世界の中心で愛を叫ぶ人【日本語】ヨバヒト(柳田國男『遠野物語』)
そうだったのかー。
「よばい」はてっきり「夜這い」だと思ってたんだけど、これは後からあてられた漢字で、もとは「呼ばい」だったらしい。
語義は「呼び続けること」だそうだ。
そして呼ばいをする人は「ヨバヒト」。「女に思いを運ぶ人」とは、またうまいこと言ったものだ。
しかし、いくらうまいことを言ったとしても、「夜這い」という表記が定着しているせいで、現代では「ストーカー」にされてしまいかねない。
ヨバヒトに代わる現代語が必要だ。
「告る人」、すなわち「コクラー」というのはどうだろう。女性に想いを告げる人だ。
…なんか軽いな。新幹線で「次は小倉ー」みたいでもある。
「告げる人」すなわち「ツゲヒト」(注1)というのはどうだろう。
悪くない。柘植の高級感も漂う。『PLUTO』のゲジヒトにも似てかっこいい。
これでいこう。
ではみなさん、今晩から「ツゲヒト」でひとつお願いします。もちろん自己責任で。
注1. 公開したあとで念のためと思って調べてみて、「告げ人」という言葉があることを知った。人が亡くなったことを近隣に伝える人のことだそうだ。また、佐藤左千夫の作品に『告げ人』というのがあるそうだ。人間の考えることは似たようなものだということである(そう…なのか?)