雑学王を目指して。企画作成ワークショップレポ #SHElikes
5月24日(日)、SHElikes会員限定の「メディア持ち込み企画作成ワークショップ」に参加しました。ライターやライター志望者のみならず、編集者にも役立ちそうなノウハウが詰まった会でした。
講師は、フリーランスの編集者・ライターとして活躍されている山越栞さん。
優しく穏やかな雰囲気と、質疑応答で的確な答えを次々とくださるキャリアウーマン感のギャップがかっこいいのです。
今日は、ワークショップの流れと学んだこと、質疑応答の内容をまとめます。一部に(いや、かなりの部分に)主観が混ざっておりますが、note上で公開するだけならそれでいいかなと開き直っている……・
ワークショップの流れ
・流れや概要の説明 10分
・5名×4組に分かれてグループワーク 50分
・各グループの発表、栞さんによるフィードバック 30分
・質疑応答 30分
2時間にわたるワークショップでしたが、私の体感時間はあっという間。SHEのライターもくもく会に参加すると毎回こうなります。受講生の皆さんの熱い想いが刺激になって、目の前のワークショップに真剣になって、受講後にはもっと頑張ろうと思えて……のループ。ここにいると無限に成長できる気がする。
手探りの状態でワークはスタート
グループワークのテーマは、『4種類のペルソナに刺さる、「ワイン」を題材にした企画を考える』。5名のグループで、企画概要とタイトルを考えます。SHEのライターコース Day4 にて同じ課題が出されるので、気になる方はぜひ受講を!
50分間のワークが始まり、受講生たちは突如野放しにされます。
社会人2年目OLは、就活のグループディスカッションを思い出してしまいました。この種の緊張感は久しぶり。しかも今回はオンラインなので、慣れてなさも相まって余計にガチガチに……。
私がいたグループでは、メンバーそれぞれが戸惑いながらも、次の流れで話が進みました。
・自己紹介
・4つのペルソナそれぞれの企画案を、思いつく限り口頭で挙げる
・企画概要の被りや入れたい情報の優先順位を考慮し、ペルソナごとに企画概要とタイトルを練る
グループワーク終了間際に、メンバーの一人から「時間内でできると思わなかった」という趣旨の発言が。
私も本当にその通りだと思っていて、人間、追い込まれればできるんですよね。ひとりで勉強していると自分を追い込む機会はあまりないので、決められた時間内で仕上げなければならないワークショップは良い訓練になります。
いよいよ発表とフィードバックへ
50分間のグループワークを終えると、各グループの代表者による発表が行われました。企画タイトルと概要が、次々と共有されていきます。
ワインそのものの特性を活かした企画、ペルソナの趣味嗜好に完全に寄せた企画、「コロナ禍」という世相が色濃く反映された企画……。
同じペルソナへの企画を考えているのに、方向性がかぶることはほとんどありませんでした。自分にはない引き出しを持った人に出会えるのが、大人数のワークショップの良いところ。
発表とセットで行われたフィードバックの中では、「ライター、編集の仕事をしていると雑学王になっていきます。」と栞さん。イベントレポなのに主観をゴリゴリに入れてしまうくらい、私にはこの言葉が刺さりました。企画の対象となっているものを掘り下げ続けた者だけが、使うことを許される言葉。「かっこいい」がすぎるし、私もそう言えるようになりたい。
企画に関する質問がわんさか!質疑応答タイム
ワークショップのラスト30分は、受講生による栞さんへの質疑応答タイムでした。
・企画を立てる工程編
・企画マインドや栞さんの経験編
に分けて内容を紹介していきます。
・企画を立てる工程編
Q. 企画を考えるとき、何から考え出すのが良いのでしょうか?
A. 記事のゴールから考えるようにしています。今回のワークなら、ペルソナごとに「何を伝えたいか」から考えると良いです。
Q. 実際の企画は、どのような流れで考えられているのでしょうか?
A. ライターが考えるか、編集部が考えるかによります。
編集部で複数人で考える場合、SNSなどで時代の流れを見ながら、現実的かどうか考えて話し合いを進めていますね。
Q. プロの方は企画にどれくらい時間をかけているのでしょうか?
A. ものによりますが……。複数人で考えるときは、大枠や方向性を30分ほどで決めた上で、より深い内容を2〜3時間ほどで詰めてライターさんにお願いしています。
1人で企画を立てるときは、2〜3日間でぼんやり考え、1日で企画書の作成まで持っていくことが多いです。
Q. ペルソナから企画を考えるとき、どのように情報の取捨選択をしていますか?優先順位をつけているのでしょうか?
A. 一個の切り口を強く入れ、その他のものは記事の中でさりげなく入れるようにしています。
Q. 企画案がいくつかあるとき、最終的には何が決め手になるのでしょうか?
A. スケジュールを含めた実現可能性が決め手になります。人脈などの資源を考慮し、実現可能性×おもしろさをすり合わせて考えています。
・企画マインドや栞さんの経験編
Q. 企画を考えるために、日頃から気をつけていることはありますか?
A. すべてをコンテンツのもとだと思って生活しています。自分とはあまり関係がなさそうな分野のwebメディア、雑誌に触れるのも良いですね。
Q. 栞さんなら、今回のお題に対してどのような企画を立てますか?
A. 健康思考の30代既婚OLに向けて、ビオワインの基本を紹介する企画を立てました。webメディアで時間もお金もかけられないことを踏まえると、知識ベースで紹介するのが良いと思ったんです。
Q. これまでに苦労された企画を教えてください。
A. 複数のかき氷店を巡って比較する企画が大変でした。すでに繁忙期に入っていたためアポ取りが難しかったことに加え、味の違いを文章で表現するのが難しかったです。
飲食店にアポをとる場合、忙しくない時間帯に一度電話をしてから企画書を送り、目を通していただいたのちに再度テレアポを行うのが良いと思います。相手に負担がほとんどかからないことを伝えるのが大切です。
Q. 検索してわかったことを記事にする場合、オリジナリティーを出すコツはありますか?
A. 要素をかけ合わせることで、有益な記事を目指しましょう。
たとえば、「ビオワインとオーガニックワインの違いはなんだろう」など自分が疑問に思ったことを盛り込んだり、検索結果からさらに浮かんだ疑問について調べたり。
専門家から一言いただくなど、オリジナリティーの出し方はたくさんあります。
まとめ
雑学王に、俺はな(以下略)。これに尽きます。
インプットがないとアウトプットが生まれないのならば、たくさんのことを経験したいし、五感で感じたい。企画力がないことに焦りを感じていたけれど、まず取り組むべきはここだなと。
栞さんのワークショップは月一のお楽しみなのです。美容院やマッサージに行くのと同じような感覚で、言うならばライティングへのモチベーションのメンテナンス。
来月のワークショップは、noteのフィードバック会です。楽しみで仕方がない!
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