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KYOTOGRAPHIE 2023

『KYOTOGRAPHIE 旅の記録』
今年も新緑の季節の開催となった KYOTOGRAPHIE。 写真を拝見するのはもちろん、京都の食や新緑で染まるお寺や町家のお庭でゆっくり過ごして刺激も癒やしも頂いた旅の記録。SIGMA fp L と 17mm/50mm のセットで巡った記録。

今年のテーマは《BORDER=境界線》
国境や人種、性別、人間と自然(ジネン)など様々な 《BORDER》が写真を通して提起されていた。美しいものや、少し心を背けたくなる様な表現まで、様々な表現が様々な感情を想わせてくれた。

あらゆる生命体はさまざまな《BORDER=境界線》を持ちながら生きている。その境界線が個々の存在を形成しているともいえる。そしてそのほとんどは不可視なBORDERであり、それぞれが日々その境界線を守り・壊し・狭め・広げながら無常に生きている。あなたには自分のBORDERが見えているだろうか。KYOTOGRAPHIE 2023では、そのBORDERを少しだけ可視化してみたい。その境界線は、自分で作ったものなのか、他者によって作られたものなのか。それは守られるべきものなのか、超えるべきものなのか。もしかしたら、自分の「思い」によって変えられるものなのかもしれない。2023年、KYOTOGRAPHIEでこの《BORDER=境界線》を巡る旅に出よう。

KYOTOGRAPHIE 2023 ルシール・レイボーズ&仲西祐介

合わせて京都という古都を巡る機会でもあるので、寺社仏閣、食、新緑に恵まれたお庭などを巡って、KYOTOGRAPHIE で刺激をもらっては、心を整理するゆっくりとした京都の旅を。


インフォメーション町家 八竹庵(旧川崎家住宅)

KYOTOGRAPHIE インフォメーション町家になっている 八竹庵 を訪れるのがここ数年の KYOTOGRAPHIE での楽しみ。この町家の中庭もまた素敵で、まずは新緑の中庭を縁側に座って KYOTOGRAPHIE 巡る心の準備と計画を練る。


Ishiuchi Miyako『透視する窓辺』

二人の写真家の作品が「身近な女性の死」という共通点のもと展示した作品。亡くなった後にも写真を通して関係を築き昇華させていくという行為に写真の役割の一つを再認識させられた。


Mabel Poblet『WHERE OCEANS MEET』

展示を観た後 Mabel Poblet さんを調べて、多彩なアプローチから生まれてくる作品たちに改めて興味が湧いた。本作品のモチベーションもテーマが深く、でも美しいい。


Gak Yamada『生命 宇宙の華』

シャンパーニュの成熟の過程で捉えた生命のきらめきを表現した作品。生命の営みが美しく、讃えられている様。


Dennis Morris『Colored Black』

写真を通じて追体験するカリブ系移民「ウィンドラッシュ世代」の人々の暮しは、前向きで、パッションがあって移民という立場に負けない誇りを感じた。今回の『BORDER』にふさわしい展示に思えた。


然美〈SABI〉

両足院を訪れる前にお茶で一服。KYOTOGRAPHIE で刺激過多になった心を一旦落ち着つかせる時間。然美でお茶と和菓子のペアリングを。


建仁寺

KYOTOGRAPHIE を巡る間、京都のお寺なども拝観している。その中で一番好きで毎年じっくり時間をとってお庭を眺めているのが建仁寺。特にこの新緑の時期の潮音庭はとても綺麗で心を落ち着けてくれる。


ISSEY MIYAKE KYOTO KURA展『TYPE-Ⅱ Tatsuo Miyajima project』

KYOTOGRAPHIE とは少し離れて、ISSEY MIYAKE KYOTO で行われている KURA展へ。宮島氏のデジタル数字の柄を再構築したブルゾンの職人による制作過程の展示。幾重にも重なるシルクスクリーンの工程の手間が垣間見れる職人によるものづくりに感銘を受ける。


世界報道写真展

2023年は世界各国の女性・少女・コミュニティに焦点を当てたストーリー。世界で起きていることのほとんどを知らなくて、起きている事実を伝えてくれるのもまた写真の役割で、少しづつ観た人がいい方向に進むように心を傾けるきっかけになるのだろう。


