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【読書感想文】世界最古の天然芸人(ソポクレス『オイディプス王』)
前王を殺害し、国に混乱をもたらした犯人を、これでもかと追い詰めていくオイディプス王。
彼自信が犯人だということを読者(観客)はみんな知っていて、知らない人でもすぐネタが分かるくらいベタなのに、つっこむ人はおらず、王はひとりで天井なしにヒートアップ。
まるでコテコテの吉本新喜劇みたいだ。
「あんた、もうそのくらいにしときーやー」「後でたいへんなことになんねんでー」って誰か言ってやれよ、と思うけど、誰も言わない。
これほど自分の首を絞め続け、墓穴を掘り続ける人を私は知らない。そしてそのことにたぶん当人は気づいていない。ものすごい天然芸人だ。二千年に一人の逸材だ。
悲劇も極まれば喜劇となりうるのである。
A。