2025.1.19葛川篤読書会覚書
いわゆる課題本(文)読書会を初めて行った。しかも図書館でなければ読めない文なので、コピーをその場で配布、朗読して味わってもらう読書会。朗読に半分近くの時間を使ってしまったが、参加者が多く発言が少なかったので、時間内に終了したのはよかったのかどうなのか…。
秋田市出身翻訳家葛川篤はヴァージニア・ウルフの短編小説を日本で最も早い時期に翻訳、出版した。ウルフと同じ時代に生きた人である。彼の翻訳の仕事は「今、まさに、最先端の海外小説を日本にもたらすこと」である。
雑誌連載という形でしか残っていない、葛川訳『灯台へ』が復刊されたことによる刊行記念イベントで、編集者小澤みゆきさん、笠井康平さん(作家の手帖)が来秋し、トークショーを行った。当時の時代背景を丁寧に解説していただき、葛川の人物像についても恐らく世界で初めて紹介された。
詳しくは葛川訳『灯台へ』巻末の葛川資料をご参照されたい。埋もれた翻訳家の発掘。全く顧みられることのなかった、若き天才がようやく世に知られることになった。
トークをふまえ、「じゃあ、葛川ってどんな文を書く人なの?」ということで、葛川が高校生時代に書いた詩3編と、晩年療養中に書いた随筆をコピー配布し、その場で読んでいただく読書会を企画した。
まあまあだったかな?葛川の特に随筆は大変美しく、翻訳文の引用もあるので、彼の誠実な翻訳も伝わったのではないかと思います。
この随筆は葛川訳『灯台へ』の特典付録に全文が記載されていますが、特典付きはもう完売しているかもしれないですね。
秋田県立図書館で読めます。
とにかく無事終了してほっとしました。
少しでも葛川の魅力が伝わればと思います。