芸は身を助ける
身についた芸があれば、生活に困ったとき、それで身を立てることができるし、暮らしの助けにもなる。(日本)
錦花翁隆志(きんかおうりゅうし)
の作といわれる川柳に
「芸が身を助くる程の不仕合せ」
がある。
これは、
華やかな生活を
していたところに
習いおぼえた芸が、
落ちぶれた現在の
生活を支えている
という皮肉な状況を
詠んだもの。
永井荷風(1879~1955)の
小説『腕くらべ』の中には、
士族の商法に
失敗した元旗本の男が、
好きで覚えた講釈を
演じて高座に上り
人気を得た話もあるといいます。
ほかに類語も多数つたわっています。
「手に技を覚えさせよ、それを必要とする日が来るであろうから」
「芸は身を救う」
「芸は身につく」
しかし、こんな相反する言葉もある
「芸は身の仇」
「粋が身を食う」
粋人としてもてはやされたりしていると、遊興に深入りしすぎて、ついには身を滅ぼすことになる。(日本)
「粋」 は、
芸能が得意で、
いろいろなことを
よく知っていることから
生まれた特別な言葉です。
それは昔、遊里という
特別な場所で
その風俗や習慣に通じ、
物事がどのように
行われているかを
非常によく知っていて、
男女の微妙な
ニュアンスを
把握していることを
指します。
また、そのような人の
ことを話すときにも
この言葉を使います。
「粋人」は、
本当に賢くて知識が豊富です。
当時、遊里は
社交の場であり、
「粋」を極め、
「粋人」と呼ばれる
ようになるには、
多くの経験が必要であり、
また、それには
相応の費用がかかりました。
これによって、
仕事やビジネスが
おろそかになり、
支出も増えていくと、
最終的には破産という
結末につながることが
あったといいます。
言い換えれば、
「粋」の名声を
手に入れる際には、
自身の身上(財産や資産)を
犠牲にしていた、、、
そんなわけから生じた言葉です。
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