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写真の話

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ちゃんと写真の話をしてる記事のまとめ。
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撮りたいもの

撮りたいもの

「撮りたいもの」と聞かれた時に「これ」というものを答えると、「ではそれ以外は撮りたくないのですね」ということにされてしまうことが多々あり、それでなくてもHPやSNSに並べた写真から「この人はこういうのを撮る人だから、きっとこれは撮ってくれないだろう」などと聞かれてもないことを勝手に判断されてしまうこともあったりするので、なかなかこの話題は難儀なのだった。ちなみに以前は「着物以外撮りたくない人」と思

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せっかくなんでね。

せっかくなんでね。

世間は大晦日なのであって、ということは私にとっても大晦日なのであるが、年末感にはもう飽き飽きなのであった。毎年毎年よくもまぁ暮れるよね、年。

年末に全く関係ない話をしてやろう、と思いこの文章を書き始めたのであるが、まぁこんな日でもない限り改まって感謝の気持ちを述べることもなかろう、と思い改まった。イベントは結局のところ口実なのである。「せっかくだから」と何か特別なことをする為の。

だからこれか

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カメラマンをやめた話。

カメラマンをやめた話。

私はメインの集客をTwitterで行ってるのであるが、実はそこでカメラマンと名乗っていない。最近はその設定もグズグズになっているのだけど。ちょっとその辺喋ってみよかな、の回。

どんな仕事にもイメージと現実のギャップがあるものだけれども、私の仕事にも、それは漏れなくあると思う。

カメラマンであると言うと、「芸能人とかモデルとか撮るの?」と聞かれることが多い。その次に「スタジオはどこにあるの?」と

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1人になれない。

1人になれない。

写真を始めた理由についてたまに聞かれることがあるのだが、営業写真家として活動している今、口に出しても良いものなのか迷ってしまうくらい、それはとても大変にネガティブな理由なのだった。端的に言えば「他人と関わりたくなかった」のである。

母の胎内から出てから、将来を考える歳になるまで、私は「私と社会との相性の悪さ」について頭を悩ませていた。どうにも自分がこの社会で上手いことやっていけると思えなかった私

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何レターだ。

何レターだ。

専門学校時代に講演に来てくれたカメラマンが本を出していた。何となく気になって読んでみると、「ポートレートは写真家からのラブレター」と書いてあった。いいこと書くなぁ、こそばいこそばい、と思った後、私にとってのポートレートとはなんだろう、と思った。

私が人を撮るようになって、初めてその意義を感じたのは、写真館で写真が苦手な子を撮った時だった。写真苦手な子が喜ぶ1枚を撮りたい。そう思ってから、人を撮る

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