『UNIQLO』だから言いたい
近所の駅ビルにUNIQLOが入っている。週末家族で散歩がてらに寄ると、UNIQLOが目に入る。派手過ぎるわけではないけれど、どこか目を引く赤白カラーリング。「何処からでもご自由に」と言わんばかりの大きな間口とディスプレイ。特段買う予定はないけれど、ふらりと入り、お手頃な価格に心を揺さぶられ、帰りにはTシャツの入った袋を手にしている。罠だ。
そう、あれは22年前。
ある人からもらった結婚祝いの返しを探しに代官山へ行ったとき、夫が「彼、全身ユニクロなんだよね」と言った。
UNIQLOに行く理由
ユニクロへ行く理由は何か?
・生地がしっかりしているのにお手頃価格
・シンプルなデザインなので着まわしやすい
・期間限定価格に躍らされる
・出先や自宅付近など、割と近くに店舗がある
・店員が寄ってこない
・掘り出し物感がどこかある
・「え?これユニクロ?」って、己のファッションセンスを確認したい
パッと思いつくところを挙げてみた。どうだろう?
UNIQLOで困る事
シンプルだからこその着回しの難しさ。
いや、着回しというよりは、顔や体型に左右されてしまうことである。
「白Tにジーンズが一番オシャレ」って言うけれど、それはその顔とその体系があってこそのことだ。
同じシャツ、同じパンツ、同じ靴、同じバッグを着用したとしても、着る人が前に出てくるのがユニクロのような気がする。それはシンプルだからこその落とし穴ではないか。
またある時、己が買おうか悩んでいたものを別の人が手に取っているのを見て、やめたことがある。だって同じの嫌なんだもん。
「なら、なぜユニクロ来たん?」
しかり。
でも、ユニクロに行っちゃう自分がいる。ある意味己との戦いである。
それはさておき、ユニクロで困ることは他にもある。ユニクロに限らずではあるが、ファッションセンスが抜群な人はどんなお店に行っても、金額以外で困ることはないだろう。だが、世の中はそんな人ばかりではない。
「オシャレって・・・」が定まらない人が巷にたくさんいるはずだ。
そういう人にとって、ユニクロは救いの場でありながら、同時にユニクロに冷たく見放されてもいる。だって、店員来ないんだもん。
いや、違う。
オシャレに疎い人間にとって店員は恐怖である。
己のファッションセンスを小馬鹿にされはしないか、疎いが故にとんでもないものを買わされるのではないか、自分の域を超えた会話に嫌な汗が出てくるのではないか。勿論、店員は好意的に来てくれているのだと思うが・・・
UNIQLOに求めたい事
だからこそである。
こんなことを言うと怒られるかもしれないが、敢えて言いたい。
ユニクロに求めたい事とは、
いわゆる洋服屋にいる店員ではなく、こちらから必要な時に声を掛けられる「心優しきオシャレ指南員」である。
できれば、普通のユニクロ店員とは見分けがつくように、違う色のシャツを着ているとか、独特な眼鏡を掛けている、とかしていて欲しい。
そして、己が手にした服をどう着こなせば自分に似合うスタイルになるのか、他人から見て「なかなかいけてるね」と思われるスタイルになるのか、一人で悶々としている時に、「あの人がいれば・・・」的なお助けマンにこっそり声を掛け、あたかも親切な知り合いのようにアドバイスをくれる人が、ユニクロに常にいて欲しい。
自分のコンプレックスになっている部分をさらりと受け止め、そこをカバーしてくれるスタイルを一緒になって考えてくれる人がいて欲しい。
最難関である試着室に入ることを、試着したから買わないといけないというプレッシャーから逃してくれる人がいて欲しい。
だから、ユニクロに言いたい。
どうか、「心優しきオシャレ指南員」を出動させてください。勿論、そんな人必要ないという世の中の人は多いけれど、ユニクロを愛す人の中には、きっと同じような気持ちの人がいるのではないだろうか。いるよね?
UNIQLOが求めて欲しい事
今や世界中で愛されているユニクロ。コンセプトは「LifeWear」。
ただユニクロに行く度に心配なことがある。
あんなに山積みにされたTシャツやジーンズが果たして全て売れているのだろうか。これはユニクロに限ったことではない。どこのお店に行ってもいつも思うことだが。
ひと昔前から、アウトレットは大人気。ネット上にも破格で売れ残りを売る店がたくさんある。それでも、それでも、売れ残りはものすごい数あると思う。余ったものはリサイクルすればいいというが、それはエコなのか?
そもそもそんなに余るほど作るのが間違っている。
お店に商品が無ければ人が来ない
欲しいものが売り切れだったら人が来ない
違うサイズでは意味がない
ネット注文してすぐ届かなければ買いたくない
買う側として求めることだと思う。売る側としてはこれを回避しなければ会社が成り立たない。しかり。
しかし、ユニクロだからこそお願いしたい。
ユニクロだからこそ顧客に求めて欲しい。
商品を商品として売るのではなく、
商品になる前に売る、
という発想を顧客に求めて欲しい。
「LifeWear」
生活ニーズから考え抜かれ、進化し続ける普段着。
ならば、今すぐには無理かもしれないけれど、
着る側と共に考える普段着。
着る側に考えさせてくれる普段着。
売る側が売り切れる普段着。
そんな新しいスタイルをユニクロから求めて欲しい。
だってユニクロだから。
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