ガチョウが墓の上を歩く goose walked on my grave
ドラマにもなったダーク・ファンタジー超大作の第7巻より。
命の危険を犯して裏切り者を探すシーエインが、友人に秘密を打ち明けた後で、その親友が裏切り者だったかもしれない可能性に気づき、慄然とする場面です。
おもしろいたとえだと思って調べてみたら、作者オリジナルではなく、18世紀ごろからある表現のようです。
goose は goosebumps (鳥肌)からの連想で、もともとは「誰かが自分の墓の上を歩く」という言い回しだったそうです。
どこにあるとも知れない、まだ存在もしていない自分の墓の上を歩かれることを想像してぞっとする、という、時空を超えたSFチックな表現が、なんとも魅力的です。
ちなみにこの Seaine という名前、読み方がわからず調べてみると、ネイティブでも分からないようで、質問サイトでこの小説のオーディオブックを買った人に呼びかけて、なんて発音されているのかを教えてもらっている人がいました。このご時世に、なんとも涙ぐましい努力です。
そしてその回答者が
と教えてくれているのを読んで、私は上で「シーエイン」とカタカナ表記しました。こういうとき、インターネットってありがたいな、といまだに思います。
ハヤカワ文庫『時の車輪』シリーズ第7部『昇竜剣舞』第6巻『識女の秘密』で Seaine はなんと表記されているのか?気になりますが、この巻を読んだことのある人がこの文章を読む確率は、ガチョウが私の墓の上を歩く確率より低いでしょうねぇ…
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