インサイドセールスが「受注」に貢献するために必要なこと|インサイドセールスの存在意義を再定義してみた
こんにちは、こざる(@dai_sarukoji)です。
インナーコミュニケーション活性化支援SaaS『ourly』でインサイドセールスチームの立ち上げをしています。
これまでの経歴や、こざるの名字(本名です)の由来が知りたい方はこちらの記事読んでいただけると嬉しいです!
今回はインサイドセールス(以降IS)の役割、存在意義についてです。
具体的な施策というよりは抽象的な話ですが…
でも、ISってお客さんからお礼・称賛をもらうよりも、拒否・拒絶されることの方がどうしても多く、「ISチームは、会社・社会にどんなふうに貢献していくのか」が無いと、メンバーのやりがい、モチベーションが上がらないですよね。
(特にourlyの場合、社内コミュニケーション、従業員エンゲージメントに関わる領域を扱っているのに、最初に営業来る人がエンゲージメント低かったら買いたく無くなりますよね。)
さらには、きちんと存在意義を定義しておかないと、IS自体が無くなる可能性もあります。
ISが無くなる!?
先日、インサイドセールス研究会に参加した際の講演内容が
「セールステックが発達するとただインバウンドリードから商談創出するだけのインサイドセールスは無くなるよ」
という話でした。
・電話営業を迷惑だと考える顧客はやっぱり多い
・セールステックが発達すると、マーケ的な領域が広がり、リード獲得以降の商談創出もデジタル領域で置き換えることが可能になる
ことから、ISは「付加価値」を出していかないと淘汰されていく可能性があるよという、耳の痛いお話でした。
では、「付加価値」ってどのように産んでいくのかを、中谷さんのお話も元に考えると、以下のような選択肢があるかなと。
BDRができる→リードが無くても商談作れる、ABM的な動きができる
エンプラ志向が強まる中、FSと協働しながらChampion、Economic Buyer、Enemyを探し、商談機会を作り出すISは重宝される可能性が高いです。潜在層のニーズ創出が出来るセールス
特にスタートアップの場合、PMFしていないサービスも多く潜在層だらけのため、お客さんが気づいていないニーズを自覚してもらい、「なんとかしなきゃ!」と思ってもらうところから始めないといけません。そのため、潜在ニーズを顕在ニーズまで引き上げられるISは価値が高いです。「テクい」ISになる→MA、新たに出てくるセールステックを使いこなす
セールステックが台頭してくるのをしっかりとキャッチアップし、セールステックを活用した商談機会創出を設計、運用できるISはセールステックが進化するほど価値が高まる可能性が高いです。
1to1のアプローチができるマーケ、っていうイメージが近いかもしれません。FS領域に踏み込み、FSの受注効率を最大化する動きができる
営業の最終的な目的である「受注」を見据え、その時の企業の状況に合わせて役割を柔軟に変えられるISは言わずもがな重宝されますよね。
ちなみに海外では初回商談はISが担当することが非常に多いようです。
ISは「潜在ニーズを掘り起こし」、「受注まで遠い案件を前に進める」のが役割
前置きが長くなりましたが本題です。
上記の4つの「ISの付加価値を高める方法」の中でも2番と4番は実行しやすいのでは、と考え、ISの役割を
ニーズ創出特化セールス
中長期案件特化セールス
と再定義してみました。
ニーズ創出特化セールス
まずは「ニーズ創出特化セールス」についてです。
お客さんがサービスを導入するまでの流れは以下のとおりですが、この中でも「①ニーズの自覚」に特化して対応するのがISの役割では?と考えています。
なぜならば、お客さんの購買プロセスが複雑化する中でFSが「ニーズの自覚」に使える時間が減ってきているためです。
営業の方なら、目に穴が空くほど、耳にタコができるほど見聞きした内容だと思いますが、
課題=ゴール‐現状
です。
そして市場環境も変化している中、短期間で「ゴール」も変化、そのため「課題」も日々変化します。
そのため、課題がこれまで以上に捉えづらくなり、課題をしっかりと認識できているお客さんは想像以上に少ないです。
