「義務感をエンジンに、自己実現をハンドルに――ヒット&アウェイで働き方を再発見」
記事の概要
義務感だけで働いていると、心身の疲弊から自分らしさを見失いがちです。本記事では、そんな状態を乗り越えた私の体験をもとに、「ヒット&アウェイ」というアプローチを使った働き方改革の具体的なステップを共有します。働き方に悩むすべての人へ、自分らしいキャリアを見つけるヒントをお届けします。
はじめに
「毎日がなんとなく忙しいだけで、充実感が足りないと感じることはありませんか?」
仕事をしていると、「やらなければならない」という義務感は私たちを動かすエンジンのようなものです。しかし、エンジンだけでは進めません。その方向性を決めるハンドル――それが「自己実現欲求」です。
私もかつて、義務感だけで動き続ける働き方をしていました。心身が疲弊し、働き方を根本から見直す必要に迫られたのです。その過程でたどり着いたのが、「ヒット&アウェイ」というアプローチで自分自身と向き合う方法でした。
この記事では、義務感と自己実現を両立させ、自分らしい働き方を見つけるための具体的なステップをお伝えします。この方法が、あなた自身の働き方を変え、理想の未来を描く第一歩となれば幸いです。
義務感で動いていた頃のリアルな話
当時の私は、上司や同僚の期待に応えようと、「もっと頑張らなければ」「失敗は許されない」という義務感に突き動かされていました。しかし、その結果:
体調不良: 頭痛や肩こりが続き、夜も眠れず、慢性的な疲労感が蓄積していきました。
心理的負担: 納得していないタスクをこなすたびに、「自分は何のために働いているのだろう」と感じ、自分らしさが失われていく感覚に苛まれました。
パフォーマンスの低下: 集中力が低下し、ミスが増えるという悪循環に陥りました。人の名前が思い出せない、直近の出来事が思い出せない、といった認知的な問題も出たり。
例えば、急ぎのメール対応や上司からの突然のタスク追加に追われるうちに、気づけば自分が本来進めたかった仕事が後回しになっている――そんな状況に心当たりはありませんか?
この状況が続き、私は適応障害を経験しました。それが、働き方を見直す大きなきっかけとなったのです。
気づきと変化のきっかけ
「〇〇したくない」から始まる自己発見
適応障害からの復帰過程で、私は「〇〇したくない」という感情が、自分の価値観を明らかにするための重要な手がかりであることに気づきました。
無駄な会議に出たくない → 本当に重要なタスクに集中したい
理不尽な要求に応じたくない → 納得感を持って行動したい
単調な業務に時間を費やしたくない → 創造的なタスクに挑戦したい
「したくない感情」を深掘りする際には、『なぜそれを避けたいのか』を5回問い直すことで、本当の原因や欲求を見つける助けになります。
例えば、「会議に参加したくない」と感じた場合、以下のように問いを繰り返します:
なぜ参加したくないのか? → 内容が曖昧で無駄に感じる。
なぜ無駄だと思うのか? → 議論がまとまらず、成果が出ないから。
なぜ成果が出ないのか? → 議題が明確でないから。
なぜ議題が明確でないのか? → 事前準備が不足しているから。
では、どうすれば良いのか? → 会議前に目的とアジェンダを整理して提案する。
このように、「したくない感情」を掘り下げることで、自分の価値観や行動指針が明確になります。
ヒット&アウェイの実践
「ヒット&アウェイ」は、仕事や人間関係において一歩近づき意見を伝えた後、一旦距離を取って冷静に状況を観察するアプローチです。
具体例:
ヒット(近づく): 上司に「この方向性には懸念があります。ただ、こう改善すれば効果的だと思います」と提案。
アウェイ(離れる): 提案後、一旦引いて相手の反応を観察し、次のアクションを考える。
観察時のポイントとして、相手の表情や言葉のトーン、その場の雰囲気に注目することが重要です。例えば、上司の表情が緊張している場合、「どの点が気になりますか?」と追加で問いかけることで、建設的な議論が進むことがあります。このプロセスにより、上司との信頼関係が深まり、自分の意見が業務の方向性に反映されるケースが増えました。
読者へのアクションプラン: 明日から実践できる3つのステップ
1. 自分を騙している感覚に気づく
身体が発するサインをトリガーに、自分の感情に目を向ける習慣をつけましょう。
実践方法:
疲労感や頭痛、肩こりを感じたとき、「その違和感の原因は何だろう?」と問いかけます。
「その違和感がどこから来ているのか」を掘り下げ、自分の本音に気づきます。
2. ヒット&アウェイを実践する
一歩近づいて意見を伝え、一旦引いて冷静に状況を分析します。
実践方法:
ヒット: 「私はこう考えます」と具体的な提案をする。
アウェイ: 提案後、相手の反応を観察し、どのポイントに関心を持ったかを分析する。この反復で自己主張の質を高めます。
3. 「〇〇したくない」を掘り下げる
「したくない」を出発点に、自分が本当に求めているものを見つけましょう。
実践方法:
紙に「〇〇したくないこと」を10個書き出し、それぞれの理由を丁寧に言葉にしてみます。
そこから、「では自分が本当にやりたいことは何だろう?」と具体的に考えます。
おわりに
義務感はエンジン、自己実現はハンドル。この二つをバランスよく活用することで、働き方は理想の方向に進み始めます。新しいハンドルをしっかり握れば、これまで想像もしなかったような充実感を得られる働き方に変わっていくでしょう。
あなたの働き方を変えるハンドルを握り、理想の未来へと一歩を踏み出す準備はできていますか?