夫の人事評価が高かったのに全然喜べなかった話
夫が人事評価を見せてきた
先日、夫がホクホクした顔で人事評価を見せてきました。
内容を見ると、業績の評価に加え
・部下の面倒見が良い
・部下のキャリアを親身になって考える
・部下のワークライフバランスを重視した働き方を推進している
・部下の休暇取得率も良い
などの褒め言葉が並んでいました。詳しくは不明ですが、おそらくかなり良い部類の評価だったのだと思います。
もしみなさんだったらどう感じますか?
嬉しく思う方が多いのではないでしょうか。
しかし私は全く正反対でした。
真顔でようやく絞り出した言葉は
「会社での評価が高くて良かったね、おめでとう。しかし、あなたの人生は会社だけで構成されているのでしょうか」
でした。
(夫はなぜそういう反応だったのかピンと来ていない様子)
なぜ私がそう思ったか、掘り下げて考えてみました。
全然素直に喜べない
私が素直に喜べなかった理由、それは
「私や夫自身にもしていないことを部下にはしているから」です。
私の話をよく聞いてほしいし、キャリアの相談にだって乗って欲しいが、実際は皆無。部下は早く帰宅させているかもしれないが、夫自身は長時間労働で有給もほぼ取らないため溜まる一方。
部下たちが働きやすいように、何をしたら良いかわかっている。
なので職場ではきめ細やかに実行し、高い評価を得ている。
きっと良い上司なのでしょう。
一方で、私生活はどうでしょうか。
自分が家庭のほうを向かず長時間労働をしている結果、妻(私)に大きな負荷がかかっており、育児家事によりキャリアに大きな不安を抱えていることが見えていますか?
家族会議をしたいと何度言っても、疲れているから週末はそんなこと考えたくないと言われ(じゃあ平日ならいいのか)、孤独を強める妻の気持ちは想像できますか?
あなたが部下に見せる優しさ、配慮。それは家庭でも必要なものです。
そんな思いで胸がいっぱいになってしまったのでした。
仕事ではできるのに家ではしないのはなぜだ
なぜ仕事ではできるのに家ではしないのでしょう。
私の想像は下記。
①妻が眼中に入っていない(灯台下暗し的な感じで)
②ケアが必要なものと認識されていない(ほっておいても大丈夫枠)
③会社での評価に結びつかない(一銭にもならない)
ホクホクしながら人事評価を私に見せてきたことから「一緒に喜びたい」という思いが感じられますので①眼中に入っていない、というわけではなさそう。②③の可能性が高いです。
②について。
私の妊婦~母親生活は夫の長時間労働による不在をしょうがないものとして受け入れてきました。
SOSを出しても「仕事があるから無理、帰れない」と何度も言われるうちに
自分で何とかするしかないと諦め、歯を食いしばってひとりで頑張る癖がついてしまいました。
次男妊娠中、悪阻で吐きながら長男のお迎えに行ったことがあるし、赤ちゃん返り長男をおんぶ、首も座らぬ次男を抱っこで保育園まで炎天下の中歩いて行ったこともあります。
それを繰り返すうちに、夫の中で「特にケアしなくても自分で何とかするな」思われてしまったのではと。
③について。
良いとされる行動を取れば、会社だと評価に結びつきますよね。
社内の評判もあがりますし、昇給にも繋がるかもしれません。
でも家庭でそれをしても、妻から感謝されるだけで一銭にもなりません。
これは個人の価値観の問題で、評価やお金は関係なく当たり前のこととして家庭にコミットする方もいるでしょうし、家族に貢献することで精神的な充足感を得る方もいるでしょう。素晴らしい。
しかし夫は会社人間が極まっているので、彼の思考を想像するに
家庭において「良いこと」をするための動機が全くありませんでした。
動機有無に関わらず家事育児タスクは発生するので、妻の立場からするととにかくやれ!のひと言に尽きるのですが。
②③の融合により、
家庭で「良いこと」をする動機もないし、しなくても妻は何とかやっているように見える、だから何もやらない!でも会社では評価されるからやるぞ。
という現状が生まれたのかなと思っています。
夫の高評価を喜べる妻でありたいからこそやること
今回、夫の高評価を全然喜べなかったことは自分でもショックでした。
普段夫がどれくらい真剣に仕事に打ち込んでいるのか、時間を捧げているかわかっているので、一緒に喜んであげたかった。
そうなるためにはどうするか。
③を解決するのは難しい。
夫の価値観は変えることができないからです。
余談ですが、会社の評価基準に部下だけでなく「上司本人も」ワークライフバランスをうまくとっているか、という観点を加えないと根本的な解決にはならないと思います。(夫の会社の場合)部下が早く帰る分夫が残業しているだけなので、会社全体で見たら業務がなくなっているわけでも残業時間が減っているわけでもないのです。「上司本人も」ちゃんと早く帰っているか、という視点を加えることができれば、強制的により一層の効率化を図れるのではないかと考えています。
残るは②です。「ほっておいても大丈夫枠」から自分を解放することはできそうです。「自分が我慢すれば、自分がなんとかすれば」と思ってしまうことをやめる。夫にどんどん相談するし、弱音を吐いてみる。頑張らない。家事育児をぶん投げる。
私、ついつい一人で頑張ってしまうタイプなもので
弱音を吐いたり頼ったりすることが非常に苦手です。
以前も似たようなことを書いていまして↓
段々夫に意見を言ったり依頼をしたりができるようにはなってきたのですが、まだまだ足りないみたいです。
気を抜くとすぐ自己完結してしまいそうになるので、
もっともっと都合の良くない女にならねば。
少しずつ無理やりにでも、夫が家庭に目を向ける時間が増えれば、
きっと次に夫が高評価を見せてきた時、一緒に祝杯をあげようという気になるってもんです。
次の評価はいつなのかな。