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中国語発音のカタカナ表記と日本語読みの混在について【中国語】イエ・チョウシェン(東山彰良『流』)
この小説の主人公の名前はイエ・チョウシェン(葉秋生)である。
「ようしゅうせい」の方がなじむし覚えやすいが、それはまあいい。最近は作家やアーティストもカタカナ表記されるのことが多いし、台湾が舞台の小説だから、日本の慣例に従う必要もない。
問題は、著名な人物、例えば毛沢東や蒋介石は、「マオ・ツォートン」や「チャン・カイシェック」ではなく、「もうたくとう」「しょうかいせき」と日本語の読みで記述されていることだ。
一人称の台湾人の語り手が、身の回りの人物は中国語発音のカタカナ表記で、著名人については日本語読みで呼んでいるのだ。一国二制度みたいだ。
もしこの小説で主人公と蒋経国(蒋介石の息子)や鄧小平が出会っていたとしたら、どうなっていただろう。
「蒋経国閣下、お目にかかれて光栄です」
「君がイエ・チョウシェンかね。お祖父様そっくりだ。いい目をしている」
なんてことになるのだろうか、台湾人同士で。
さらに、チョウシェンが三国時代にタイムスリップなんかしたら、どうなるのか。
「そ、そのヒゲは!か、関羽?ほ、本物?」
「よく来たな、イエ・チョウシェン。いかにも私が関羽雲長。君の助けが必要だ」
これが関羽雲長と、後に諸葛亮孔明と呼ばれることになる男との最初の出会いである。
なんてことになるのだろうか。
申し訳ない、異世界転生ものってあまり読んだことないので、雰囲気で適当に書いてみた。
でもこの小説、我ながらちょっと読んでみたい。