「旅立ちの季節」〜ベランダのレモンの木で育ったアゲハ蝶の羽化〜
ベランダで保護していたアゲハ蝶の蛹が無事に羽化して旅立ちました。
我が家はベランダで鉢植えのレモンを育てています。毎年花を咲かせ、秋から冬にかけて立派なレモンの実をならせて私たちを楽しませてくれるレモンの木。
鉢植えなのでそんなに大きな木ではありませんが、その葉っぱでアゲハ蝶の幼虫も育ててくれる肝っ玉かあさんなのです。
なぜここにレモンの木があるって知っているのだ?
都内のマンション5階のベランダにも関わらず卵を産みにくるアゲハ蝶。
なぜここにレモンの木があるって知っているのか不思議に思っていました。
ちょっと調べたところ蝶々はヒラヒラと飛びながら植物の形や色、香りを頼りに植物に近づいて、前脚でその葉っぱの味を調べて幼虫が食べることのできる植物かどうかを見分けるらしい。
蝶々って脚で味覚を感じていたのね‥知らなかった。
レモンの木とアゲハ蝶の共存
レモンの木にとってアゲハ蝶は害虫。
特に柑橘系を育てている農家さんはアゲハ蝶対策に網をかけたり農薬を撒いたり苦心されているようです。
しかし我が家はレモンの収穫を目的にしているわけでもないので、なんとかレモンの木とアゲハ蝶を共存させたくて、レモンの鉢植えを増やしました。
特に夏は放っておくと幼虫の食欲が旺盛すぎて1鉢だけでは丸坊主になる勢い(笑)
丸坊主化を防ぐため、幼虫がある程度の大きさになると段ボールの中に保護して、レモンの葉っぱを適宜入れてあげるスタイルにしています。
アゲハ蝶の幼虫には危険がいっぱい
平和にモゾモゾと動きながら葉っぱを食べている幼虫くん。
しかしアゲハ蝶の幼虫はハエや蜂に寄生されやすく、我が家でもアゲハ蝶の羽化を楽しみに待っていたら、蛹から出てきたのは蝶ではなくうじ虫だったという悲しい経験が何度かあります。
できるだけ寄生を避けるために、幼虫がある程度の大きさになったら、段ボールに入れて室内で育てるようになりました。
数ある蝶々の中でも縁起が良いと言われているアゲハ蝶
蝶々の中でも華やかで優雅なアゲハ蝶は「幸運を知らせる存在」とも言われているそうです。
蝶々は卵→幼虫→蛹→成虫と変化する生き物であるため、いにしえより「復活・死と再生・変化」の象徴とされてきました。
また「アゲハ」は「揚羽」と書くことで勢いがある、上にあがる、気分が高揚する、物事が上昇するという縁起の良い名前でその昔は信仰の対象になったとの記録も残っているようです。
家紋にもなっているアゲハ蝶
そんな縁起の良いアゲハ蝶を貴族は高貴な生き物と考え、一族の繁栄や幸福の願いを込め家紋としました。特にアゲハ蝶の家紋を愛用したのは平氏ですが、藤原氏や源氏、安倍晴明の子孫も揚羽蝶紋を家紋にしています。
ベランダで命を育てる幸せ
やはり身近なところで命が宿り育つ様子を見ることができるのは幸せなことです。
モゾモゾ葉っぱを食べる幼虫の姿も可愛いですが、最後に蛹を破って木にぶら下がりながら一生懸命美しい羽を広げる姿は格別です。
少しずつ羽を動かし飛ぶ練習をして、最後ヒラヒラと我が家の窓から飛び立つ姿は嬉しいような寂しいような‥。
マンションのベランダと違って、外には天敵がいっぱい。鳥に食べられていないか?雨で寒くないか?強風で飛ばされてないか?心配もつきませんが、あとはこの子達の持つ生命力が頼り。しあわせな人生(蝶生?)を送ってもらいたいものです。
またウチのレモンの木に卵を産みに帰っておいで。待っているよ。