熊谷めぐみ & 須川まきこ|ART & ESSAY《8》|かろやかに解きはなたれて
ユダヤ王ヘロデの王宮。ヘロデ王の妻ヘロデアの娘であるユダヤの王女サロメは、その美貌のために義父であるヘロデから絶えず邪な眼を向けられている。ヘロデが重用する予言者ヨカナーンに魅了されたサロメは彼の赤い唇に口づけしたいと切望する。ヘロデはサロメに自分のために舞を踊るよう所望し、彼女が望む褒美を与えると約束する。踊りを終えたサロメが求めたものは、銀の皿の上にのった預言者ヨカナーンの首であった。
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『サロメ』はオスカー・ワイルドが新約聖書から着想を得て書いた一幕劇である。