2019/11/30 LINDA HOSTEL 106にて。
出会いから約一か月後の物語。
出会いの物語は↓からどうぞ。
―――『このままじゃ友達になっちゃうよ?』
彼女からそう言われた瞬間、脳がフル回転を始めた。
暖かな照明の光、海外からのゲストと、気さくな店員さんの声。店内にいくつも置いてある ボードゲームの駒がジャラジャラと鳴る音。
そんな、外界からの一切がシャットダウンされる。
正直、本当に好きなのか、まだわからなかった。
一緒にいてとても楽しい、とは思っていた。
1か月で5回遊びに行った。2回目のデートでは星を見に行った。
箕面の滝の星空はいまいちで、その場の勢いで深夜0時から車を3時間車を走らせ、天橋立で満天の星を見た。
他にも何人かの女性とディナーへ行ったが、彼女は全く違う存在なのは確かだった。
ただ、直前に恋し、振られた女性の時のような、その人を見るだけでグサグサと胸を刺されるような痛みは感じていないのが本音だった。
・・・タイムリミットは迫っている。
―――「好きなんだろ?」「いや、本当に好きなのか?」「気持ちに答えないのは失礼だろ」「好きかわからないのに告白する方が失礼だろ」「お前が彼女のことを支えられるのか?」「早く楽になりたい」「まだあの子の子が好きなんだろ?」「振られるのが怖い」―――
ぐちゃぐちゃな思考の中から、答えを選択した。
彼女の手を握り、目を見て伝えた。
「好きです。付き合ってください」
『じゃあ、ちょっと話そうか』
・・・え?
カラン、とジントニックの氷が溶けて、音を立てた。
時刻は23時。LINDA HOSTEL 106にて。続く。
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