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物事を"良い"か"悪い"で極端に判断してしまう「スプリッティング」という心理現象

はじめに


感情がジェットコースターのように揺れ動く人を見たことはありませんか?それ、もしかしたら「スプリッティング」という心理現象が関係しているかもしれません。

最近、この言葉を知り、私自身も身近なエピソードと結びつけて考えることができました。

今回は、「スプリッティング」という言葉を皆さんに共有し、その理解が私たちの日々にどのように役立つかを考えてみます。


スプリッティングって何?


スプリッティング(splitting)とは、心理学や精神医学で使われる専門用語で、物事や人を「全く良いもの」または「完全に悪いもの」のどちらかで極端に捉えてしまう心理的な防衛機制を指します。
 
例えば、誰かに対して「この人は本当に素晴らしい!」と思っていたのに、少しの不満が生じると「なんてひどい人なんだ!」と急に評価が反転してしまうことがあります。

このように、中間的な評価ができず、物事や人を白か黒かでしか判断できないのがスプリッティングの特徴です。

応援から批判へ?反転アンチの心理


ネット上ではこれに似た現象として「反転アンチ」という言葉もよく使われます。これは、最初は誰かや何かを大好きで応援していた人が、ちょっとした不満や期待外れをきっかけに、その熱狂が180度反転して嫌悪や批判に変わることを指します。

私の友人にも「反転アンチ」のような経験をした人がいます。彼はあるゲームシリーズの大ファンで、新作が出るたびに必ず購入し、発売イベントにも足を運ぶほど熱心でした。

しかし、ある作品で期待していたストーリー展開と違う部分があったことから、「こんなの○○シリーズじゃない!」と失望し、一気にそのシリーズへの興味を失ってしまったのです。それだけでなく、その後は批判的なコメントをSNSに投稿するようにもなりました。

彼自身は「こんなにも応援していたのに裏切られた」と感じていたようですが、傍から見ると、その作品はむしろ好評な部分も多く、彼の反応はやや極端にも思えました。

このエピソードを通じて感じたのは、彼がそのシリーズに大きな期待を抱いていたからこそ、その裏切りを極端に感じてしまったのだということです。過剰な期待は、スプリッティングの引き金になりやすいのかもしれません。

なぜ感情は揺れ動くのか?スプリッティングを生む背景


このような心理状態が生まれる背景には、不安やストレス、あるいは相手に対して過剰な期待を抱いてしまうことが関係しています。特に幼少期に「良いもの」と「悪いもの」を統合的に捉える経験が十分でないと、スプリッティングが現れやすくなると言われています。

少し立ち止まって物事や人の「良い面」と「悪い面」を両方考える習慣をつけることで、感情に振り回されることが減り、より穏やかに日々を過ごせるかもしれません。

まとめ 


スプリッティングは、私たちの感情や思考に大きな影響を与える防衛機制です。それを知ることで、自分自身や周りの人々を理解するための大きなヒントになります。

特に、感情に振り回されやすいと感じている人にとっては、物事を多面的に見る習慣を意識することが役立つでしょう。たとえば、感情が揺れたときに「相手のどんな良い部分があっただろう?」と問いかけるだけでも、気持ちのコントロールがしやすくなるはずです。

心が揺れること自体は自然なことですが、その揺れをコントロールするための知識を持つことで、より前向きで安定した日々を送るきっかけになるかもしれません。

私たちの感情の動きを理解するために、こうした心理学の視点を知るのはとても有意義です。スプリッティングのような感情について考えることで、自分自身や他者への見方が少し柔らかくなるきっかけになればと思います。

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サーシー
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