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なぜ人は惹かれ合うのか?『類似性の法則』が導く人間関係
◆ はじめに
皆さんは、「この人、私と同じ出身地だ」「趣味が同じだ」と感じた瞬間に、その人に興味を持った経験はありませんか?
実は、人は共通点を見つけると、対象への好感度がぐっと上がることがあるのです。このような心理現象は、心理学で「類似性の法則」と言われます。
今回は、この類似性の法則について紹介し、人間関係への影響についてもお話ししていきます。
◆ 類似性の法則とは
類似性の法則は、ことわざ「類は友を呼ぶ」が示すように、人は自分と似た価値観や特徴を持つ相手に自然と親近感を覚えるという心理学の法則です。
この法則は、価値観、行動、趣味、学歴、誕生日、血液型など、多岐にわたる要素に基づいて作用します。特に、共通点が多いほど、より強い絆や結びつきを感じるのが特徴です。
また、類似性の法則の対象は人だけでなく、アニメやゲームのキャラクターなどにも適用されます。
◆ 類似性の法則の実験
類似性の法則を実証した有名な研究の一つに、社会心理学者ニューカムによる実験があります。彼は、大学寮に入居した17名の学生を対象に、人間関係の形成を追跡調査しました。
実験結果
入寮1週間後: 物理的距離が近い人(部屋が近い人)を友人として選ぶ傾向が強かった。
入寮14週間後: 「部屋の距離」よりも「態度や価値観が似ている人」との友人関係が深まっていた。
この結果から、最初は外的な要因(距離の近さ)が人間関係に影響しますが、時間が経つにつれて内面的な類似性(価値観や考え方)がより重要になることが分かります。
似た価値観を持つ人と一緒にいることで、「自分の考え方が認められる」という安心感が生まれるため、関係が深まりやすいのです。
◆ 私自身の体験
私自身も、この類似性の法則の影響を強く受けるタイプだと感じています。
例えば、ゲームでキャラクターを選ぶとき、好きな色「紫」がイメージカラーだったり、誕生日が同じキャラに無条件で親近感を覚え、自然とそのキャラを使いたくなります。また、自分の名前に似ている人や、眼鏡をかけた人にも無意識に親しみを感じることがあります。
このように、共通点を見つけることで「自分と似ている」と感じ、安心感や仲間意識が生まれるのだと思います。
◆ 類似性の法則を人間関係に活かす
類似性の法則を意識することで、人間関係をより良くすることができます。
① 初対面の会話で活用する
初対面の人と会話をする際、共通点を探すことを意識すると、相手との距離を縮めることができます。
例えば、
「同じ趣味を持っている」
「同じ地元出身だ」
といった些細な共通点でも、心理的なつながりを強めるきっかけになります。そして、その共通点がお互いの共通の話題として、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。
② 職場やチームでの信頼関係づくり
職場やチーム内でも、メンバー同士の共通点を意識的に共有すると、信頼関係が築きやすくなります。
例えば、雑談の中で共通点を見つける習慣をつけるだけで、円滑なコミュニケーションにつながります。
③ 恋愛においての効果
恋愛においても、この法則は大いに役立ちます。共通点が多いほど自然と親しみを感じやすく、関係が深まりやすいからです。
例えば、趣味や価値観が似ている人に惹かれるのも、類似性の法則が作用していると考えられます。「似たもの同士が恋人になる」とよく言われるのも、この心理的な影響が関係しているのでしょう。
◆ まとめ
類似性の法則は、人間関係を築く上で重要な役割を果たします。共通点を見つけることで親近感が生まれ、信頼関係を深めることができるのです。
初対面の人との会話や日常のやりとりで、「相手との共通点を意識する」だけで、より良い関係を築くことができるかもしれません。ぜひ活用してみてください。
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