イントロダクションで大事なこと。
こんにちは。佐藤です。
今日は授業などでワークなどを学生たちにやってもらう際に気をつけていることをまとめてみたいと思います。これはある種のワークショップでも大事な視点かなと感じています。
そもそもこういう考えが必要だなと気づいたのは、あるキャリア系のワークショップを高校で実施していた時のこと。そのワークショップではいくつかのワークを連続して行っていくのですが、これを意識するのとしないのでは、ワークを行う姿勢に差が出ました。前者だとスムーズに作業に取り掛かれるし、ワーク後の考察が深くなりやすい。
それは、ワーク単体の目的をしっかり伝えること。
すごい基本的なことですが、どうでしょう。「しっかり」と言うのが大事なポイントです。
授業やワークショップの場というのは伝えたいこと考えて欲しいことがたくさんあるのに、時間が足らないと言うことが往々に起こりがちです。いろんな予期せぬトラブルも多々発生しますからね。そうなるとワークをやることが重要視されてしまい、まずはワークをやらせようとなりがちです。
説明が足らないなと思っても「ワークをやらせながら伝えればいいかな」とか思ったりしますが、一度何かしらの作業を初めてしまうと手元の作業に意識が向いてしまって、補足説明にも意識半分です。その後作業に戻しても、あちこちで質問の手が上がり、結局はワークに割く時間が増えてしまったりとなりがち。
このような未来が予測できるのだから、先回りして、少し時間が押してもしっかりやる「こと」と、その「目的」を「しっかり」伝えると良いです。
ここで3つ「」を使いましたが、これらの要素も意識することが大切です。
「こと」はこれからやって欲しい作業自体のこと。これがここまで話したことです。
「目的」は、なぜこのワークを行うのか、最初の導入であれば、なぜこの作業を行う必要があるのか(簡単な言葉でまとめるならメリット)、授業であればなぜ学ぶ必要があるのか、ワークショップであればこの場はなんのために存在しているのか締めくくりのタイミングでどうなっていて欲しいのか、です。ただ、ワークショップでは、あえてその目的を伝えないという場もあるのでそれはその場の特性に合わせて判断すると良いと思います。
こと、やらされ感がある場(先述のような高校での全員参加のキャリアワークショップや業務の一環として参加している研修など)では、「なぜ、この作業をやるのか」に納得しないと作業を始めない人、初めても身が入らない人という人が大体数名はいます。こういう人たちは妨害をしようとしているわけではないので、伝わる言葉で、その場の目的を伝えてあげてください。
この「伝わる言葉で」が、先述の「しっかり」につながってきます。(これはプレゼンでもそうですが)話す人は、その内容について、往々にしてその場でもっとも詳しい人です。プログラムを作った人はどういう意図があって、どんな段取りで行うか綿密に頭に入っています。だからこそ無意識のうちに説明を省略してしまいがち。もちろんこれは悪気があってやるわけではなくワークに割く時間を多くしようという配慮からなのですが……。それが裏目に出ることもありますね。
このような意識にならないように注意しながら、聞き手のわかる言葉、伝わるロジックで説明することが大切です。相手が置かれている(であろう)立場を考えながら、聞き手の身になったつもりで伝えること、これが「しっかり」伝えるということです。
余談ですが、若者世代はこの「目的」や「意味」がしっくりこないと、なかなか動いてくれません。でも、この部分が明確になると、その加速力はすごいものを発揮してくれます。彼らのエネルギーを無駄にしないように、この「ちょっとした配慮」ができるといいですね。