石と薔薇の衝撃と後悔
私の高校時代にはインターネットもなく、音楽雑誌も文字数が多いので読む気にもなれず、HMVやタワーレコードの店頭に置かれた店員さんの手書きのポップが貴重な音楽情報源だった。その中でThe Stone Rosesのセカンドアルバムのsecond comingというアルバムが推されていた。
アルバムの内容自体は、ダンスフルな楽曲に線の細いイアンブラウンのボーカルに魅了され、個人的にはロックとオシャレの融合というイメージで、すぐにファーストアルバムを買いに行った思い出がある。
ファーストアルバムのジャクソンポロック風味のジャケットでアルバムの内容もやはりロックとオシャレが融合していてすごく良い感じであった。
The Stone Roses自体は1990年代前後にイギリスのマンチェスターでカリスマ的な人気を保っていたが、2枚のアルバムだけで解散したバンドである。あのオアシスも崇拝していたと言われている。
ただ、2011年に再結成し、2012年にフジロックフェスティバルに出演した。毎年、雨が降るで有名なフジロックには行けず、悔しい思いをしていたが、翌年幕張メッセの深夜のSONICMANIAに出演し、念願の彼らのライブをみられることになった。自分のオシャレロックの原点がみられる。
ノードラックの高校時代の思い出だけで高なる鼓動に開かれる瞳孔。
そして、いよいよライブが始まる。
1曲目、イアンマクレガーの声が細すぎる。音も微妙にズレる。1曲目だからだろうと自分に言い聞かせる。
そして、2曲目、3曲目と同様に変わらない。
別の意味で高なる鼓動、閉じられる瞳孔。
後々、知ったのだが、イアンマクレガーは歌が下手で有名だった。
思い出だけでライブに行かなくていいアーティストもいるということを学んだ瞬間だった。