難病を経験して気付いたこと、心の変化
◆ はじめに
難病 SLE（全身性エリテマトーデス）を患ってから、私は多くのことを学び、昔の自分とは比べものにならないほど変わったと感じています。
病気になったことで落ち込んだり、将来への不安を感じたりすることもありました。しかし、価値観や生き方が大きく変わることは、決してネガティブなことばかりではありません。
この記事では、SLEを発症してからの私の心の変化についてお話しします。同じように病気や困難に直面している方が、この記事を読んで少しでも前を向くきっかけになれば嬉しいです。
◆ 心の変化
私が特に変わったと感じることは、次の3つです。
① 無理をしないことを学んだ
もともと私は「我慢してでもやり遂げなければならない」「自分一人で何とかしなければならない」という思考を持っていました。しかし、病気になってからは、無理をすると体調を崩し、再燃（病気の悪化）につながることも何度かありました。
そこで学んだのは、「無理をしないことは決して悪いことではない」ということ。むしろ、自分の限界を知り、適度に休むことのほうが大切だと気付きました。
また、「病気を理由に逃げてもいい」と思うようになりました。世の中では「逃げるのは弱いこと」と言われることが多いですが、私は病気を理由に逃げることがあってもいいと考えています。ただ、そこで大切なのは、「逃げ続けないこと」。一度立ち止まっても、また前を向いて挑戦できれば、それは決して悪いことではないと考えています。
そして、一人で抱え込まずに誰かに頼ることも重要だと学びました。以前は「人に迷惑をかけたくない」と悩みを打ち明けるのが苦手でしたが、一人で抱え込んで体調を悪化させることの方が、結果的に周囲へ迷惑をかけることにつながると気付いたのです。それ以来、信頼できる人に頼ることを意識しています。
② 「普通」であることの幸せに気付いた
病気になって初めて、「普通に生きること」がどれほど尊いものかを痛感しました。これは私と同じように感じる方も多いかもしれません。健康な頃は当たり前だったことが、病気を経験すると決して当たり前ではないと分かります。
例えば、
朝起きて普通に学校や仕事に行く
友人と気軽に出かける
美味しいご飯を食べる
何の不安もなく眠る
こうした日常の何気ない出来事が、実はとても幸せなことだったのだと気付いたのです。
SLEは体調が変化しやすく、調子の良い日もあれば、動けないほどの倦怠感で一日中しんどい日もあります。だからこそ、体調の良い日は「今日は普通に過ごせた」と感謝できるようになりました。
以前は、「もっと成果を出さなきゃ」「もっと成功しなきゃ」と常に上を目指していました。しかし今では、「普通に過ごせることがどれだけありがたいことか」を実感しながら生きています。
③ 挑戦し、行動するようになった
病気を経験したことで、「いつ何が起こるか分からない」という意識が強くなりました。健康な人でも未来は分かりませんが、病気を持っていると、より一層「今を大切にしよう」と思うようになります。
「やりたいことがあれば、今やろう」
「後回しにせず、挑戦しよう」
この考え方が身につき、以前よりも行動力が増しました。例えば、私は病気が原因で仕事を辞めざるを得なかったことがあります。しかし、それをきっかけに新たな職場を探し、自分に合った環境で働くことができています。また、自分の経験を発信し、同じように病気で悩む人へ情報を届ける活動も始めました。
もちろん、挑戦することは簡単ではありません。不安や迷いもあります。でも、「病気だからこそ、後悔しない生き方をしよう」と決めたことで、一歩踏み出せるようになりました。
◆ まとめ
難病SLEを発症してから、私の心は大きく変わりました。
無理をしないことを学んだ：無理せず休むことは悪いことではない。逃げてもいいが、また挑戦することが大切。
普通であることの幸せを実感した：何気ない日常は決して当たり前ではなく、感謝すべきもの。
挑戦し、行動するようになった：未来は分からないからこそ、やりたいことを後回しにせず、今挑戦する。
病気になると、どうしてもネガティブな気持ちになることがあります。私も最初はそうでした。しかし、病気を通じて得られた気付きや成長もあります。
もし今、病気や困難に直面している方がいたら、無理をしすぎず、自分のペースで歩んでほしいです。そして、「普通に生きることの幸せ」や「今を大切にすること」を忘れずに、前向きに生きていけるよう願っています。
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