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聴き手の姿勢

すごいなGIGAスクール!
小5の息子の授業参観がありました。
イマドキの公立小学校の教育って凄いですね。

何が凄いって、様々な授業でパソコンを使いこなしているのです。
その日見学した授業は、国語、英語、体育の3科目でしたが、国語や英語はもちろん、まさかの体育でもノートPCを使っていました。
走り幅跳びで自分の跳躍を動画で撮ってもらい、どこが良かったか、改善点は何かというフィードバックを先生からもらっているのです。

自分の動作を客観視し、上手な動作と比較して足りないところを自己認識する。
これはとても効果のある教育方法と感じます。
僕が小学生だった40年前と違うのはもちろんですが、長女(9年前)、次女(7年前)の頃と比べても大きく様変わりしています。
すごいなGIGAスクール!

英語の授業では、一人一人が自分以外の誰か、友達や家族、ペットなどについて紹介する、という内容をスライドを作ってプレゼンテーションしていました。
この英語プレゼン、めちゃめちゃ難易度が高いんです。

外国人の先生がまず見本として、悪い例と良い例を実演してくれます。
悪い例は、姿勢が悪く視線もパソコンに釘付け、声も小さく速く何を言っているか聞き取れない。

一方良い例はその逆で、胸を張って姿勢良く、視線は聴衆に、大きく聞き取りやすい声でのプレゼンです。
その良い例を踏まえて先生は、生徒への要求として以下の4つを求めます。
「アイコンタクト」「ビッグ&クリアボイス」「スマイル」「ジェスチャー」

完全に「アメリカン」です(笑)。
大人がやれって言われても、日本生まれ日本育ちには厳しいですよね。。

ちなみにこのプレゼンも一人ひとり録画し、次回の授業の際に振り返りを行うとのこと。
すごいなGIGAスクール!!!

聴き手の姿勢
さて、プレゼンの開始にあたり、先生が「ボランティーアー」と子供たちに呼びかけます。
#なるほど、ボランティアという言葉には「志願者」という意味があるのですね。

・・・・・・
手が挙がりません(笑)。
そりゃそうなるわ。日本人ですもの。

すると、先生のPCで「抽選」が始まりました。
みんなドキドキだろうな~、と思って見ていると、当選番号は「12番」。
みんなの視線と歓声が当選者である「我が息子」に注がれるではないですか!

当の我が息子、人前で話をしたり、目立ったりすることがとっても苦手です。
両親ともにそういう性格、性質で、遺伝してしまったのですね。
本当に申し訳なく思います。

当選した息子は、恥ずかしそうにしながら黒板前の「プレゼンテーションスペース」に移動します。
先生の「スリー、トゥー、ワン、アクション!」という掛け声をきっかけに、息子のプレゼンが始まります。
親の方がドキドキしながら見ていましたが、、、

さすが我が息子、「アイコンタクト」「ビッグ&クリアボイス」「ジェスチャー」は当然のようにありません(笑)。

しかし、「スマイル」は達成できたのです。
なぜか?
息子がプレゼンで紹介する対象は、同じ野球チームに所属する同じクラスの友達ですが、彼の写真をふんだんに使ったスライドに、聴衆の生徒が爆笑してくれるのです。
面白いことを言わなくても、見ている側が笑ってくれて、それによって息子から「スマイル」が生まれます。

無事に1分くらいのプレゼンを終えた息子に対し、保護者を含むオーディエンスから大きな拍手が沸き起こります。
ファーストペンギンの特権ですね。

その拍手の中、息子は恥ずかしそうに、でも行くときよりは少し誇らしげな表情で席に戻っていきました。

その後に続く他の生徒たちのプレゼンはみんな、「アイコンタクト」「ビッグ&クリアボイス」「スマイル」「ジェスチャー」の4項目を見事に達成していて本当に素晴らしいものでした。
こういった訓練を受けた彼らが大人になる頃には、日本もアメリカンになっているかも知れないと感じました。

この授業を通じて、プレゼン以上に素晴らしいと思ったのが、子供たちの「聴く姿勢」です。
息子のプレゼンに対して笑ってくれたように、聴く側が「話しやすい空気」を作ってくれているのです。
その空気とは、応援するような視線、柔らかい表情、ちょっとした歓声や笑い、前のめりの身体、そういったものから生まれています。

その空気の中なので、みんな安心して堂々と話ができるのだなと感じました。


その気持ちがより強くなったのが同じ日の午後。
この日の午後は次女の高校の保護者会でした。
学年ごとに体育館に集められて、生徒の普段の様子や受験に向けた留意事項、今後のスケジュールなどが先生方から語られるのですが、、、場の空気が堅いのです。

校長先生が話しているときに200人以上いる保護者の様子をチラッと見てみたところ、、、
眠そうにしている人、スマホを操作している人、真剣な表情の人、、、
様々ですが、その場には「緊張感」が漂っています。

大人だから仕方がないのかな、と思っていましたが、その後に行われた校長先生と保護者の少人数対話会においては、校長先生の話に対し笑顔や頷きを持って皆さん聴いてます。
校長先生も対話会の方が明らかに饒舌でした(笑)。

そんな校長先生の様子を見て、「アイコンタクト」「ビッグ&クリアボイス」「スマイル」「ジェスチャー」の実現には、どんなに人前で話すことに慣れた人でも「場の空気」が大事だなと感じました。

これから「聴き手」として意識すること
この一日の経験を踏まえ、会議や意見交換会、説明会などにおいて、特に聴く側にいる場合には、意識して少しでも話し手がリラックスして話せる「場の空気」を作れる存在でありたいと思いました。
リモートの会議ではどうしても「場の空気」を感じられづらいですが、カメラONやチャットでの会話などで、「話しやすい空気」を作り出すこともできると思います。

いわゆる「心理的安全性」が高い状態ということになるのだと思いますが、話し手が自分の考えていることを気兼ねなく話ができるような空気を作ることに貢献できるよう、これから心がけていきたいと思います。

そして逆に自分が話し手のときには、息子と同じく苦手な4項目を、、、一つずつクリアしていきたいです。

※イラストはChatGPTに描いてもらいました

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