海外移住はゴールではなく、スタートである
2年間、東京とバンコクで遠距離したタイ人夫と国際結婚して
約1年かけていろんな手続きやらなんやらめんどくさい事を経て、
ようやくバンコク入りした2017年の冬。
もう空港でバイバイする事なく、夫とずっと一緒にいれる!
好きだったけど超多忙だった東京OL暮らしを経て、私は幸せになれる!
完全にお花畑状態。夢見る夢子ちゃんだった。
けど、そこに待っていたのはバラ色な人生ではなく
むしろ、約5年間に及ぶ地獄のスタートだった。
・タイ語力ほぼゼロ、慣れないバンコク暮らし
・人生初の妊娠で、ホルモンお化け
・世界一気をつかう女性である、義母との同居
これらが一気によーいドン!して、
幼い頃は何度か転校したり、2回海外留学した経験があった私は
「なんとかなるっしょ」って過信してたけど、全然適応できなかった。
学校で習ったばかりのタイ語で、コンビニでコーヒーを頼んだら
20代くらいの若い女性店員は聞き取れなかったのか
「は?(和訳:え?)」と聞き返してきた。
まだまだタイの文化を知らない、
妊娠により豆腐メンタルだった当時の私には
「は!!???何言ってるかわかんねーよ、バーカ」みたいに
聞こえちゃって、自宅に帰ってオイオイ泣いた。
実母が日本から送ってくれた荷物に入っていた地元の銘菓。
大好きだからこそ取っておこう!としばらく手をつけずにいた。
ある日、食べようと思って箱を開けたら
無数のアリが、小分けされている袋の中にまで侵入していた。
アリは大嫌いな上に、
せっかくお母さんが高い送料を出して送ってくれた
大好きな銘菓の変わり果てた姿を見て、
ベランダに持っていって水をかけながら「殺してやる」とつぶやいていた。
元看護師の義母。
人のお世話が生きがいらしく、私にも色々とよくしてくれた。
最初こそありがたかったけど、少しずつタイの暮らしに慣れて
自我が出始めた頃には、彼女にお世話されるたびに
「私は1人ではどこにも行けないし、お金も稼げないしご飯も買えない。
誰も私を必要としていない、お荷物妊婦嫁なんだ」と自分を責めた。
病院にこそかからなかったけど、臨床心理士の姉に
「バンコク行こうかと思うくらい、ヤバかった」と後で言われた。
もう、無理だった。
メンタル崩壊寸前だった。
今思えば、海外適応障害とでも言うような状態で、
加えて対人恐怖症ならぬ「タイ人恐怖症」にも若干なっていた。
タイ人が怖い。
ご近所さんに何言われるか分からないし、妊婦だからぼったくられるかも。
外は敵ばかり!やられないように常に気を張って。
外でも中でも気が休まらない。
心が拒否してるから、タイ語が全然習得できなかった。
タイ語学校通ってるのに話せないバカな私をまた、責めて。
けど、こんな事誰にも言えなかった。
夫に言ったら彼の母国や母親の悪口にしかならないし、
日本の親に言ったら心配しかかけない。
「国際結婚して、海外移住します!」なんてカッコつけて
日本出てきたのに、こんなダサい姿でのこのこ帰れるわけがない。
何が私を苦しめるのか?名のない苦しみが私をどこまでも苦しめた。
誰にも言えない、でも言わないと心がパンクして死にそうだった。
だから、自分に言うようになった。
ノートに書き殴って、少しでも心を軽くしたかった。
今のこの気持ちを軽くできるなら、なんでもいい。
なんでもいいから、この状況から私を解放して欲しかった。
あれから5年が経ち、バンコク在住8年目に突入した私。
あの頃を振り返って思うのは、
「自分に期待しすぎだったな」と思うんです。
私だから、バンコクでもよろしくやれるハズ!
英語話せるし、言語センスはあるからタイ語もいけるハズ!
甘えん坊な末っ子だし、義母ともうまくいけるハズ!
そう思ってきたけど、蓋を開けてみたら全然ダメで。
そして、全然ダメな自分をどこまでも責めたのも良くなかった。
英国大使館のHPにある心理士の先生のお言葉に、
「皆、平気な顔して海外で住んでるけど、メンタル的には結構きついからきついって思うのが普通なんだよ!」という内容のものがあった。
いや、やっぱそうですよね!
きついって思うのは全然変じゃないし、きついって思ってもいいし、
きついって気持ちを吐き出してもいいんですよね!って。
当時の自分はまだまだ自分に過信していてプライドも高くて、
なかなかきついって思ってる弱い自分を受け入れたり
「ぶっちゃけ、きついんですよね」と吐露する勇気が持てなかったり、
そもそもそんな話ができる人がいなかったりしたんだけど、
完璧!かっこいい自分である事など不要なものを全て手放した
今の自分なら、ガンガン言っちゃうんだろうなって思うんです。
だって、心に溜めていい事なくないですか?
きついって感じちゃったんだもん。仕方なくないですか?
きついって感じた感情を完全否定するより、
受け止めてあげたほうが心ちゃんはホッとできる気がしませんか?
いいんです、言って。
その話し相手として最適なのは「似た境遇にいる他人」だと思うんです。
だって、夫や親には言えないし、こんな事話せる現地の友達いないし、
いた所で現地の日本人コミュニティって狭いから
変な噂とか立ったらめんどくさいし。
だったら、むしろ私のことなんて知らないけど同じ「海外在住」と言う
経験をしている女性に「わかるー!!!」って言ってもらいたくない?
私でよければ、話し相手になります。
地獄の日々から抜け出すのはあなた自身なんだけど、
あなたと似た経験をした私だからこそ語れること、あると思います。
将来的には、私1人じゃなくていろんな国から参加する仲間と
交流できるグループミーティングなんかして、応援し合いたい!って
思ってるけど、まずは私が力になりますので、いつでもDMしてね。
私はお医者さんではないから病気を治すことはできないけど、
あなたと同じ目線で「うんうん」って話を聞くことはできるから。