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つい「聞いただけでアッと驚くような「キャッチコピー」」を探したくなる休日。
最近、エッセイを書けていない。
書きたいことが浮かんでこない、というよりはエッセイ用の脳になっていない感じがする。Chromebookを買ってから、仕事の行き帰りに文章を書けるようになった。
すると、僕は小説ばかり書いている。
ただ、小説を書くのには時間がかかる。頭の中を占める領域もエッセイよりも大きい。結果、エッセイを書くための脳にスイッチが切り替わらない。
本は読んでいるし、映画やアニメも隙間で見ている。
生活は充実している。
今まで生きてきた中で最も穏やかに日々を過ごしているし、小説に腰を据えて向き合えている感じもする。
問題は一つ。
エッセイが書けない。というか、書きたいという気持ちにならない。
ネタになりそうな本はいっぱいあるし、気になった箇所はメモもしている。
膨らませれば面白い内容になる気はしている。
けれど、それを書くのは今じゃないと内なる僕が判断している。
変な感じだけれど、そういう時期みたいだ。
今も僕はただ書けないということを書いているにすぎない。
言い訳をダラダラ書いている文章は後から読み返すと、後悔しそうだなと思う。
何か有益なことを書かねばと考えると同時に、有益なことってなんだろう? という疑問が浮かぶ。
丁度、今日読んでいた本に似た文章があった。
重要なのは字面ではない。それがどれだけ本質的な因果論理を捉えているかが問題なのである。聞いただけでアッと驚くような「キャッチコピー」というのは、実は底が浅いことが多い。長期にわたって商売の基盤となる「型」にはなりえない。
こちらは楠木建の「戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉」にて、『一勝九敗』柳井正著│新潮文庫【初版二〇〇三年】という本に関する書評の中で書かれていた。
柳井正は「カジュアル衣料の製造販売「ユニクロ」を中心とした企業グループ持株会社であるファーストリテイリング代表取締役会長兼社長」で、彼の口癖は「当然ですけど。当たり前ですけど」というもので、楠木建は『一勝九敗』の巻末付録にあるファーストリテイリングの「二三条の経営理念」が「至極まっとうなことが書いてある。あっさり言えば、当たり前の話ばかり。」としつつ、けれど、本人とっ接すると「彼のあらゆる思考、判断、行動がこの二三条に表された原理原則から出てきているということがイヤというほどよくわかる。」とのこと。
つまり、「至極まっとう」で「当たり前の話」によって、柳井正は「優れた戦略ストーリー」を組み立てるのだという。
結局、奇をてらった良いことっぽい話を書いても、長い目で見れば結果に繋がるものでもないみたいだ。
良い文章を書きたいなら、いっぱい読んで時間を掛けて頭を悩まして文章を書いてみるしかないのだろう。
けど、そうなると、noteの更新ができなくなる。良いバランスはどこなんだろう? そんなことをグダグダ考える休日。
姫路は雨が降ったり止んだり。iPhoneの天気では明日も明後日も雨。ちょっと憂鬱。
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