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思いつくまま、気の向くまま
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2021年5月の記事一覧

今を盛りと咲く花を

今を盛りと咲く花を

厭って星を見るひねくれを

優しさだと君がうたう

月が食われてまた目を覚ます

まるいしろい顔が、ぱっくりとくわれてから、姿を出す

女のよう!

女の美しい横顔のよう!

ごらん、あれは純血の乙女!サロメが愛した銀の月!

くふくふと笑いたいような気持ちになる――

ドクダミの花が爛!と白くさいて、強く匂う

あの潔癖の赤紫の葉!

今は5月、5月の終わり!

蛍の飛び交

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寂しい朝に

寂しい朝に

寂しい朝に

僕らは魂を見失う

魂を見失うけれど

目を覚ませば同じ朝に迎え入れられる

恐れることもない

さあ、今日がやってくる、君のいない今日が

たびだち

たびだち

そらのこえをきいて

きみのなまえにみみをかたむける

ひとりきりのきみ

ひとりきりでまっているきみ

あかくてとうめいなおびれ

やさしいささやき

きみのこえをきく

きみにあいたいとおもう

愛おしさは夜の憧憬

風とともに目を覚まし

僕らはついに旅立つ

nightmare

nightmare

悪夢から醒めた夜に

オルゴールを聞く

空の水槽で

貝だけが繁殖している

気が参っている

ひどく。

明日目覚めないで住むようにと祈る

午後23時の憂鬱