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急遽 現われた大問題(第23話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第23話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。

初めての方は、1話からどうぞ。




授業中は、ほとんど寝ている。

夜中まで、仕事をしていたから。


高校に行くつもりなんか、全然無かった。

払うより、稼ぎたかったし

大して興味のない勉強に

費やす時間がもったいなかった。


高校以上は、

余裕のある人が行くところだよ。

ウチにはカンケー無い。


それが、父と私の共通の認識だった。




・・・はずだったのに



ある日、突然、

またヤツは言い出した。


「(大卒や専門卒が当たり前の)

 今の時代、せめて、

 高校だけでも出た方がいい!」



えっ!? ( ̄□ ̄;)!!

えっーーーーー!!

ナニ言ってんだ??(驚)



高校の費用とか、

お金を借りれる奨学金の情報まで

仕入れてきていた。


「お金のことは、何とかなるから

 高校に行った方がいい!」



おかしい…

こいつが、そんなまともなことを言うのは

絶対ナニかある。


聞いていると

中学校の先生たち、市役所の人、

民生委員の人、友達、近所の人 等々


たくさんの人に言われたらしい。


「今時、高校くらい出さなくちゃ

 後で苦労することになるから。

 親として、ちゃんと考えてあげなきゃ。」


って。


皆さん、ありがとうございます。

でもどうせなら、もっと早く言って欲しかったよ。


今、もう中3冬(1月)なんですが。。。


金のことがなんとかなるのは、わかりました。

ご説明、ありがとう。


問題は、あ・た・まっ!!


もう大問題だ!!


受験勉強どころか、

授業もまともに受けてきてないのに

いきなりそんなこと言い出されても…


ねぇ?(笑)


そんな私の学力事情を

知らない大人たちが、

ものすごい勢いで


「さとみちゃん、今はもう高校くらい出とかなきゃダメよ!」

「高校は、行きなさい!!」


と。

誰かが号令をかけたんじゃないかってくらい

ありとあらゆる人が高校進学を進めてきた。



まさに、四面楚歌だ。。。

逃げられん


そんなこんなで、

急きょ、高校受験という問題が出現した。

全く考えていなかっただけに

まずは、中学校で三者面談。


入試っていつあるの?

からスタートする会話。


・・・・・


三者みんなで

うなって終わる


終わった後の父の落胆ぶりは、

今、思い出しても笑えてくる。


「〇〇高校も、ムリか~」

「おまえ、そんなに頭悪かったのか~」


彼は、娘の学力を初めて知って

ショックを受けていた。



当たり前だろ!!

勉強してきてないんだから、

重要だと言ってた試験だって

自分には関係ないと思って

寝てきたんだから。


今から、猛勉強したって

絶対、間に合わない。

(いや、する気もないけど)



しかし…

この無茶振りは、なかなか強烈だった。


参った。

入れそうと思えるところが、

1つもない。。。

どうしよう…



それまで、

これっぽちも考えていなかった

高校受験…


突然、降って湧いて出てきた。

しかも中3の冬(1月)に。


「高校に行くためにバイトをしたいんです!」


行く気なんか全然ないのに

そうやってみんなに、

ウソついてきたから

バチが当たったのか!?


いや~、参ったなぁ…

今さら勉強なんかする気、ないよぉ…

だって、ヤなんだもん。


金を稼ぎたい > 高校でお勉強

金を稼ぎたい > 受験の為のお勉強


つまり、どっちもヤなんだよ!!

全然望んでないんだよ!


とにかく、イヤなんだーーっ!


勉強したら、金くれる?

なら、いいけど?



将来のために!

っていう大人たちの意見は、わかる!


でも、先々じゃなくて、

今、金が欲しいんだよ!


遠くの金より、近くの金


って言うでしょ?(笑)



イヤだ、イヤだ!

ムリだ!無理!

絶対ムリッ!!

行きたくない!


ってか、


したくないことは、したくないんだよ!



それまでの、

どんなことより、慌てていた。



「いきなり高校行け!って

 言われたって、ムリだよ~!(>_<)

 1ヵ月じゃ何もできないよー!」


当時、ほとんど毎日電話でおしゃべりして

週末は、バスに乗って泊まりに行くほど

仲良しだった1コ上のK子ちゃんにグチった。


彼女と私の境遇は、少し似ていて

一番、感覚の合う親友だった。


「城南行けばいいじゃん!」

「大丈夫!あんたでも入れるよ!」


教えてくれたのは、

当時、市内にあった県立高校。


K子ちゃんが、

こないだ入って辞めた学校。


頭悪くても、入れる望みがある?!


なぜなら、

そこはフツーの高校(全日制)ではなく

定時制高校。


様々な事情の子どもが集まる。

働きながら学べる学校!


え!入れるの!?

勉強しなくても?

しかも、正々堂々と働ける!?✨


私にとったら、夢のような学校~✨

しかも市内!?通えるじゃ~ん!


よしっ!じゃソコに行くーー♪


K子ちゃんのおかげで、

一気に、受験優先スイッチが入った!


ほんきモード突入だっ!


こうなった時の、

私の行動力は、凄まずぃ~!


すぐさま、担任に

「城南高校ってとこに行くことにしたから」

って、伝えた。


「どこにあるんだ?」


担任は、知らなかった。


一般的な中学生が

受験対象とするのは、全日制高校。


んで、更に

「定時制高校」と言えば、夜。

全日制の校舎を使って、

昼間(全日制)の生徒が帰った後に

夜間に授業を行うのが、一般的だった。


K子ちゃんに教えてもらったのは

昼間の定時制高校。

全日制の生徒がいない

定時制だけの学校。


全国でも数少ない

そんな珍しい学校が

当時、市内にあったんだから

私は相当ラッキーだ。


しかも、

今のようにネットの時代ではなかった。

先生も親も知らなかったってことは

私がその学校の存在を知ることは

まず、なかっただろう。


K子ちゃん、様、さま、だ!(笑)


その、K子先輩(笑)から、

教えてもらった情報を担任に伝え、

どうにか受験できるように動いてもらった。



定時制だからと言って、

侮るなかれっ!


同じようなことを考える バカ

勉強以外のことを頑張ってきた人 が、

いっぱいいるようで、

毎年、倍率が高いらしい。


受験科目は、国・数・英の3教科のみ!

それよりも重要視されるのは、

面接らしい!


英語は、

すでに英検3級を取得済みだったので

特に心配はない。


国語は、母国語だから、

ま、何とかなるだろう(笑)


問題は、数学だ。

なにもわからん。。。


受験勉強は、

数学1本に絞ることにした。


ほんきモードで、

開いた教科書だったが

開いた時点で、ほんきが失せた。


質問の意味すら、わからん。。。



やっぱり得意を伸ばそう♪

うん、それがいい!


数学をあっさり捨て

英語の勉強だけをしていた。


イヤなもんは、イヤなんだから

まぁ、仕方ない。


あれ?

つまりは、普段と変わらない・・・?(笑)



あとは、面接で勝負だっ!!

大丈夫!なんとかなる!



受験当日は、

用意していた黒髪スプレーを、

これでもかっ!ってくらい、

髪の毛に振りかけ

あえて、

コンタクトではなく

メガネで「真面目さ」を演出して

準備万端!


アルバイトの面接より

コンパニオンの初仕事よりも

もちろん

警察に補導された時なんかよりも

キンチョーした。



いざ、出陣っ!




ほんとうの気持ち(第24話)


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