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決戦兵器・巨大戦艦「織田信長」(永野護『ファイブスター物語⑬』)

しばらく停滞していたが、最近また『ファイブスター物語』をじわじわ読み進めている。

この第13巻で、昔「サイレン皇子」という人物がいたことが明らかになった。モーターヘッド(戦闘用ロボットのこと)サイレンの名は、この人にちなんでつけられたらしい。

MHサイレンは第2巻くらいから登場していたから、私にとっては35年くらいたって発覚した事実だ。

後付けの設定なのかもしれないが、数十年たって名前の由来を知るという経験は、長大な物語を読んでいるからこそ得られる、ある種のぜいたくだ。

こういう楽しみ方ができるのって、私にとってはあとは『グイン・サーガ』とか『時の車輪』シリーズくらいか。

とはいえ、いま初めて読むこの13巻ですら、発表から10年たっている。さらに歳を重ねれば、30年なんて大したことではなくなるのかもしれない。

さて、今回気になったのは、船の名前。

アメリカには「ジョージ・ワシントン」とか「ロナルド・レーガン」とかいう空母があるのに、なぜ日本には「伊藤博文」とか「乃木希典」みたいな名前の船がないのか。

もちろん今はありえないにせよ、戦前にもなかったというのは不思議な話だ。

戦艦「織田信長」とか駆逐艦「義経」とかあってもおかしくないのに。

と思ってちょっと調べてみたら、案外すぐに答えらしきものが見つかった。チコちゃん風に言うと「明治天皇がいやがったから〜」ということのようだ(不敬?)。

沈没したら、その船に名前をつけられた人の子孫に悪影響を与えることになるかもしれないのを心配されたかららしい。

明治天皇、やさしいのね(不敬?)。



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