Grade 9: Winter break - The Day Part 2
The Day のパート1はこちら。
誰の別れも同じだろうけど始まりと終わりの落差はいつもひどい。
1月9日 月曜日
冬休みが始まって2週間ちょっとが気がついたら経っていた。
今晩、ついにEくんは帰ってくる。
あれだけ楽しみにしていた日なのに、私は1日ずっと不安だった。
秘密にしないといけない苦しさと、全てを打ち明けてしまいたい気持ちと、結論を求められる圧と、Eくんの気持ちがわからない不安とでぺしゃんこ寸前だった。
Hageからは、「今晩19:00くらいにはEくん飛行機降りてるはずやからそんときにすぐ連絡きたらEくんはまだお前のことが好きってことになるんちゃう?」と繰り返し言われていた。
Hageが日本から戻ってきた時は、19:00くらいに着陸してるからきっとEくんも同じだろうという基の仮説だった。
そんなことなんの目安にならないのに、私はどんな提案でもすがるものが欲しかったから「好き」のバロメーターを連絡してくるスピードで測った。
19:00、MSNでオンラインになってた私にHageが話しかけてきた。
連絡がすぐに来なかったらどうしよう。連絡が全く来なかったらどうしよう。不安と緊張でそれどころじゃないのにHageが「まだメール来んの?」「遅いなー」と追い打ちをかけてくる。
自分が私に連絡をよこしたのが19:10だったから、Eくんもきっとそれまでには連絡をするだろうという理屈だった。
私の返事の素っ気なさから不安が滲み出てる。
人生で1番長い4分だった。
19:10になっても、Eくんからは連絡が来なかった。
連絡が来ない.....…もうE君の気持ちは私にはないのかもしれない。強がって、とっくのとうにそんなの知ってたと言わんばかりに、メールきた?どう?とさらに重ねるHageに私はこう言った。
どうやらこの前後にこんな会話もあったらしい。
もう随分前からEくんは私のことはどうでもよくなったんだ。
そう思い込むようになっていった。
最後に会ったあのクリスマスデートの時はひとっつもそんなこと過ぎりもしなかったくせに。
人の気持ちに敏感なHageは、私のそっけない返信を察したんだと思う。
「俺はEくんから何時何分の飛行機って聞いたけどもしかしたらその情報が合ってないかもしれん」とフォローした。
もしかしたら待てなくなって「着いたーー?」と私の方から先にEくんにSMSを送ったかもしれない。
Eくんから返信があったのは22:00を回った頃だった。
「今帰ったよーーーーーー!!!!」
いつものあの優しいEくんのメッセージだった。
その瞬間、気づくのに遅すぎたのかもしれないけど、暖かい気持ちが込み上げてきて
あぁEくんからずっとこうやって連絡を受け取りたいな。
ずっとEくんを選び続けたいな と実感した。
Eくんが変わってないことの安心感と、Hageからは相変わらずどうなってる?の圧がすごいことで何を血迷ったかEくんに話がある。実はEくん不在の間に男の人と会った。その人は最近まで彼女がいて、その人に好きって言われた。その人は最初会ったころ自分も好きでどうやら両思いだったらしい。最近になってそのことがわかって混乱している。そんなようなことを報告した。
なんで連絡がついてすぐにそんなことそ打ち明けようと思ったのかわからない。Iちゃんが口を酸っぱく言った何も言わなくていい。この話は急がなくていい。アドバイスは全部吹っ飛んでた。
冷静にもう考えていられなくて、心の中で「Eくんはどんなときでも私の味方でいてくれる」。「Eくんなら私のことをわかってくれる」。そう信じ込んでいた。私の答えが出た今、そうかそうか。Sarryちゃん大変やったね。だけで全てがまたそっくり元通りになると思っていたんだと思う。
だってEくんは「僕はSarryちゃんを裏切ったり、傷つけたりなんかしないよ」って言ってくれてたから。
突然のニュースに当然混乱するEくんは、「えーよくわかんないけど付き合ってたん?」と返事が来た。
その後、あとでMSNにあがるから、そこで話そう。と言ってくれた。それでもEくんは優しい口調だった。
23:30頃、EくんとMSNで話した。
「ごめんなさい。帰ってきてすぐにこんな話」
私は開口一番に謝った。
久しぶりにやっとMSNでちゃんと話せるのに、その機会をめちゃくちゃに潰したのはHageじゃなくて自分だ。
彼の納得いってないのに無理やり納得いったようにみせるために「ふんふん」いうのが嫌だった。
Eくんをこの瞬間にはっきりと選んだのに、状況が読めないEくんは思ってもないくせに「新しい相手」と上手くいけるように頑張れば?と私を突き放した。
少なくとも、そう感じた。
1番、応援してほしくない相手に「頑張れば?」と言われた。それがショックで、あぁ、Eくんは私をもう見捨てるつもりなんだと解釈した。「僕はSarryちゃんをだましたり、疑ったり、見捨てたりなんか 絶対しないからねw」
そう前は言ったのに。見捨ててるじゃん.…
Eくんと話が進む傍、Hageともまだ続いている。
Eくんが発言したこと、私が発言したこと、Hageからの催促でその都度報告していた。
「やばくなったら俺の名前だしていいで」
HageはEくんと私のの会話が開始した時にそう言ってくれた。お互いカバーし合う構図が自然と出来上がり、それは火に油を注ぐのと同じことだった。
続きます