失恋から始めるわたしのはじめかた②
前回からの続き↓
そんなわけで、24歳から26歳までの華の時期を大好きな彼氏と過ごし、終わってしまって空っぽになってしまった私だが、その後もまだまだ悲しい出来事が襲う。
今回はまだ心理学は出てこないと思う。
そのくらい次に向かう事もできずいた私に更に追い打ちをかけるように試練が襲う。
大学時代の元カレだ。
前回も話したように私はすごく恋愛体質で依存体質だった。その理由はいつか話すと思うけど今は置いておく。
もちろん大学時代の元カレにもずぶずぶに依存していた。友達と話時にも10分に一回は彼氏の名前を出していたと思う。友達はよく友達でいてくれたなと感謝しかない。私は今でも人のノロケを聞くのがあまり得意ではない。過去の自分を思い出してしまう。聞くけどね。
大学時代の元カレとは本当に親友みたいな感じで、その後も度々連絡を取っていた。私の家の愚痴など悲しいことがあると聞いてもらったりしていたし、誕生日におめでとうは毎年連絡していた。
ずるいと言っちゃずるい。多分かなりずるい。
名古屋で彼氏がいつつ、元カレにも依存していた。
本当に自分で自分を立たせるのが難しくて、誰かに頼ってないと立てなかった。すごくひどいことをしたし傷つけたと思う。
でも、元カレはちゃんと私を切るための準備をしっかり進めていたのだ…
彼と別れた後、私の支えになったものがあった。
それが歯科矯正だ。
は?意味わかんないと思うかもしれないが、そうなのだ。
わたしはもともと八重歯が目立つ歯並びで、丁度彼の家から追いだされたバレンタインの前くらいから歯科矯正を始めていた。歯は毎分毎秒痛いけど、翌朝にはちょっと動いていて私の歯並びをきれいにしてくれた。メカニズムを解説すると、痛みが体にあるということで自分が生きているのが実感できた。ナチュラル自傷行為のようなものだ。
私がどれだけ悲しんでもう生きている価値ない、と思っても、歯はちゃんと痛くて毎分毎秒動いていて、生きているんだぞって思えた。
気持ち悪いと思ってもらって構わない。心の痛みって体で実感すると少し楽になる。私はそれを歯科矯正で実感した。
それと、同時に体を限界まで追い詰めることもしていた。
夜のランニングだ。
私の家は大通りに面していて、夜中でも車通りが多い。
丁度3月くらいで気温も気持ちいし何も考えないようにする時間を作るために夜にランニングを始めることにした。
夢中で走っていると車のライトがスポットライトのように感じられる。舞台は昔から私の安心できる場所だ。
スポットライトの中で歌を聴きながら歌いながら胸がどくどくするほど走ると、ああ、生きてるんだな、と思えた。
ちなみにこの時聞いていた曲は宇多田ヒカルさんの『First Love 』
「♪最後のキスはたばこのフレイバーがした」
当時すごく練習していた曲で、彼は全然タバコを吸う人ではなかったが、私の心情にすごく合っていたので聞いていた。
そんな、歯の痛みとランニングによって心臓をどくどくさせることによって生きているのを実感させていたある日、電話が来た。
大学時代の元カレだった。
私は前回も話した通り、とてもしんどい気持ちをかかえつつ、彼と別れたことをだれにも言わなかった。これはもう自分の中のけじめであり、どれだけ苦しくても近くの人に誰にも言わなかった。
そんな時大学時代の元カレから連絡がきた。
彼と関係がなく話しても構わない私の頼れる人。
誰よりも私の話を聞いてほしい人だった。
でも絶対に自分では言わないことにしていた。
だからこのタイミングで元カレから電話が来たことがとてもありがたかったし、私はきっと彼と別れて辛いことを元カレに話してしまうだろうと思って、話してしまおうと思って電話に出た。
「もしもし、元気?」
「うん、何とかね」
そんななんでもない話の後、元カレから言われた。
「さとこに話しておきたい話があるんだけど…」
「うん、なに?」
「オレ、今の彼女と結婚しようと思ってるんだ。」
衝撃だった。私が一番慰めてほしいタイミングで、まさかの告白だった。
かねてより元カレが付き合っている人がいるのは知っていた。
でも、私はどこかで自分のもとに元カレは戻ってきて、さとこが一番だよ。と言ってくれるもんだと思っていた。
そんなことはあり得ないのに、私は昔からそうなのだ。
自分に都合のいい嘘は、一度でも言われたら一生信じてしまう。
ショックだった。さらに続く
「…プロポーズしてもいいかな?さとこ許してもらってからじゃないと、俺幸せになれない。」
元カレと付き合っていた時、本当にずっと一緒にいて、いなくてはならない存在だった。お腹がすくタイミングも何か食べたいかも一緒で、当たり前のように将来の話をしていた。そんな元カレを裏切ったのは私だった。
私が彼のつかもうとしている幸せを踏みにじるわけにはいかない。
「もちろんいいよ。」
そう答えるしかなかった。
ダメだって言えるはずないじゃない、と少し彼を恨んだ。
「ありがとう。さとこは?彼とは順調?」
順調ではない。その時、私は元カレに順調といったのか、それとも別れて辛い、私幸せになんかなれっこない、といったのかわからない。
でも元カレは
「さとこが幸せになってくれないと俺も幸せじゃないよ。前を向いて。」
と言ってくれたのは覚えている。
元カレは、たばこのフレイバーがする人だった。
こうして、私を依存させてくれていて何とか立たせてくれていた二本の支柱がほぼ同時期に私の中からなくなった。
はっきり言ってグラグラである。
私に残ったのは、歯の痛みと、ランニングによる胸のどくどくだった。
≪③へ続く≫
p.s.大学時代の元カレについては、こちらの動画で物語を作成しております↓
よかったら見てください。