
「実は日本は資源大国?」日本の都市鉱山の可能性。
YURI SATO
NY発 エシカルジュエリー
「心も環境も大切に、持続可能なワタシを愛する。」

弊社の運営しているオリジナルジュエリーブランド YURI SATOでは、
新しく鉱山から金属や宝石を採掘するのではなく、
すでに存在しているさまざまな地上資源を有効活用する
"循環型ものづくり"をしています。
・・・
日本はかつて金、銀、銅や鉄などの鉱物採掘が行われていました。
しかし今は多くの鉱山が閉山し、ほとんどの鉱物資源は外国からの輸入に頼っています。
“資源がない国”と思われている日本ですが、すでに採掘された地上資源に目を向けた時に、実は日本は多くの資源を保有している、ある意味、資源大国なんです。
都市鉱山について
都市鉱山とは?
聞いたことがある方も多いかもしれませんが、
まずはこの"都市鉱山"という言葉からご説明させてもらいたいと思います。

※1 都市鉱山とは…都市鉱山(としこうざん、英語: urban mining, e-waste)とは、都市でごみとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環となる。地上資源の一つでもある。
私たちが普段使用しているパソコン、スマホを始めとするデジタル機器や家電製品の中には、ジュエリーの素材ともなる金、銀、プラチナなどの貴金属やレアメタル(希少金属)が含まれています。
そして貴金属やレアメタルが含まれた製品が、日本には大量にゴミとして廃棄されており(電子廃棄物)
そんな電子廃棄物に内在する資源を抽出し、再度利用していく取組みが近年は積極的に行われています。
記憶に新しいところですと2020年の東京オリンピック。
都市鉱山の金属を活用してメダルを作るという取り組みが行われました。
「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」
東京2020オリンピック・パラリンピックでは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」が実施されていました。
このプロジェクトでは2017年4月から2019年3月までの2年間で、
全国の自治体から7万8985トンの電子廃棄物、NTTドコモショップからは中古携帯電話が621万台回収されたとのことです。
回収された金属は金が約32kg、銀が約3500kg、銅が約2200kgにも及び、非常に多くの金属が回収されました。
それらは認定事業者により分解、解体された後、精錬業者により金、銀、銅を抽出、その後造幣局によってメダルへと加工されました。
2020年の東京オリンピックのメダル製作では、
実は多くの一般市民や民間企業のほか、全国の市町村が参加していたんです。
都市鉱山の可能性
たった3gの金を採掘するためには約1トン土を掘り起こす必要があるにも関わらず、
同じ1トンのスマートフォンからは150g、ガラケーからは200gもの金が回収することができます。
その差はスマートフォンだと50倍、ガラケーだと約67倍です。
土を掘り起こして新しく資源採掘するよりも、既に地上に存在する都市鉱山を活用する方が圧倒的に効率がよく、また資源採掘に伴う多くの問題の解決に繋がります。
そして素晴らしいことにゴールドやシルバーなどの貴金属は、
分析をして、再精錬すれば、真新しいものと品質も価値も変わりません。
洋服やバックに使用される布や革は、
良い悪いではなくエイジングは免れず、月日が経つごとに素材に変化が起こります。
しかしジュエリーの素材である貴金属は、幾度となくカタチを変えては生まれ変わることのでき、また品質も変わることなく永久に使用していくことができるのです。
日本の世界トップクラスの都市鉱山
日本に蓄積する資源量
日本の都市鉱山の技術や規模は、世界でもトップクラスとのことです。
2008年1月、独立行政法人物質・材料研究機構から「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」によると、
日本の都市鉱山に蓄積されている量は、世界の現有埋蔵量に対し、金は約16%(約6,800トン)、銀は約22%(6万トン)と試算されています。
なんと驚くべきことに、世界現有埋蔵量の約16%の金と約22%の銀がここ日本に蓄積されているとのことなのです!
問題解決につながる都市鉱山

私たちが日常生活を送る上ではなかなか知る機会がありませんが、
新たな資源採掘や電子廃棄物に関して多くの問題が存在しています。
電子廃棄物の処理
不要になって捨てられてしまった電子廃棄物は、全世界で毎年5000万トンにも及ぶようです。
これらを処理する時に有毒ガスが発生し、地球環境に被害を与えていると言われています。
電子廃棄物を資源とみなし、ひとつひとつ分解して再利用できる部分を抽出していくということは手間はかかるかもしれませんが、限りある資源を有効活用することは、今後さらに私たちが真剣に向き合わなくてはいけないことです。
環境汚染
前述のように新しい金や宝石の採掘には、大量の土を掘り起こす必要があります。
また効率的に採掘するためにいまだに水銀を使用している鉱山もあると言われており、これは環境に影響を与えるだけではなく、働いている鉱夫たちの健康被害も引き起こします。
労働環境
世界中のさまざまな鉱山では、働いている労働者へ正当な賃金が支払われていなかったり、子供が働いていたりと、労働環境、搾取、児童労働などの問題が存在します。
鉱山をめぐる紛争
金も宝石もとても高価なものです。
それらを採掘できる鉱山をめぐって紛争が起こったり、採掘して得た資金が戦争に流れたりと、ここ平和な日本では想像しにくい現実も世界の裏側では起こっています。
資源の枯渇
金は従来のペースで採掘を続けていくと、あと十数年で採掘可能な金は掘り尽くしてしまうと言われています。
今後は新しい金採掘に頼ることなく、いかに今ある金を有効活用できるかに焦点を当てなくてはいけなくなってきます。
都市鉱山の資源を活用していくことは、前述のような資源採掘に関する問題の解決につながっていきます。
いかに今ある資源を活用していくか

都市鉱山について、日本の蓄積している資源、資源採掘に関する問題について簡単に書いてきましたが、
このように日本には非常に多くの都市鉱山が存在します。
ジュエリー以外の産業のことは私は知識はありませんが、
ジュエリーに関して言えば、今日本にある資源(貴金属)を大切に有効活用していけば、新しい資源採掘に頼ることなく、ものつくりをしていくことができると私は思っています。
そして環境問題、労働問題、資源の枯渇、あらゆる面を考慮して
新しく資源を採掘していく従来の仕組みから、すでに採掘された地上資源のリサイクルに焦点を当てなくてはならない未来はすぐそこに来ています。
弊社ができることは、都市鉱山のゴールドとシルバーや不要となったジュエリーから取り出されたダイヤモンドを活用した”循環型ものつくり”をしていくことです。
今はまだまだ微力ではありますがYURI SATOのジュエリーメイキングが、
環境問題を好転化するひとつのアクションになっていくことを信じて、今後も活動してまいります。

YURI SATO
人にも環境にもやさしいNY発 エシカルジュエリー
「心も環境も大切に、持続可能なワタシを愛する。」
Instagram:@yurisatojewelry / @yu.ri.sa.to