Roger Eberhard 『Escapism』

スイスで珈琲と共に蓋に写真が印刷されたコーヒーフレッシュ添えられてくる。再撮影して過剰なまでに大きく引き伸ばし表現されている荒いドットの写真は現実からの逃避と共に現実世界へと容赦なく引き戻す力がある。


Coco Capitán『Ookini』

KYOTOGRAPHIE レジデンスプログラムで京都に滞在して撮られた作品。光明院では禅僧を目指す学生の写真が展示されており、映像も合わせて観ると日頃の修行の一部が伺えて面白い。また光明院の庭がすごく気持ちがいい。


高木由利子 『PARALLEL WORLD』

KYOTOGRAPHIE 2023 最も感銘を受けたのが高木由利子さんの『PARALLEL WORLD』 日常的に民族衣装を纏う人々を12カ国で撮影した”Threads of Beauty”、80年代から現代までのファッションを撮影したシリーズで構成される PARALLEL WORLD は二条城という舞台で相舞う。

80年代から現代までのファッションを牽引してきたデザイナー達のクリエイションが収められた写真は1つ1つの写真が丹誠で綺麗で足が進まない。不必要な光を取り払い、必要な光だけで照らされた空間が写真に集中させる。

『PARALLEL WORLD』の展示で会場構成は建築家田根剛さんが手掛けていて、高木由利子さんが積み重ねてきた40年をどう表現するか、PARALLEL WORLDをどう表現するかを二条城にも敬意をはらって構成されていて、あの場、あの写真を伝える最高の空間だったのではないだろうか。お二人のインタビュー映像を観てから巡るのも意味深くていいのかもしれない。


KG+

KYOTOGRAPHIE と同時にこれから活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に、2013年よりスタートした公募型アートフェスティバルである KG+ も時間の許す限り訪れてみた。


荒木塁『PERCEPTION』

単純にかっこいいと思った写真。『そこに在るものを一層、たとえば楽しく、たとえば格好良く、たとえば美しく感じることが「できる」ということ』というスタンスが写真に現れていてかっこいい。


宮下直樹 『Subtle.』

老舗旅館が紡いできた日常の佇まいを丁寧に撮られた写真たち。存在を肯定し、ありのままを捉える写真が丹誠で気持ちが良い。Sentido では本展示のプリントされたブックも観ることができる。


宮下直樹 『Neighbor's awaken. - Northern coastline.』

宮下さんは、上記の柊家旅館での展示の他に、北海道を舞台に撮影された本作品も Sentido での個展も同時に開催している。北海道の景色は心にグッとくる。やっぱり故郷が好きで、北海道をこんなにも豊かに表現してもらったことに感動と感謝の気持ちです。とっても心が動いた写真。
また、本作品は私もこの旅で使用しているカメラ SIGMA fp L で撮影されていて写真に親近感がる。


KG+ ⁠SIGMA特設ブース 『Beyond the technology, is Art.』

私が愛し、好んで使用している SIGMA の特設ブース。SIGMA のカメラ、レンズを使用し、各国の写真家が撮影した写真達が展示されている。そして、今回の展示で見入った未公開映像「WHAT'S A GOOD PHOTO TO YOU?」KYOTOGRAPHIE を巡る最初に観るべきか、最後に観るべきか、どちらにせよ写真を巡る意味を深めてくれる展示。


旅の相棒

今回の旅の相棒は SIGMA の fp L というカメラに、2023年4月21日 に発売になった 17mm F4 DG DN | Contemporary と 50mm F2 DG DN | Contemporary の2本のレンズの組み合わせで撮影を行った。アートの鑑賞においては当然写りも大事だが、やはり鑑賞の妨げにならないコンパクトさも重要だと思っている。そして、何より相棒として持って歩きたくなるファッション性が SIGMA fp L と Iシリーズレンズにはある。

17mm F4 DG DN | Contemporary / 50mm F2 DG DN | Contemporary
SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

今年の KYOTOGRAPHIE,KG+ もたくさんの作品を観て、色々な方と話し、感化される日々でした。一年で一番写真を考える時かもしれない。今年も刺激的な機会を有難うございました。


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