しかし、お客さんの購買は「ニーズの自覚」がなければそもそも始まりません。なんとなく問題があるな、では無く、「これは今解決しておかないとやばい!」とならなければサービスを選択し、導入決定をするところまで進まないのです。
そして、上の図のように日々複雑化する購買プロセスを、FSは捉え案件をクローズしていくために多大な時間と労力を使っています。
その分、ニーズの自覚に使う時間がどんどん減っており、商談化する前にきちんとニーズの自覚をしてもらい、課題に対する解像度があがらないと受注に繋がらず、「今ではない」「優先度低い」の失注が積み上がることになります。
PMF前後のサービスの場合、きちんとニーズの自覚ができていないと
商談数が倍になると受注率半分になる
も普通に起こり得ます。(ourlyでもありました。ISにとってもFSにとっても悪夢…)
もちろん、今でも「BANT情報が揃った場合のみ、商談化する」など、商談化の条件設定はしていると思いますが、その中でも「Needs」により重点を置き、商談機会を作るのでは無く、お客さんに向き合い、お客さんの困りごとを聞き、困りごとを解決することは長期的に見ると会社全体の受注数増に貢献できるのではないかと考えています。
何より「ニーズを掘り起こす」という、セールスの原点の部分を特化して対応出来るのは非常に贅沢で美味しいところ取りではないでしょうか。
ちなみにourlyでは
「お客さんのニーズ自覚状況に合わせたアプローチ」
を実施しています。
・お客さんが今困っていることはなにか
・担当者、部署の最重要ミッションはなにか
・担当者の方が会社の中で評価されるには何が必要なのか、追っているKPIはなにか
・会社全体で注力していることはなにか
などを聞きながら、
・現状の認識のみか
・課題を認識しているのか
・課題に対する解決策をなんとなくでもイメージできているのか
に合わせて提供する情報を変えています。
中長期案件特化セールス
次に「中長期案件特化セールス」についてです。
上記のように、お客さんの購買プロセスが複雑化しているため、FSはより短期の案件の受注率を最大化することに労力が取られるようになっています。
そうなると必然的に、中長期の案件に対してのフォローアップに手が回らなくなります。
・電話はするけど「ご状況どうですか」のお伺いのみになってしまう
・アンケート実施や他部署の巻き込みなど、会社全体を巻き込む動きをサポートできれば受注の可能性もあるが、担当者任せになってしまっている
などの状況になっている案件が少なからずある会社も多いのではないでしょうか。
また、IS側でもすでに、掘り起こしや滞留商談の再商談化を実施している場合もあるかと思いますが、「アポイント数」のみをKPIにおいている場合、KPI達成に結びつきにくいので後回しになっていたり、すぐに案件化しないものはアプローチできていない場合も多いかと思います。
そこでIS側が「商談を前に進めるためのアクション」が取れるようになると、パイプライン全体の受注率を高めることに寄与できると考えています。
ourlyでは「商談を前に進めるためのアクション」を取るために、
・失注企業の失注理由を解消するために上申用資料や、再度社内で必要性を伝えてもらうための資料を用意する
・間が空いてしまっている企業に対しては、「なぜやるのか」から再認知してもらう
・他の「優先順位が高い」となっているプロジェクトを前に進めるための情報を提供する
といったアクションを実行しています。
まとめ
ISの存在意義は、「アポイントを生むこと」ではなく、「顕在ニーズを生むこと」と「煮えきらないお客さんに寄り添い、かつFSに短期案件に集中してもらうこと」と考えて活動するとまだまだISに出来ることってたくさんありそうだなと考えています。
ourlyのISは、会社全体の成果を最大化するために何ができるのかを日々考えながら活動しています。
まだまだ未完成の面白いフェーズなので、少しでも興味を持ってくださった方はまずはカジュアルにお話しましょう!
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