸せ」に一歩近づけるのではないだろうか。
Text by 佐藤碩建 (Twitter)
お寿司が食べたいです