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おろし問屋と直取引(司馬遼太郎『アメリカ素描』)
カトリックの場合─いまはかならずしもそうではないが─神と人間のあいだに教会が介在していて、独占的なおろし問屋になっていた。(中略)
これに対し、
「神と個人が直取引する」
という飛躍から神教ははじまっている。(p.208)
あーこれ、すごくわかりやすい。
カトリックとプロテスタントの違いとして、門外漢にとってはまさに腑に落ちる説明だ。
関西人ならではの解釈だろうか。
本書は司馬さんが80年代にアメリカを取材旅行したときの紀行文だけど、大衆向けの社会学、人類学、民俗学のエッセイとして、今でも十分読み応えがある。
司馬さんの小説は土着的すぎるせいか、海外ではほとんど読まれていないようだが、『街道を行く』シリーズなどは、私にとってはジャレド・ダイアモンドとかユヴァル・ノア・ハラリと同じかそれ以上におもしろいんだけどな。