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思いでばなし

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よわいを重ねると、昔のことを語りたがるのは、どうしてだろう? なんて考えながら、若いころの思いでを綴っています。
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#スキー

ノーパンスキー

ノーパンスキー

 まだ元号が昭和のころ。その時は突然やってきた。

 真冬の雪道は凍てつき、ヘッドライトに照らされた雪が、秋の枯葉のように舞っていた。

 午前三時。

 関越高速道路の湯沢インターを降り、湯沢中里スキー場を目指していた。あと数分で到着といういうとき、悪友Nが「トイレに行きたい」と言い出した。「もうすぐ着くから」と言うも、「我慢できない」と言われれば、車を停めるしかない。見通しの良い場所で停車する

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各駅停車「長岡行き」の思い出

各駅停車「長岡行き」の思い出

 ぼくがまだ若かった、昭和五十年ごろのはなし。

 金はないけどスキーに行きたいとき、各駅停車「長岡行き」をよく利用した。いまでこそ、スキーは車で行くのが当たり前だが、当時は電車を利用するものだった。スキーブームが到来する前で、バスツアーもそれほど運行されていなかった。

 目的地は越後中里スキー場。駅の改札を出れば、そこがゲレンデという絶好のロケーションが、時間を無駄にできない日帰りスキーヤーに

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