【本の感想】平井鳥取県知事の『鳥取力』
ゴールデンウイークは、部屋の整理のために積読していた本を読もうと思っていたのですが、ふらふらと立ち寄ってしまった図書館の新刊書コーナーに置いてあった平井伸治鳥取県知事の著書『鳥取力』につい手が伸びてしまい、借りて一気読みしてしまいました。
鳥取県は、日本で最も小さな県である。中国地方の片田舎としか認識されず、企業誘致を提案しても苦笑いされた。しかし大震災と新型コロナ感染拡大により時代の空気と価値観が変わった。鳥取を魅力的な場所と思ってらえるようになった。新型コロナ感染症対策では、ドライブスルーのPCR検査を導入し独自の施策を展開。クラスター対策条例なども施行し感染者が一番少ない県となった。本書では、小さな県の大きな戦いを徹底紹介する。
(中公新書ラクレのHPより)
タイムリーな話題なので、鳥取県のコロナ感染症対策に触れた最初と最後の章は一番興味深いものでした。感染者への早期対応、ドライブスルー形式のPCR検査、役所間の縦割りを取り除く、観光を県民で回す、現場の声を拾うなど県のサイズを生かしたうえでの小回りの利いた対策には唸らされました。
そういえば知事も文中で触れていますが、去年の春先にニュースでも採り上げられた鳥取県庁の皆さんが段ボールを活用してパーテーションを作って業務に従事する「鳥取型オフィスシステム」は、今ではバージョンアップされていろいろな場所で使われるようになっています。魁・鳥取県。イソジンよりよっぽど効果的なことをされているではないか。
また、飲食店の経営に関しては、
入念に感染予防対策マニュアルを策定してもらい、県の補助金を活用するなどでお店の感染対策を施し、専門家がお店を訪問してチェックした上で、一軒一軒お墨付きを与える。いわば「モデルケース」をして認証されるものだ。
という「新型コロナ対策認証事業所」制度を設けたそうです。
罰則を与えるより、このようにモデルケースを作って見本にし、いい方向に導いていく方が健全ではないかと思いました。
他の章でも、平井知事の県政での様々な試みと県の動きのアクティブさについて読んでいたら元気が出てくる一冊でした。
もちろん、おなじみの平井知事のおやじギャグも文中に出てきますのでお楽しみに。
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