「細胞核オーバーロード」実践経過報告(その1)
何回かテーマにしている「細胞核オーバーロード」ネタです。
昨年12月より取り入れたばかりですが、私自身による実践経過報告をします。
私の「細胞核オーバーロード」の対象部位は、肩の三角筋です。私は昔水泳をやっていた事もあり、肩幅は元々広い方だったのですが、肩幅(骨格)の割には三角筋の盛り上がりが小さいのが、筋トレを初めた頃からずっと弱点でした。腕は太い方だったので上腕三頭筋に比べると三角筋が小さいのが顕著なのです。三角筋の弱点を克服しようと30年以上ずっと意識して筋トレをしてきたつもり?なので、そこそこの盛り上がりはできたものの上腕三頭筋との差は相変わらずです。そういう意味では、ダメ元でいいのです。もし運良く効果が上がったら儲けものと思ってトライしてみる事にしました。
三角筋のトレーニング種目は、ケーブルを使ったサイドレイズとフロントレイズです。それぞれ、軽めの14kgで限界ぎりぎりの30回〜40回/セットを5,6セット行います。これをひたすら毎日行いました。
一般的な筋トレの常識では、低負荷でも限界ぎりぎりまで高回数行うものは
筋肉に「科学的ストレス」を与え、週2回程度の頻度でも十分筋肥大の効果があるとされています。
「細胞核オーバーロード」の筋トレ法は、通常週2回程度の頻度で良いものを、毎日連続約1ヶ月続けるという、かなり異常な手法です。
一般的な筋トレの常識では、オーバーワーク、つまり鍛え過ぎで逆効果と言われるような手法です。
この今までの常識ではタブーだった事に挑むのが「細胞核オーバーロード」の筋トレ法なのです。
日頃のやや重めの高負荷/高重量(10回反復できる重さ)での筋トレのワークアウト後は、翌日から1,2日間は筋肉痛が残るので、毎日筋トレを行うのは無理です。逆に毎日できてしまうとしたらワークアウトが不十分だったという事になります。
ところが、低負荷高回数の筋トレ後の筋肉痛は、高負荷/高重量での筋肉痛(筋肉が切れるような痛み)とは違い全体的に筋肉が張った感じ、疲労物質(乳酸)が残っている感じ、ずっとパンプアップしている感じ、、そんな筋肉痛なので、低負荷高回数の筋トレなら毎日やろうと思えば毎日できてしまうのです。
ただ、毎日毎日やっていると、疲労物質(乳酸)がどんどん蓄積していく感じが増してきます。
この「日に日に疲労物質(乳酸)がどんどん蓄積していく感じ」で昔のある記憶が蘇りました。それは水泳部の地獄の合宿トレーニングでの記憶です。
水泳部の合宿トレーニングは、朝起きてから夜寝るまで、起きている間のほとんどがただひたすら泳ぐ日々です。それもだらだら泳ぎ続けるのではなく、短距離ダッシュを何回も何回も繰り返し泳ぎます。合宿初日からして、クタクタ状態なのに、それが連日続くのです。
全身の筋肉に疲労物質(乳酸)が貯まりまくった状態で、短距離ダッシュを何回も何回もひたすら泳ぐ。。。今日も、明日も、明後日も、朝から晩まで、ずっと、ずっと。距離だと10km〜15kmとか、毎日泳ぐのです。
でも、不思議な事に、全身クタクタ状態でまともに力が入らない状態でも、そこそこのタイムで短距離ダッシュを泳ぎ切れるようになるんです。力まずに軽く流してもそこそこのタイムがでる。今思えばこれが「適応反応」だったんですね。
スポーツの世界では、一見、非科学的に見える無茶苦茶なトレーニングでも、極限ギリギリまでに追い込む事で今までより一歩踏み込んだ異次元の「適応反応」を導けるのかも? たぶんそういう事なんだと、今更ながら気づいたのであります。
今話題の「細胞核オーバーロード」も、中上級者向けの筋トレ手法として紹介されています。「細胞核オーバーロード」が一見無茶苦茶なトレーニング法なのも、中上級者が今まで行って来ただろうと思われる”並”のやり方では、一歩踏み込んだ「適応反応」を導けないからなのかもしれません。
前にも例として紹介した千代の富士の筋トレ法。肩の脱臼癖に悩まされていた千代の富士は、医師より肩を筋肉の鎧で強化するアドバイスを受け、三角筋を鍛える筋肉トレーニングを開始し、当初は毎日腕立て伏せ200回というものでした。当時の筋トレの常識でも、「自重での腕立て伏せを毎日何百回やったところでたいして筋肥大はしない」というのは通説でした。
しかし、千代の富士は、毎日ひたすら腕立て伏せを繰り返し、「一にも二にも腕立て伏せ。あれに尽きる」が口癖だったそうです。1日200回だったものが次第に1日1000回にもなったそうです。もちろん相撲の稽古には「ぶつかり稽古」のような150kg超の力士と組み合っての稽古も行っているので、低負荷高回数の腕立て伏せと高負荷低回数のぶつかり稽古のミックスで結果的に「細胞核オーバーロード」の筋トレ法を実施していたのかもしれません。
休養がどのようなものだったかはわかりませんが、相撲取りの稽古や食事は一般人の感覚からすれば異次元の世界ですから、異次元のトレーニングというのは、「細胞核オーバーロード」で爆発的な筋肥大を得るポイントなのかもしれません。
今回、私が「細胞核オーバーロード」の筋トレ法を取り入れてまだ1ヶ月足らずです。ジムの年末年始の休業に併せて、休業前の3週間に毎日連続の三角筋のワークアウト。年末年始に丸1週間完全休養。そして再び再開したのが今の状態です。
3週間毎日連続のワークアウトは、かなり効き(疲労が蓄積し)ました。完全なオーバーワークだと感じました。連続3週間は私の限界でした。本当に肩がボロボロという感覚です。そして、完全休養した1週間は、疲労困憊した肩が日に日に回復している事が実感できました。この感覚は、今までの通常のワークアウト後に感じた感覚とは少し異質な感覚です。敢えて例えるなら「病み上がりの回復期に感じるような感覚」でしょうか?
肩の疲労(パンプアップ感)が日に日に回復していく感じが5日間くらい続きました。1週間の完全休養は、ちょうど良い休養期間なのかもしれません。
以前にも書きましたが、1週間の完全休養後に再開する筋トレはとても快適です。スポーツ選手だったらこんな絶好なコンディションで試合に望むのだろう、と思える快調さです。
「細胞核オーバーロード」をやるやらないに関わらず、筋トレ習慣、運動習慣のある人は、時々何も運動しない1週間の完全休養というは必要なのかもしれません。
さて、年齢的に爆発的な筋肥大はもう期待できないと思うので、結果が見た目に分かる(三角筋と上腕三頭筋が見た目で互角になる)までには、最低でも1年かかると思います。ただでさえ筋サテライト細胞は、加齢により活性化し難くなるのですから、1年後も全然効果を感じる事ができないかもしれません。
もしそうだとしても、筋トレの常識にはまだまだ科学的に未解明な部分が沢山あって、それらを自分自身の体で検証できるというのは、ワクワクするというか、これも筋トレを継続する大きなモチベーションになると思っています。
恥ずかしながら自撮り写真↓ 2020年1月 一年後に比較して見た目に変化があれば成功といいうことでしょうか。
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