【入社3か月で感じたこと】ドキュメンテーション編
皆さま、ごきげんよう。
コンサル界のドブネズミことささもです。
今回はコンサル業務の多くを占めるドキュメンテーションをテーマに扱ってみようと思います。
コンサルに入社するとほぼ毎日何かしらのドキュメントを作成することになります。弊僕も例にもれず作成しています。
そのため、ドキュメンテーションスキルはコンサルの基礎スキルと呼んでも差し支えないです。
一方で、ドキュメンテーションは新卒一年目からMup以上まで共通の業務でもあるため、応用スキルであるともいえます。
今回は入社間もない方やこれからコンサル業界に入りたい方向けに、ドキュメンテーションの骨格をとらまえて頂ける内容を書き記していきたいと思います。
それでは、コンテンツに入っていきましょう。
なぜコンサルにとって重要なのか
そもそもドキュメンテーションはなぜコンサルにとって重要なのでしょうか?
弊僕としては2つ理由があると考えています。
1つ目は、「クライアントへの最終成果物がドキュメントになる」からです。
コンサル業界のプロジェクトでは論点整理、ファシリテーションや知見の提供など様々な形でバリューを出さなければなりませんが、ドキュメントが最終成果物となることが少なくないです。
言い換えると、コンサルにとってのドキュメントは商品だということです。
そのため、大事な商品に欠陥があると信用を失いかねませんので、ドキュメンテーションに対して強い意識を持つことに繋がっているといえます。
2つ目は、「コミュニケーションが円滑になる」からです。
成果物以外にもドキュメントが必要な場合は存在します。
それは口述で伝達するには理解が難しい内容を、ドキュメントを用いて補助する場合です。
視覚情報が加わるので、コミュニケーションが円滑になることは想像に難くないですが、そのクオリティ如何によっては伝達力が激減してしまいます。
どれだけ優れたアイデアであっても、ドキュメンテーションが駄目なら言いたいことが1/3も伝わらないのです。マイハート。
弊僕もMup以上にレビューを依頼した際に、「俺が馬鹿だから教えてほしいんだけど~」という枕詞から始まる「お前何言ってんの?」感に絶望した回数は両手じゃ足りません。
必要な4つのスキルセット
さて、ドキュメントと一口でいっても議事録もあれば、スライドもあるしと様々な形式があります。
しかし、ドキュメンテーションには共通のスキルセットが4つ存在します。
1. ストラクチャー
2. センテンス
3. スキーマ
4. スタイル
それぞれ簡単にみていきます。
1. ストラクチャー
「構造化」はすべての骨格になるスキルになります。
構造化されていない=情報の関係性が整理されていないので、かなり読みにくいドキュメントになります。
どんなコンテンツもなんらかの構造で整理されているため、多くの人は構造化されていない文章に慣れていません。
構造化されていないコンテンツ例として、思いのまま書き綴った日記だと考えると読みにくさをイメージしてもらえるのではないかと思います。
スキルの磨き方としては、情報の関係性を整理する訓練が有効だと思います。身近なものでは議事録は良い訓練になると思いますので末端仕事と言わず精を出しましょう。
読んでない方はこちらも是非。
2. センテンス
「文章力」を指すスキルですが、とどのつまり伝わりやすい表現・文量で文章を作成するということです。
言葉のひげという表現がありますが、無駄な要素を多分に含む文章は冗長で読みにくいです。
また、言葉が整っていない場合は、思考も整っていない場合が多いです。
なので、散らかっている文章をアウトプットすると「こいつ頭の中も散らかってそう」と思われる傾向があるのでコンサルとしては致命的です。
スキルの磨き方としては、言葉のひげを意識的に剃ることを繰り返すのが有効だと思います。
加えて読書も有効だと思います。シャープな文章に日常的に触れることで自身の書く文章に違和感を持つようになります。
3. スキーマ
いわゆるグラフやチャートなども含めた図解スキルになります。
伝えたいメッセージを補助する役割を持っているので、上手く機能していないと「あまり内容が入ってこないんだけど」という指摘が入ります。
ただしあくまでも補助的な役割であるため、メッセージの重要性には劣後すると頭に入れておきましょう。
スキルの磨き方としては、基本的な用途ごとの表現方法は抑えつつ、他の人が作成した良さげなビジュアルをストックするのが有効だと思います。
4. スタイル
最後は形式です。フォントやカラーなどいわゆるあしらいと言われるスキルです。
「枝葉なので気にしなくていい」と言いたいところなのですが、ドキュメントは商品になり得るので枝葉が駄目であれば、これまでの成果も台無しになってしまいます。
弊僕がアサインされたプロジェクトのマネージャーも細部に神を宿らせるタイプだったので「なんでそのカラーなの?」、「なんでそのサイズなの?」と詰められた経験があります。
コンサル業界には賢い人が多いことは間違いないです。
ただ、足りない要素を無理筋で推測することはせず、ハチワレ並みに無邪気に「なんでェ?」と問うてくる人が多い印象です。
スキルの磨き方としては、レギュレーションを抑えておくことが有効だと思います。形式なので当然決まったルールがあります。
知っているか、知らないかの話なので、書籍などから一通り押さえておくのが良いと思います。
Appendix. まず最初に取り組むなら
最初に取り組むとしたら、「センテンス」を強く推奨したいです。
なぜなら文章力が向上することでドキュメンテーション以外にも良い影響があるからです。
そもそも文章が冗長な人間は、話も冗長です。シャープな文章を書く人でも話が冗長な人はいますが、その逆は見たことがありません。
それは会話のほうがより素早いアウトプットが求められるからだと思います。
そのため「文章をシャープにする」延長線上に「話をシャープする」があるので、文章力を上げることで会話にも活きることになります。
一足飛びに全てのスキルを改善することは難しいので、まずは文章をシャープにすることから始めてみるのはいかがでしょうか。
最後にドキュメント作成におすすめ本を紹介します。
吉澤 準特さん著の『外資系コンサルのビジネス文書作成術―ロジカルシンキングと文章術によるWord文書の作り方』です。ドキュメント作成関連の本で最もわかりやすい本だと思います。入社後はまず本書を読んでからレビュー依頼をするのが良いのではないでしょうか。
同じく吉澤 準特さん著の『外資系コンサルが実践する 図解作成の基本』です。スキーマ、スタイルを掘り下げている本になります。入社研修で薦められたので有名な基礎本だと思います。
山口 周さん著の『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』です。ドキュメンテーションの中でもスライドに特化した本ですがこちらも有名な基礎本になります。
ということで、今回はこんな感じで終わろうと思います。
ありがとうございました。
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