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ジミヘンはジミックス、クドカンはクドクロウ、コジルリはコジコ【中国語】旅順(斎藤充功『伊藤博文を撃った男: 革命義士安重根の原像』)

(旅順は)明国時代は獅子口と呼ばれ、一馬雲将軍が山東から渤海を渡って獅子口に上陸した。この時、航海が順調だったことを記念し「旅途平順」と唱え、それ以後、旅順と称するようになった。(p.55)

斎藤 充功『伊藤博文を撃った男: 革命義士安重根の原像』(1999)

旅順という地名の由来についての一文である。実にもっともらしい逸話だ。

たが「旅途平順」なら「旅順」ではなく「旅平」になるのではないか。

「木村拓哉」を「キムヤ」という人はいないし、「ブラックマヨネーズ」を「ブラネーズ」という人はいない。

中国ではそういう略し方をすることがあるのだろうか?と思って調べてみたら、「旅順」の由来は「途平安、調到達」だという記述がちらほら出てくる。

さらにちょっとネットで調べてみた限りでは、「一馬雲」(注1)なる人物も、「旅途平順」という言葉も出てこないのだ。

なんだか狐につままれたような話だ。深堀りするほどでもないのだけれど。


注1. 変わった名前だ。「馬雲」なら分かるが。「一」は姓だろうか。誤植か何かだろうか。ダッシュじゃないよね……

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