筋トレのコツ28:時短になる「スタッガードセット」の方法
この記事では、筋トレを行う際の「セット方法」の一つである『スタッガードセット』の特徴について簡単にまとめています。その特徴を理解する事で、トレーニング効率を上げていきましょう。
尚、「セット方法」とは、トレーニングで扱うウェイト(重量)、1セット中のレップ(反復回数)、セット間のインターバル(休憩)、そして合計のセット数の事です。それぞれについて解説していきます。
「スタッガードセット」とは?
スタッガードセットとは、「大きな筋肉」を鍛えるようなトレーニング種目を1セット行った後に、その大きな筋肉とは別の部位にある「小さな筋肉」を鍛えるようなトレーニング種目を1セット行って、その2つのセットを「1セット」として数えるセット法です。
尚、ここで言う「大きな筋肉」とは以下の通りです。
・背中の上部~中部にある僧帽筋
・背中の中部~下部にある広背筋
・肩にある三角筋
・腕の表側にある上腕二頭筋
・腕の裏側にある上腕三頭筋
・胸にある大胸筋
・お腹にある腹直筋
・お尻にある大臀筋
・太ももの表側にある大腿四頭筋
・太ももの裏側にあるハムストリングス
つまり「小さな筋肉」はこれ以外の筋肉なので、
・手の指にある筋肉や前腕にある筋肉(腕撓骨筋等)
・肩甲骨周りにある筋肉(棘上筋・棘下筋・前鋸筋など)
・お腹の側面にある腹斜筋
・太ももの内側にある筋肉
・太ももの外側にある筋肉
・お尻の側面にある中臀筋
・スネにある前脛骨筋
・ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋
・足の指や足の裏側にある筋肉
などという感じになります。つまりスタッガードセットでは、前者の筋肉を鍛えるトレーニング種目と、後者の筋肉を鍛えるトレーニング種目を、交互に行う事になる訳です。
例えば肩にある「三角筋」を鍛えるトレーニング種目には、フロントレイズやサイドレイズなどがあります。筋肥大を目的とする場合、まずフロントレイズを最大重量の8割前後で6~10レップ。
そうしてフロントレイズを行った後、今度は肩とは別の部位にある小さな筋肉を鍛えるトレーニング種目を行います。
例えばふくらはぎにある「腓腹筋」を鍛えるトレーニング種目には、カーフレイズなどがあります。筋肥大を目指す場合、このカーフレイズも最大重量の8割前後で6~10レップとなる訳です。
ただし後述のように、前のトレーニング種目と後のトレーニング種目の間の「インターバル」は取る必要がありません。このためこの2つのトレーニング種目を連続で行う事になります。それを1セットとし、合計数セット繰り返すのがこのスタッガードセットの概要です。
「スタッガードセット」のメリット
スタッガードセットでは、そのように異なる部位の筋肉を鍛えるトレーニング種目を、交互に行います。
このため前のトレーニング種目と後のトレーニング種目の間のインターバルは、殆ど必要なくなります。つまり前述の例では、フロントレイズの1セットとカーフレイズの1セットを、インターバルを挟まずに、連続で行う事になる訳です。
またそのように異なる部位の筋肉を鍛える関係で、後に行うトレーニング種目の時間が、前に行うトレーニング種目のインターバルを兼ねています。このため次のセットを行うまでのインターバルも短くする事ができます。
つまり通常ならセット間のインターバルは2分程度必要ですが、1分程度で次のセットを行えます。これによりスタッガードセットではかなりの「時短」になります。
ただしそのようにインターバルは短い事がポイントです。長くすると前のトレーニング種目で疲労させた筋肉が休んでしまいますから、その点には十分に注意しましょう。
「大きな筋肉+大きな筋肉」はオススメしない
例えば高強度のスクワットを1セット行った後に、これまた高強度のベンチプレスを1セット行う・・・というように、「部位が違うなら、大きな筋肉を連続で鍛えても良いのでは?」という事を考えつきます。
しかし大きな筋肉はエネルギーの消費量が大きく、最初のセットは問題なくても、すぐにエネルギーが切れ、後のセットでレップが重ねられなくなってしまう事が多いです。それによってトータルのトレーニング効果も、通常通り別々のセットとして行った方が良い場合があります。
またそのように疲労が大きいので、セット間で十分なインターバルが必要になります。それでは前の種目で鍛えた筋肉が休んでしまいます。更に、疲労困憊の状態では高い集中力が必要となるため、後に行うトレーニングで、予期せぬ怪我に繋がってしまう可能性もあります。
もしそのようにスクワットとベンチプレスを連続で行いたいのであれば、どちらか一方の重量を低く抑えて行う必要があるでしょう。もしくは通常通りスクワットを数セット行って、十分なインターバルを取ってからベンチプレスを数セット行う必要があると思います。
以上です。お役に立てれば幸いです。