どこでも住めるとしたらどこに住みたいですか?コインブラですか?ああそうですか。コケッ
こんにちは、さちこです。普段は、外国の方に第二言語としての日本語を教えています。どうぞよろしくお願いします。
「ああ、ここに住んでみたいなあ」と思ったことはあるだろうか。
旅先で思うことはしょっちゅうあれど、
「ああ」(←ここ大事)と長々しみじみ感嘆詞までつくことは稀ではなかろうか。
少なくとも私の場合はそうなのだ。
日本各地ならいざ知らず、海外となると言葉とか仕事とか治安とかとかとか、
ちょっと冷静になると、旅という限られた期間ならともかく、
住むとなると大丈夫かと不安がもたげる。
そんな中、「ああ」という長々しみじみ感嘆詞までついた場所は、
ポルトガル🇵🇹第3の都市でもある古都コインブラだった。
魅力その1:景色
リスボンから列車で2時間。古都コインブラのホテルに到着し、
案内された部屋の窓を開け、目の前に広がる街の光景を見た。
その途端、息を呑んだ。
空のぬけるような青、ぽっかりと浮かぶ白い雲、
丘の上まで続くオレンジの屋根とクリーム色の壁、
それらの色のコントラストに目を奪われ、まるで絵画のようだと思った。
不思議なことに、初めて来た場所なのに何故だか懐かしさも覚えた。
「この街が好きだ」。
街にも一目惚れがあるなら、まさに一目惚れだ。
でも、それだけでは「ああ」と長々しみじみ感嘆詞はまだつかない。
魅力その2:食事
ホテルに荷物を置き、昼食をとるためにレストランを探しに出る。
レストランのメニュー看板に描かれた魚の絵に足が止まる。
鰻みたいに長い魚。
電子辞書を引くと、”ヤツメウナギ”と出てきた。
欧米では魚はあまり食べられないと聞くけれど、ポルトガルではヤツメウナギまで食べられているのか。
魚を食べる日本人として親近感が湧いたので、中に入ってみる。
賑わっている。当たりのお店だ!
どの料理も美味しいのはもちろんだけれど、その量に驚かされる。
特に、大好きなオリーブがたっぷり。
ワインも小さいとはいえピッチャーになみなみで、グラス2〜3杯分は軽くある。
その太っ腹ぶりに驚き、嬉し楽しくなってくる。
ちなみに、その後もいくつかのレストランで食事をしたが、どのレストランでも
セットメニューのワインはハーフサイズのピッチャーやカラフェで提供された。
日本だったら女子会や奥様ランチ会(?)で大人気になるだろうなあと思いながら、
周りの席を見ると、日本と同様、職場の同僚風グループや女子会もいるが、
その他におじいちゃん会とでも言うか、定年退職後とおぼしき男性陣が楽しそうに歓談している様子があった。これがまた、ほのぼのと楽しそうで素敵だった。
「ああ、こんな風に老後は気の合う仲間とワインを飲みながらランチをして過ごすのっていいなあ」と思った。老後の過ごし方なんて考えたこともなかったのに。
そして、ここで初めて「ああ」と長々しみじみ感嘆詞がついた。
魅力その3:人懐っこく、優しい人々
レストランを出て、記念に外観の写真を撮っていると、突然大きな声がした。
反射的に声がした方を振り向くと、
こちらに向かって歩いてくるおじさん集団の一人が、何事か言いながら、
立ち止まってポーズをとり、こちらを見ている。
ポルトガル語(おそらく)だったので、何を言われたのか全くわからなかったが、
「おい、コインブラの写真を撮っているのか、それなら俺も撮れよ、ほら!」
と言われたような気がして、シャッターを切った。
コインブラの人は、こんな風に明るく人懐っこくて、優しい印象の人が多かった。
例えば、お店に入ってたどたどしいポルトガル語で質問すると、はにかみながら優しい笑顔で教えてもらったり、
観光名所である旧サンタ・クララ修道院に併設されている博物館をたった一人で訪れた時も、尋ねる前からとても丁寧に教えてくれた。
「ああ、こんな風に明るくて優しい人々の間でなら、暮らせるかもしれない」
「ああ」と長々しみじみ感嘆詞、二度目の登場である。
魅力その4:こじんまりと可愛く、美しい街
コインブラの中心部には、
丘上にヨーロッパでも屈指の伝統と歴史を誇る名門コインブラ大学があり、
その麓の徒歩移動可能な範囲にこじんまりとした美しい街並みが広がっている。
どこを歩いても美しいので、写真を撮りまくったのだが、
あまりに膨大で、上記には一部しか載せられなかった。
古都であり、古くから学問の街でもあるため、落ち着いて成熟しているのか、
一人で街を歩いていても全く怖くない。
「ああ(←3度目)、ここに住んで、ひねもすのたりのたりと、散策したり、
働いたり、勉強したり、ランチで歓談したり、ファドを聴いたりしたいなあ。」
かなり本気で思っているのである。
(お読みくださり、ありがとうございました)
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