明け方と夕方の区別がつかなくなったときのために【ドイツ語】dämmern(J.R.R. トールキン『ホビットの冒険』)
説明不要のファンタジーの名作より。
ガンダルフの道案内にしたがいながら、竜の住む山を求めて、一行が谷間をさまよっている場面。
今回初めて知ったが、dämmern は『クラウン独和辞書』によると「(日の出・日没後に)薄明るく(薄暗く)なる。夜明け(日暮れ)になる」の意。
ワーグナーの Götterdämmerung『神々の黄昏』から、てっきり日暮れの意味かと思っていた。
これも今回知ったことだが、英語の twilight も同じで、日の出・日没のどちらにも使える。これもてっきり日暮れ限定だと思っていた。
西欧語の特徴だろうか。
「明るくなりつつある」も「暗くなりつつある」も、「薄明るい」も「薄暗い」も、同じことだというのだ。
大味なやつらめ(口悪いぞ)。
ということは、あなたが、まるでミステリの登場人物みたいに、ふと意識を取り戻すと周囲が薄暗く、朝なのか夕方なのかわからない、というような状況に立たされたとしても、「朝かしら?夕方かしら?」と迷う必要はない。
Es ist Dämmerung!
と一発かませばよいのだ。
まあ、「なんだか薄暗いなぁ」でも全然いいのだけれど(どないやねん)。