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夜明けの道を歩む少年

2002年の春、当時小学校3年生だった私は、学校へ行く前にテレビでとあるCMを見た。

ツンツン頭の少年とディズニーキャラクターのドナルドとグーフィーが一緒に、リトルマーメイドやアラジンなどのディズニー作品のワールドを冒険しているCM。

それは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)とディズニーの共同制作ゲーム『キングダムハーツ』のCMだった。

「なにこれ?!ドナルドとグーフィーと一緒に冒険できるの?すごい!おもしろそう!!!」

そう強く思ったのを今でもよく覚えている。

一目CMを見た瞬間に心を奪われた私は、親に「とにかくほしい!買ってくれ!」と懇願。
親は私の熱意に圧倒され、何店舗か周って買ってきてくれた。


物語は、主人公のソラ、親友のリク、カイリが外の世界に旅立つことを夢見ていた矢先、突然彼らが住む島が闇に包まれてしまうところから始まる。
そして、世界に光を取り戻すため、闇に立ち向かっていくというストーリーだ。

ここで少し私の話になってしまうのだが、当時私はあまり学校生活がうまくいっておらず、毎日生きるのがつらいと思っていた。

自分なりに学校生活が上手くいくように頑張っていたけど、空回り。友人を失ったり、信じていた先生から罵声を浴びて自信をなくしたり。


でも、家に帰ってきてキングダムハーツをプレイしている時間は楽しかった。
大好きなディズニーのワールドを冒険し、世界に光を取り戻すために闇に立ち向かっていくストーリーを自分と重ねていた部分もあると思う。


特に、主人公ソラの親友であるリクに、私は生きる勇気をもらっていた。

リクは、心の闇につけこまれて敵に利用され、体を乗っ取られてしまう。
ソラに助けられて体を取り戻したあとも、一度心の闇につけこまれたことから、自分の心の闇と向き合い、もがき苦しむ。

けれども、旅の中でリクは、心の闇を捨てるのではなく、闇も自分の力にすることを選ぶ。

そして、リクは自分の心の闇も力にすることで「光と闇」両方を力にする「夜明けの道」を歩き、友を守る力を身につけていった。

私は、その姿にすごく励まされ救われた。
心の闇、自分の弱さも受け入れることで力になるんだと。

2002年から現在も続くシリーズの中で、リクは大きく成長を遂げていき、私も彼みたいに強くなりたいと思った。


先日、シリーズ最新作『キングダムハーツ メロディーオブメモリー』が発売された。
歴代のキングダムハーツシリーズの音楽に合わせて、これまでのストーリーを振り返るリズムゲームだ。

本作を通じて、これまでのストーリーはもちろん、私を救ってきてくれたリクの成長過程も振り返ることができて楽しかった。

キングダムハーツシリーズは、まだまだ続く。
私の人生もまだまだ続く。

シリーズの行く先と、リクのこれからの活躍が楽しみだ。

次作が発売されるまで、私もリクに負けないように強く生きたい。


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