サーフセラピー・キャンプが素敵すぎて泣けた
サーフセラピー・キャンプのボランティアをしてきました。
サーフセラピー・キャンプというのはその名の通り、セラピーを目的としたサーフィンのイベントで、わたしの住むサンディエゴ地域ではとっても盛んに行われています。
一言でセラピーといっても、PTSDのある退役軍人を対象としたものから、体にディスアビリティーがある人たち、がんサバイバーたち、自閉症の子どもたちを対象としたものまで主催団体によって趣旨が異なるのですが、今回わたしがボランティアさせてもらったのは、Urban Surf 4 KidsというNPO団体が主催するイベント。孤児院もしくは養親のもとで暮らす、複雑なトラウマを持つ子どもたちのサーフセラピーを使命に掲げている団体です。
キャンプでのボランティアには、荷物の運搬、テントの設営から受付、物販販売などいろいろあるのですが、わたしは初めてのボランティアなのに「in water」といわれる、子どもたちにサーフィンを教えるボランティアに申し込んじゃったんですね。
我ながらコンフォートゾーンを大きく出る決断だったけれど、先月ユタを旅して、大自然の中で遊ぶことがどれだけインスパイアリングでエンパワリングかを再確認したのもあって、せっかくなら子どもたちとサーフィンしたいって思っちゃったんです。
ところが、当日になって、ボランティア必須のオリエンテーションを受けたわたしはわかりやすくひよりました。
子どもたちは、性的虐待、身体的・精神的暴力など、この世の地獄を体験しているので、バウンダリーには細心の注意を払う必要があること、また、このキャンプはメンターシップがカギで、in-waterのボランティアはサーフィンメンターとして一人の子どもとペアになり、イベント中のその子の安全を守るのはペアになったサーフィンメンターの責任であること、などを聞いて、ビビっちゃったんです。
それで、「やっぱりin-waterのボランティアは辞退して、物販ブースでやれることをやらしてもらおう」と主催者を探したのですが、そんなわたしのもとにトコトコと小さな女の子と男の子がやってきました。
その子たちが受付したとき、わたしはテントにいたので顔を覚えていました。すると、女の子がわたしに言ったんです。「彼が、今日はあなたにサーフバディーになってほしいって言ってる」。
え、わたし!?
びっくりしたけど、確かにオリエンテーションで主催者は言っていました。「子どもたちは会場に来た時点で今日は誰とサーフィンをしたいか決めていることも多い」と。
目の前の、可愛らしい小さな男の子の笑顔を見て、わたしは覚悟を決めました。
それがユニバースの意志なら、「うけたもう」しかない。
その男の子が生まれてからこれまでの間に何を経験したのか、わたしは知るよしもないけれど、海の中で屈託なく笑う彼を見てたら、この子の笑顔を守るためなら何でもする!って、普段はあるんだかないんだかわからないわたしの中の母性がスパーク。
サーフィンを終えた後は、ビーチで一緒にカモメを追いかけたり、砂山を作ったり。ちなみに、カモメは英語で「Seagal」というのですが、わたしは子どもに「gal」の発音を何度も直されました(笑)。
「シーガル?」
「ノー!シーグゥァル」
「シーグゥル?」
「ノー!シーグゥァル!」
自分の英語のおかしさを指摘されるって、数年前だったらめげちゃったかもですが、友人の子どもたちと遊ばせてもらうようになったおかげで子どもたちはこういうやりとりも楽しんでくれているってわかってきたから、わたしもむしろあえて変な発音をして盛り上げました。
イベントが終わった後、彼は特大のハグをくれて、首にいっぱいチューをしてくれたので、きっと今日のこの1日を楽しんでくれたと思っています。
わたしはといえば、自分を必要としてくれる人がいるっていうこと、自分にもできることがあるということに喜びを感じ(いずれも満たされたのはわたしのエゴかもですが)、養親たちは子どもたちをメンターに預けてしばしリラックスできる時間を持てる…みんながwin-win-winの素晴らしいイベントだって帰り道、一人じわっと感動して泣けました。
ボランティアって自分が既に持っているものを差し出しているだけなのに、その何倍もの何かをもらえるんだなぁ。
これまではただひたすら自分のためにサーフィンをしてきたけれど、先にも述べたように、ユタの旅から帰ってきてからというもの、自然の中で癒される機会を増やせたらいいなという気持ちが出てきています。たとえば海が身近でない人がもっと気軽にサーフィンにトライできるような何かができないかなって。何ができるかわからないけれど、まずはこのようなボランティアをさせてもらう機会を増やしてたくさんインプットして、自分の感性が次にどこを指し示すか、楽しみにしたいなと思っています。
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