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ダメな自分への先生の対応(第50話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第50話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。


思い込みという鎧を背負い、

重くなっているアナタに

非常識で自由な世界をお届けしています。


最終話まで読んでもらえたら

世界は、

自分が思っているより

ずっと優しくて

人生は、

覚悟を決めて動くだけで

意外にも簡単に思い通りになる


ということに気づけるかもしれません。

初めての方は、1話からどうぞ。





伝えたいことをノートに書いたので

読んでください!


と、担任の先生に渡したノートには

それまでの私が最も嫌ってきた

弱音と言い訳がぎっしり詰まっていた。


周りの子たちはみんなスゴイのに

私は全然ダメなんです...


もっと頑張りなさい!

やる気が足りない!


って、叱れちゃうかな...


でも私は、もうがんばれない。。。


クラス(居場所)さえ変更してもらえば

きっとラクになれるはず!


いろんな気持ちが交錯して

ドキドキしながら、ノートの返却を待った。


そして翌日の放課後、

返却されたノートを読んだ。


まず最初に書かれていたのは

私がリクエストしたクラス変更についてだった。


その必要は、ない。

クラス決めのテスト結果でも

それは証明されている。

授業も十分理解できている。

なにも問題がない。


私が望んだ返事は一切書かれておらず

ほんの数行でその話は終わっていた。


それよりも、それ以外のことを

いっぱい書いてくれていた。


あなたは、とても勤勉で素晴らしい。

今は、ちょっと疲れているだけよ。


知らない単語なんて、気にしなくていいのよ。


日本人は、本当に真面目ね。

勉強なんてしなくていいわ。


それよりも、

せっかくカナダに来たんだから

楽しんで。


〇〇 や △△ は、もう行ってみた?


毎週火曜日は、movie day だから

映画がとても安く見れるのよ。


そして、最後に私を褒めてくれた。


初めての海外なのに、

たった1人でやってきて、生活している。

スゴいわ!!

私には、とても出来ないことよ。


You are so brave!


また、たくさんの涙が溢れてきて

ノートにボタボタ落ちていた。


昨日の涙とは違う...


そっかぁ、そうだね。

必死になり過ぎていて

私どこも行ってないや。

せっかくこんなに遠くまで来てるのに、、、


一気に、体の力が抜けた…


そして、その優しい手紙には

知らない単語が1つもなかった。


きっと私でも理解できるような

簡単なワードを選んでくれたんだと思う。


難しい言葉を使わなくても

ちゃんと伝わるんだね...


翌朝、先生には、

涙ダーダーのThank you !! と

ハグのお返し。


先生は、優しい笑顔でまた

You are so brave!

の言葉をプレゼントしてくれた。


この先生がくれた言葉のおかげで

自分が自分に戻った。


捉え方なんて、誰かの言葉で、

こんなに簡単に変わるんだ…


教室に入る憂鬱さも消えて

放課後、街を一人でブラブラ散策してみたり

映画を見に行ったり、

同じクラスの台湾人たちと仲良くなって、

休日にいっしょに遊園地まで行くようになった。


先週までこわくて取れなかった家の電話のベルも

なんのためらいもなく、取れるようになった。


そうやって、ここでの生活にどんどん慣れて

もっとここで暮らしていたい気持ちが溢れる一方で

父親のことも、ずっとどこかで引っ掛かっている。


日本とカナダ、これだけの距離が出来て

初めて湧いた気持ちがあった。


日本に帰ったら、

最期までの間、一緒に暮らそうかな


あれだけ、毛嫌いしてきた父親に対して、

こんな気持ちになるなんて、自分でも驚いた。


「夢を叶える!」でいっぱいだった頭が

その夢を叶えたら、ヒマになったのかな?



またケンカ三昧かもしれない。

また おしっこだらけの布団や洗濯物、

片付けても片付けても汚れていく部屋の様子に

イライラするかもしれない。

病気や認知症を免罪符にして、ワガママ三昧。

訳のわからないことを言い出しては

訳のわからない行動を取る父に

また冷たく当たってしまうかもしれない…



でも、


最期は、


最期くらいは


一緒に過ごす時間を大事にしよう...




最後の夜(第51話)







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